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不思議なS/遊園地の列

 「俺とデートしましょう!」

 「え?」


 ボンッ


 風見先輩は、俺の言葉を聞いて瞬時に顔を真っ赤にさせた。

 結構、純な反応をするものだな。


 「今週の日曜、午前10時に迎えに来ます。それまでに目一杯おめかししてください。あ、逃げよようとしても無駄ですからね。力使ってでも追跡しますから」

 「そ、その……私なんかとデートをしていいのか?」

 「そんなの気にすることじゃないでしょ?先輩が気にするのは、デートの日どんな格好するかだけでしょ?」

 「そ、それは……」

 (で、デートなんて……こ、この男はなにが目的なのだ?)


 色々と思案した結果、先輩は俺とのデートを断ろうとする。

 だが、そんなのは許さない。彼女を変えるにはきっかけが必要だ。


 「あ、先輩に拒否権ないんで。じゃあ、俺は帰ります。先輩がどんなに可愛い格好をするか楽しみにしてますね」

 「あ、ちょ……」


 俺は言いたいことだけ言うと、先輩の家を出て行った。


 玄関に向かうためにリビングに入ると、先輩のお母さん―――結城さんがゆっくりしていた。

 彼女は俺に気付くと、心配そうな表情で話しかけてきた。


 「その……大丈夫だったかしら?」

 「なんだかんだ、色々話してくれましたよ。内容は追って報告します」

 「ありがとうね。由香の後輩君に頼むことになって情けないわね……」

 「依頼に年齢なんて関係ありませんよ。人それぞれの悩みは誰かが聞くもの。誰かを頼ることは間違ってませんよ。たとえ後輩でも」

 「そう……わよね。今日はありがとう」

 「そうだ。日曜、また来るんで」

 「あら、また来てくれるの?」

 「いえ、デートです」

 「え?」


 伝えたいことを伝えた俺は、玄関から外に出て帰宅した。いやー、2人ともデートの単語に過剰反応しすぎだろ。


 ―――特に何もないから日曜に加速!―――


 そして迎えた日曜日。今は朝の8時だ。

 約束の時間まで少し時間がある。迎えに行く以上、俺はぴったりの時間に行かなければ、迷惑になってしまうだろう。

 これが、駅前の集合とかなら15分前についているのだが。


 そういえば、こういうのって1時間前に集合してる作品をよく見るが、俺にはその神経が分からない。

 まず、一時間も前について暇すぎるし、相手もどんな反応すればいいのかわからないし、1時間その場所を陣取ることになり近所の人にクソ迷惑をかけることになる。


 と、まあ俺の創作物批判はこのくらいにしといて、俺は着替えなどを済ませて出発の時間まで暇をつぶす。

 ちなみに、今回のことを芽衣と澄香は知っている。このことを言ったら、2人ともに馬鹿じゃないの?って言われた。女子はわからん。


 そうして、俺は家を出るとバイクにまたがって先輩の家に向かった。


 「ふう……到着。さてどんな格好をしてくるのかな?」


 ピンポーン


 俺がインターホンを押すと、「はーい」という声が聞こえた後足音が徐々に玄関の扉に近づいているのが分かった。


 「はーい、有藤君お待たせ。ほら、由香は早く出る」

 「そ、そんなに急かすな!」


 そう言って、姿を現した先輩はとてもきれいだった。白のシャツにジーパン。ぴっちりと決まってはいるが、先輩の体のラインとのマッチ度が高く、とてもきれいに見える。


 「そ、その……どうだ?私なりにオシャレというものをしてみたのだが……」

 「きれいですよ。先輩、スレンダーだからスタイルがよく見えます」

 「わ、私はこれでもCはあるのだが……。スレンダーか……」

 「なにを落ち込んでるんだ?」


 なぜか落ち込み始めた先輩を俺は無視しつつバイクで俺の後ろに座るように指示を出す。

 もちろんヘルメットを投げて、ちょっとキメた。


 だが、特に何も感じなかったのかスルーされる。悲しっ


 「そ、その、失礼します」

 「どうぞー。走るときは俺にちゃんとつかまってね」

 「あ、ああ」


 そう言って腕を俺の腰に回す先輩。その時、背中に柔らかい感触があったのだが、俺はなにも感じていないことにした。


 まあ、由愛はもう一回り大きかったからな。俺が経験なかったら興奮してたのかな?それとも、性欲はすでに抜け落ちたかな?


 俺はそんなことを思いつつもバイクを走らせる。


 「今日はどこに行くつもりなんだ?」

 「今日は遊園地に行こうかと思ってる。先輩は嫌いですか?遊園地」

 「いや、嫌いではない」

 「なら決定です」


 そのまま俺は目的地に向かってバイクを走らせた。


 しばらく走らせていると、駐車スペースが見えてきて遊園地に到着した。

 先輩に先にチケットの列に並んでもらって、俺は駐車を完了させて先輩のもとに向かった。


 そこでは特に問題もなく、チケットの購入が完了した俺たちは遊園地へと入場した。


 「先輩はなに乗りたいですか?俺のおすすめはいきなりジェットコースター!目が覚めます」

 「じゃあ、ジェットコースターに乗ろうかな」

 「じゃあ、並びましょう」


 そういうことなので、俺たちはジェットコースターの列(30分待ち)に並んだ。並んでいる途中も俺が話しかけないとだんまりを決め込む彼女を少しでも会話をしようと、俺は永遠と会話を振り続けた。

 すると、列に並んで20分くらいたってから、先輩からも自発的に話してくれるようになった。


 「有藤はここに来たことあるのか?」

 「まあ、そうですね。中3の時に一回だけ」

 「友達とか?」

 「いえ、元カノです」

 「す、すまない」

 「謝るまでが早いな」


 別に気にしてねえよ。それに、確かに楽しい思い出だけどそれまでだ。それ以上のことはない。


 「有藤は女性経験があるのか?」

 「まあ、ありますよ。一人ですけど」

 「その割には女子と接するのがうまい気がするのだが」

 「まあ、物語の陰キャじゃないから、そんなにキョドったりしないですよ」


 それから、俺たちはジェットコースターに乗って、思いのほか楽しかったので2回目に行ったのはここだけの秘密だ。

 その時の先輩の子供っぽい笑顔も、ものすごく魅力的だった。


 それから俺たちは、コーヒーカップやフリーフォール。メリーゴーランドなど色々なアトラクションを楽しんだ。


 次に俺たちが来ているのは、お化け屋敷だ。ここら辺では怖すぎると評判のお化け屋敷だ。

 だが、そこの前に来たのにも関わらず、先輩はその場を離れようとしている。


 「ここはいいんじゃないか?私たちは楽しみに来ているんだ。わざわざ怖いところに行く必要はない」

 「え?もしかして先輩……」


 お化けとか無理な感じ?

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