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勃発!Bの波乱/夏の海時々ナンパ

前回に続いて過去回です。

風紀委員長の話を生贄に、過去の話を特殊召喚!

さあ、話が脱線していくぞ!


 朝、始業のチャイムが近くなったこの時間に、少しだけ教室内が騒がしくなった。

 恋崎が登校したのだ。


 彼女が登校すると、彼女に下心のある男子たちが話しかけに行くからだ。


 「またか……」

 「お前、本当に興味ないんだな?そんなんだと高校も寂しいまま終えちまうぞ」

 「別にいいんじゃね?バカやりあえる友達がいればいいさ」

 「だとしても、お前は友達を作らなさすぎだぞ、大雅」

 「うっせ」


 俺が大樹とそんな会話をしていると、恋崎の視線がこちらに向いた。


 一瞬気のせいかと思ったが、そうではなかったようで、こちらに向かって歩いてきた。


 「おはよう、有藤君」

 「ああ、おはよう」

 「岩貞君もおはよう」

 「おはよう、恋崎さん。珍しいね、俺たちに話しかけてくるなんて」

 「そうだね。珍しいね。じゃあ、また、後でね!」

 「はあ、できることなら来ないでくれ」


 マジで……

 今の一連の会話だけで、相当な注目を浴びた。やはり、人の視線は痛いな。

 別に気分が悪いとかではないが、不躾に見られるのはあまりいい気分でもない。


 浴びせられる視線が、嫉妬とかそういうのならなおさらだ。


 それからは、恋崎が話しかけてくることもなく、昼休みを迎えた。


 「大雅、飯食おうぜ」

 「そうだな。今日は学食か?」

 「せいかーい。よくわかったな?」

 「お前、いつも弁当持ちながら来るじゃん」

 「あはは、それもそうだ」


 そう言い合って、食堂に向かおうとすると声をかけられる。


 声の主は言うまでもなく恋崎だ。


 「あ、有藤君たち。一緒にお昼食べようよ!」

 「え?由愛が男子を食事に?」

 「千夏、そんなに大仰なもんじゃないよ……」


 正直、お断りしたいところだが、本当に奇跡かどうかは知らんが、当てる席が俺たちの周りの4席だけだ。

 これでは、断ったところでという話だ。


 「どうぞ、ご自由に」

 「あはは、じゃあ有藤君の隣ゲットー!」

 「じゃあ、私は岩貞君の隣かなー」

 「ん?」


 俺は、恋崎の友人の動きが少し不自然に映った。


 なんかこう……、気恥ずかしさを感じるというか……


 「(恋崎、お前の友達って、大樹に気があんのか?)」

 「(あ、わかる?そうなの、だから応援のためにお昼誘ったの。ごめんね?友達の恋を応援させて!)」

 「(いいよ、別に)」

 「(ありがとう!)」


 そんな俺たちの会話をよそに、対面の大樹と恋崎の友人―――八女千夏は楽しそうにおしゃべりをしていた。

 大樹が、あんなに楽しそうに話しているのを見るのは、何年ぶりか?

 小6の頃にこっぴどく振られたトラウマはいいのだろうか?


 いや、少しだけ指が震えてる。まだ、怖いのか。


 「八女さんはさ、普段休日とかはなにしてんの?」

 「うーん、私は買い物かな?やっぱり、流行りの服とかほしいから。有藤君は?」

 「俺は、オンラインで、大樹とゲーム。最近は、スマホでFPSやってたな」

 「へー、ゲーム好きなんだ?」

 「まあ、俺と大樹はそれなりにうまいぞ?」

 「へー」


 俺たちは、それからも談笑をしながら昼を過ごした。

 不覚にも、俺はその時間を楽しいと思ってしまった。まあ、悪くない気分だった。


 「いやー、いい人だったな。八女さんたち」

 「お前、女子と話しても大丈夫なのか?」

 「いや、まだちょっと話してると、あのことがちらつくけど、もう昔のことって割り切れてる自分もいるから。前よりはちょっとだけましかな?」

 「そうか、無理するなよ」

 「わかってるさ」


 その日から、俺たちは交流を深めていき、お互いの家にまで遊びに行く仲にまで発展していった。


 それから夏休みに入ってしばらくすると、恋崎から電話があった。


 「もしもし?」

 『水着、着替え、ありったけのお金を用意して、それをもって明日の8時に駅前集合!』

 「は?」


 プツ


 恋崎は、言いたいことだけ言って、電話を切った。

 なんだあいつ?


 それにしても、水着か……

 プールか?


 そして翌日、俺が駅前に来ると、俺以外の全員がやってきていて、恋崎が俺を見つけるなり


 「遅い!罰金!」


 と、言ってきた。ハ〇ヒかよ。


 そんな感じで、俺が朝飯おごりということになったのだが、今日の目的はその時に聞かされた。

 なんでも、海に行きたいらしい。


 というわけで、電車で行こう。とのことだ。


 じゃあ、もうちょっと情報が欲しかったよ。


 ――――そんなこんなで海到着――――


 「海だー!」

 「やっほーい!」

 「相変わらず、女子二人はテンションが高いな」

 「ああ、インドアな俺たちにはきついもんがあるぜ」

 「勝手にインドアに仕立て上げるな。否定はしないが」

 「じゃあ、いいじゃんか!」


 俺と大樹は浜辺で城づくりに没頭し、恋崎と八女は浅瀬で水をかけあっている。

 一緒に来たとは思えない光景だ。


 俺たちが、城をほぼ完成させそうになってるときに、彼女たちは昼ごはんにしようとか言ってきた。


 「待って、もう少しできそうなんだ」

 「いや、今でも十分すごいんだけど?ていうか、私たち2時間くらい遊んでたんだよ?もしかして、2時間砂で城づくりしてたの?」

 「そうなるな」

 「でも、お昼にしようよー。もう少しで混んできちゃうよ」

 「じゃあ、買ってきて」

 「俺のもー」

 「「はあ?」」


 俺たちが、昼飯を買ってくるように言うと、文句を言いながらも買いに言った二人。中々いい奴らじゃないか?


 そんな中、大樹は俺に話しかけてくる。


 「なあ、恋崎さんっていいと思わないか?」

 「は?」

 「俺、恋崎さんのこと好きになったかも……」

 「まじかよ……」


 衝撃だった。これまで、大樹に目立ったアプローチをしていたのは、どちらかと言えば八女だ。どうして彼女じゃない?


 「八女とかはどう思ってるんだ?」

 「あー、なんか女子っていうより、友達っていう感覚が大きいんだよね。こう、気の合う女子友達ってやつ?」


 あ、八女は距離を詰めすぎたんだ。友達以上の関係に踏み入れてしまった。


 そうなった以上、彼女は大樹の彼女になれない。

 どうする?彼女の恋を応援するといった手前、俺は大樹の意識を八女に向くように仕向けるべきか?


 走行思案しているうちに、20分近く経過した。


 「遅くないか?二人とも」

 「そうだな」

 「大雅、見に行く?ちょうど、城もできて写真に撮ったし」

 「そうだな」


 俺たちは、恋崎たちは向かっていった海の店のほうに行った。

 そこで、彼女たちを見つけるのは簡単だった。


 「なあ、君たちどこから来たの?お兄さんたちと遊ぼうぜ」

 「いえ、そういうのは」

 「ていうか、昼飯買うのを女子にやらせるとか最低じゃね?俺たちならそんな事させねえよ」

 「私たち、人を待たせてるんで」


 ナンパに絡まれてたから、見つけるのは簡単だった。


 彼女たちは、見た目だけでも相当可愛い部類に入る。

 その上に、かわいらしい水着までつけているのだとしたら、会いたくなるのも仕方ないだろう。


 「はあ、しゃあない」

 「あ、大雅」


 俺は、恋崎たちのもとに向かう。


 「すいません、こいつらうちの連れなんで、手出すのやめてもらえます?」

 「あ?てめえ、誰に、向かって口きいてるのかわかってんのか?」

 「てめえだよてめえ。文脈で察せよ。あ、それができない低能だから、人の意見も聞けない下品なナンパやってんのか?」

 「あ?ガキ、なめてんじゃねえぞ?」


 ごちゃごちゃうるせえな。消えろってのがわかんねえか?


 この、クソド低能が!


 「ごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃごちゃ、うるせえんだよ」

 「もういいわ。おい、お前ら〆るぞ」

 「「「はい!」」」


 リーダー格の男が号令すると、下っ端らしき奴らが、俺に向かってくる。


 「二人とも下がって」

 「岩貞君?」

 「危ないから。大雅にはこれからは気を付けてね。最近、ストレスたまってたっぽいし」

 「「え?」」


 下っ端の一人が俺に殴りかかる。だが、しょせん素人。動きに腰が入ってない。まあ、それでも何歳も上の人間。俺が避けるのは非常に難しいな。


 だが、俺は楽に攻撃を避けて、そいつの顔面に縦拳を叩き込んだ。


 「げぶしっ!?」

 「あは、あはは、あはははははっははっはははっは!」

 「な、なんだ?」

 「あーあーあーあー」


 そこからは、俺はなにも覚えてない。気づいたら、ライフセーバーの人たちに羽交い絞めにされながら「やめるんだ!」と言われていた。


 ―――岩貞の解説視点―――


 始まってしまった。


 小6の秋以降、まったく見せてこなかった大雅の暴走状態。


 大雅はストレスなどの心労が一定値を超えて、大雅の心身に負荷をかけ始めて、限界を超えると大雅自身が覚えてないくらいに、大暴れし始める。


 暴走し始めたら、もう止められない。


 あんななりでも、大雅は腕立て、状態起こし、スクワッド、各200回。ランニングを5キロ。これを毎日続けている。

 それを苦にならないレベルの所まで、体を鍛えているのだ。


 もう、彼を誰も止められない。

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