10 放課後-陽太②-
ようやく野球部の練習が終わり、
俺は松見の待つ教室へ向かった。
ガラガラ…
俺が教室に入ると松見は自分の席に座り窓の外を見ていた。
陽太
「悪い、待たせた」
俺が声をかけると松見は振り向き笑った。
花
「大丈夫だよ!お疲れ様!」
俺は思わず黙り込んでしまった。すごく綺麗だったから。
と思ったら、松見がクスクス笑い出した。
陽太
「な、なんだよ」
花
「だって、野球のユニフォーム着たままなんだもん…」
そう言われてハッとし、俺は自分の姿を見た。
しまった着替えるのを忘れていた。
しかもその野球のユニフォームは泥だらけで
とても告白をするような格好ではなかった。
陽太(内なる声)
『何してんだよ。俺。何か言い訳を考えろ。』
陽太
「待たせていると思ってそのまま来たんだ」
花
「そっか、優しいね。」
松見はそういうと続けた。
花
「それで話って何かな?」
陽太(内なる声)
『しまった!言い訳が話をする流れになったじゃねーか。この格好で言ってもいいものなのか!?ど、どうする…』
と考えていると
「まだいたの?あなた達早く帰りなさいね?北条くんは着替えてからね。」
と点検に来た先生に言われ帰ることになってしまった。
俺はホッとしてしまった。そんな自分に嫌気がさした。
陽太
「悪い、また今度言うわ。またな。」
花
「え?北条くん?」
俺は着替えるために部室に戻った。
着替え終わって部室を出て俺はため息をついた。
本当に俺は意気地なしだ。
告白なんてすぐに言えばいいんだ。格好なんか気にしないで、誰にとられるかわからないんだ。
そうトボトボと靴箱へ向かうと
松見が待っていたのだ。




