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気づけば転生していました

夢にまで見た魔法が溢れる世界に転生した!!

けどこんなにめんどくさいものなのですか汗



「兄様、もう行ってしまわられるのですか?」

「あぁ、と言っても再来月の建国祭の休みに合わせて帰ってくる、、本当はお前の洗礼までここに残りたい所だがな」


そういうとデビット兄様は僕の頭をくしゃりと撫で、父上と母上達に改めて挨拶をし馬車に乗り込んだ

ゆっくりと動き出した馬車に向かい、泣きそうな顔をした父上がこう叫ぶように言う


「しっかり勉学に励むのだぞーっ」

「分かっています、父上と母上達もお元気で」


そうデビット兄様が馬車から身を乗り出し大きく手を振りながら応えると、付け加えるようにこう言った


「父上の様に、学院で嫁の3、4人見つけてきますねーっ」

「なっ」

「あの子も言うようになったわね、ふふっ」


兄様の声に父様は絶句し、母様達が笑う。そう母様達だ。第一夫人のアニエ母様、第二夫人のピエネッタ母様、第三夫人のジャンヌ母様、第四夫人のルミネ母様。4人の母様達が


ルイゼスハープ帝国・ザクリスハイブ辺境伯、ミハイル・ルイ=ザクリスハイブ。それが今しがた兄様の言葉に撃沈した父様の名前。短く切りそろえられた銀髪に切れ長な碧眼、鼻筋はスっと通っており凛々しい印象を受ける。凛々しいのは顔立ちだけでなく身体も、一見細く見えるが着痩せするタイプらしく満遍なく筋肉に覆われた身体だ。思わずキレてるねなんてちゃちゃを入れたくなるような

周りを海と砂漠と樹海に囲まれた帝国の中でも、死の樹海とも呼ばれるモンスター達の蠢くモリータヌ樹海に面した街であるザクリスハイブ。そしてその周りに点在する15の村を領地として拝命している


「さぁ、ジョセフそろそろ中に戻りましょう。まだ熱が下がったばかりなのですから」

「はい、アニエ母様」


僕にそう声をかけ返事をした僕を、抱き上げようとしたアニエ母様の代わりに僕を抱き上げたのはピエネッタ母様だった。驚いた顔をしたアニエ母様



「アニエ、あなたは身重なのだから、ジョセフの世話は私達がするわ」

「えっ、けど、、ピエネッタ、貴方はこないだサラが生まれたばかりでしょ?」

「大丈夫よ、あの子は誰に似たのかよく寝てくれる子だし、、ジョセフは優しい子だし」


そう言い、少し渋るアニエ母様を他の母様と共に言いくるめたピエネッタ母様は僕を連れて歩き出した


「はぁ、、無邪気な4歳児を演じるのは辛いな」


お昼寝をしたと思わせてるのに意外と骨が折る物だなと思いつつ、ひとりになった寝室でベットに横になったまま考える。僕がここに、この世界に来る前の事を少し思い出す


僕は日本のしがないサラリーマンだった。営業職になり十数年、地道にコツコツとやっていた。仕事は充実していたが私生活は、寂しい物で彼女などしばらくご無沙汰。まあ兄と姉が早々に結婚し甥っ子、姪っ子が5人居た為両親にとやかく言われた記憶も無い。

そんな俺はジリジリと照りつける太陽の下、外回りのさなか歩道を歩いていた

そして聞こえたクラクション。何かが自分に当たった衝撃、そして周りに見えた真っ赤な液体

それが覚えている最後のこと、多分それで僕は死んだ。詳しい事はよく覚えていない。そしてここに居た、この辺境伯家の子供、ジョセフ・ルイ=ザクリハイブとして目覚めた。

何が何だか分からなかった、だが後輩に薦められ時たま読むようになったラノベの様に異世界転生とやらをしたのだろうと思った。目覚めてから数日で


「旦那様、今期から従士した魔術師達だけども、、」

「何か不備があったか?」

「不備と言うほどじゃないけど、、少し扱いてもいいかしら?」

「、、ピエネッタ、ほどほどにな」


色々と考えていたら気づけば寝ていた、体力がそこらの4歳児同じなので仕方がないか。昼寝を終え、おやつを出され食べた。見た目は所謂普通のクッキーだったがなんだか元気が出る味だった 。

それをく思わず口に出したらそれは魔力の回復に役立つと言う薬草を練りこんだクッキーだとピエネッタ母様は言っていた。

この世界に転生してから、もしやとは思っていた。目覚めて一番最初にお医者様を呼ばないとと言ったアニエ母様の指先からキラキラと輝く何かがはなたれると、直ぐに医者らしき男性が部屋に飛び込んで来て僕の様子を見てもう大丈夫だなどとアニエ母様と話して居た。魔力不足は少し心配ですがとか色々と話していたが、魔力ってなんだと思えばまた意識が飛んだ

そして頭の中に生まれてから数年分の記憶が流れ込んで来た

この国はルイゼスハープ帝国と言う国である事、その国の魔族領との最終防衛ラインとも言えるモーリタヌ樹海を統治している家の子供として生まれた事を。姉が3人、兄がひとり、妹が3人と女が多い家に生まれたという事を。


何がどうしてこうなったかなんてよく分からない。だが少しワクワクもしていた、この世界は子供の頃から憧れて居た魔法に溢れる世界だと何となく理解したかからだ。それは目覚めて時間が経つに連れてよくわかった。これから僕はこの世界で生きていくのかと思うと胸が高まった

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