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苦悩のC/主神の決意

 凍結した大雅の周りで、万全の準備をした研究員たちが、今まさに大雅の解凍作業に移ろうとしていた。


 「では、これから解凍作業に入ります。マスコミの皆様は危険ですので、規制線より前に来ないでください。」

 「ご覧ください。今まさに解凍が始められようとしています。はたしてうまくいくのでしょうか?これからの行程を当番組では生中継でお送りしたいと思います」


 研究員たちは安全を確認した後に、大雅に向けて解凍光線を照射し始める。

 すると、表面から少しずつ氷が解けていき、表面に水滴がつき始めた。


 解凍は順調に進んでいるかのように見えたが、ここで思わぬ邪魔が入った。


 「な、なあ!?」

 「な、あ、あれはドレードです!解凍作業をしている真っただ中にドレードが出現しました!」

 「人は人であれ……人以上の力を求め、見入ってはいけない……」


 突然のグレイの出現に、現場は騒然とするが、一人の研究員がグレイに近づいていく。


 「お前が怪物だろうとなんだろうと知ったことか!どうせこれもコスプレだろ!ほら脱げよ、シャチ頭!」

 「人間はいつもそうだ。主と同じ姿を持てたからと、他の種族を貶す。やはり、滅ぼすべきだ」

 「ほら、脱げよ!―――な……」


 バキバキバキ


 そう音を立てて、グレイに盾突いた研究者は氷漬けにされて絶命した。

 それを皮切りに、周囲から金切り声が響く。それと同時に、身の危険を感じた者たちは悲鳴を上げながら逃げ始めた。


 「うわあああああ!」

 「きゃあああああああ!」


 グレイはその逃げる人たちに向けて冷気を放とうとした瞬間に、グレイは攻撃をやめた。


 「ぬ……」


 グレイが上を向くと、空中からカラスのレイトが拳を振り上げて落ちてきた。


 ドゴオオオン!


 間一髪で気付いたグレイはレイトの拳を避ける。避けた後には、レイトの拳によって大きくへこんだ地面が残されていた。


 「お前は……私には勝てない。そう教えたはずだが?」

 「わかってるわよ」

 「なら、なぜ来た」

 「私の目的は復讐。お前を殺すこと。でも、一人じゃ無理。た……ガーディアを頼らないといけない。だから、ここであなたに大雅の氷を砕かせるわけにはいかない!」

 「その男は、お前の代わりに氷漬けになったのだ。それを忘れるな」

 「そんなこと誰よりも知ってる。だから、大雅が氷を砕くまでの時間稼ぎは私がやるのよ!フギン!ムニン!」


 そうして、レイト―――澄香は式神二体を呼び出す。


 だが、それはグレイにとってなにも脅威ではない。澄香は式神を使うと注意力が散漫になり、単純な罠にはまりやすくなっていた。

 彼女は、数の優位性をまだうまく使えないのだ。

 グレイはそれを知っている。だから、彼女に勝機はない。そう考えていたのだが―――


 「【アームドオン】!」


 澄香が力を発動すると、呼び出したフギンとムニンは光の粒子となり、澄香の背中にくっついた。と、思えば、光は新たな形を形成していき、澄香の第3、第4の腕となった。


 「な……」

 「人数的な数にこだわる必要ない。手数で勝てばいい。これなら三人の動きを注視するより、負担は軽い。あとは四本の腕を動かすことになれるだけ!」

 「驚きはしたが、そんな小細工は通用しないぞ」

 「言ってろ!」


 澄香は、グレイの挑発など意に返さずに攻撃を繰り出す。

 その攻撃に、グレイは戸惑ってしまう。


 (違う。前回とはあまりにも動きのキレが違う。まさか本当に前回より、意識の集中ができているというのか?)


 そう考えるが、冷静にグレイは足元を凍結させる。こうすれば、フィールドはグレイの独壇場になる。

 誰もが、そうなると思うだろうがそうはいかなかった。


 澄香は、足元を四本の腕で同時に殴り、氷を思いっきり砕いたのだ。ひどい力押しだ。


 「馬鹿な!?」

 「これが―――私の力よ!もう、負けないわ!」

 「ちっ、このクソアマあ!」

 「あの冷静さはどこ行ったのかしら?隙だらけよ」

 「馬鹿な、いつの間に後ろに!?」


 澄香の急激な成長に冷静さを失ったグレイは、澄香の動きをとらえることがかなわずに、後ろに回り込まれてしまう。


 後ろに回り込んだ澄香は、容赦なしに四本の腕でラッシュを放つ。


 「【クォテットラッシュ】!オラオラオラオラオラオラオラ!」

 「ぐは……―――クソ……」


 グレイは、ラッシュを受ける中で無理やり凍結の能力を使って技の脱出を図るも、澄香に思いのほか隙がなく、力の発動までの時間が稼げていない。


 「あんたには力の発動をさせなければ、私でも十分応戦できる!」

 「なめるなあ!」


 ビキビキ


 「な!?そんなはずは!?」


 グレイは、唐突に起きた異変に気付いたが、澄香は気付かなかったのか、それともお構いなしなのか、グレイへの攻撃を一切やめない。


 だが、澄香自身にも負担はあるのだろう。ラッシュに先ほどほどのキレがない。

 それをグレイは見逃さなかった。その一瞬の隙を縫うように、技を抜け出し氷柱で澄香をぶっ飛ばした。


 「いった……」

 「はあはあ……そんなはずはない。だが、今の音は……」


 ミシミシミシ


 グレイの疑いは見事に的中し、少しずつ氷にヒビが入り始めていた。そう、大雅を覆っている氷が。


 「はあはあ……たい……が」

 「馬鹿な、そんなはずは……私の拘束は完璧なはずだったのに」


 バリバリバリバリ


 「【グレネードバースト】おお!」

 「ゴハア!?」


 氷が砕けた瞬間に、大雅の放った技がグレイを大きく吹き飛ばした。グレイはそのまま、建物に突っ込み崩れた瓦礫に埋もれる。


 「たい……が」

 「澄香、よく耐えてくれた。そして、お前の名前決めた」

 「え?」

 「オーディン」

 「き、急に?」

 「フギンとムニンを使役する存在って言ったら、オーディンだろ?」

 「つ、ついていけない……」


 氷から解放された大雅は、いきなり澄香に命名をし始める。

 いきなりの展開に、澄香はついてこれてないようだ。


 まあ、それもそうだ。命を懸けて守った相手に、いきなり名前を決めたと言われたら困惑するに決まってる。


 「復讐―――仇取るんだろう?全力でやんないと、アイスロードは倒せないぞ」


 その言葉に、戸惑っていた澄香の目が変わった。


 「そんなことわかってるわよ。力、貸しなさいよガーディア」

 「当たり前だ。そっちこそ、手かしてくれオーディン」


 二人は、グレイのいる方向に向かって、構える。


 「「2人でともに敵を討つ!」」

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