勃発!Bの波乱/過去
そろそろ過去話やらないと、恋崎由愛がなんの意味もなく主人公の尻追っかけてるだけのキャラになっちゃう!
警察の神田は、いつものジムでトレーニングを重ねていた。
すると、元同僚の一課の金木がやってきた。
「やあ、お久しぶりです」
「こんにちは、金木さん。捜査の方はいいんですか?最近、誘拐事件が多発してるって……」
「これも捜査の一環ですよ。誘拐対象は、子供ではなく大人。それも、体を鍛えぬいた人物に限られています。
被害者は、真澄信二、伊藤誠、前田日向、井理奏の4人です」
「それと、ここに来るのに何の関係が?」
神田は、そう質問する。金木はその質問を待っていましたとばかりに目を輝かせ、答えを言う。
「この4人は、高校生の時に柔道や空手などの大会のインターハイに出場経験があるんですよ」
「それが、鍛えられている証拠だと?」
「いえ、引退して今は全く体を鍛えていない人もいます」
そう言うと、金木は写真を取り出し神田に見せる。
「これは?」
「今の井理奏さんの写真です。昔は筋肉で絞られた体形ですが、今は見る影もありません」
「どういうことですか?」
「私は、今の体形より、その人の潜在能力をあてに誘拐してるのではないか?と、予想しています」
「それは、わかりましたが、なぜ僕に?」
「それらのことを踏まえたうえで、次狙われるのはあなたではないかと思っています。ねえ、全国ボクシング大会優勝の神田さん?」
「やめてください。それは過去の話です」
「あなたが、この時の話をするのを嫌がるのは、理由はわかりませんが知っています。だからこれ以上は言いません。ですが、気を付けてください。あなたは被害者層と年齢も一致。学生時代には、格闘技で優勝といった結果を残しています。狙われる可能性は十分にあります」
「―――わかりました……」
金木は、そう神田に警告だけしていくと足早にその場を去っていった。
「あの時、僕の力で優勝したんじゃ……」
金木のいなくなった空間で、一人そんな呟きがこぼれた神田だった。
それから、“あの”出来事を忘れるために、神田はトレーニングに励んだ。それのせいか、今日はいつも以上にオーバーワークになってしまい。疲労困憊になる。
そんな状態で、神田はジムを後にし、自宅へと向かう。
帰宅の途中、神田は何者かに注射を打たれ、倒れこむ。
「な、なんだ?」
「心配するな。ただの筋弛緩剤だ。死にはしない」
「だれだ……」
「人類を新たな存在へと導くもの」
「なにを言って……」
そこで、神田は鼻をハンカチで塞がれ、意識を手放した。
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3年前 4月
「2年5組……」
「今年もよろしくな!たーいがっ!」
「ああ、大樹」
俺の名前は、有藤大雅。普通の中学生だ。そして、隣にいるこいつが、親友の岩貞大樹。こいつとは、小学生以来の親友で、小5からクラスが離れたことがない。
そんな俺たちに、ある女子たちの会話が聞こえてくる。
「ねね、由愛はなん組だった?」
「えっと……5組。千夏は?」
「だー!クラス別れちゃったー!5組になれなかった男子たちも乙!」
「「「う、うぜぇ」」」
学校の有名人、恋崎由愛。と、その友人。二人は、クラスが分かれたらしく、友人は悲鳴を上げ、5組になれなかった男子たちを盛大に煽っていた。
この時の、由愛はとてもかわいらしく有名で、学校内でもとても人気だったのだが、この時の俺は大樹とバカやるばかりで、特に気にしていることはなかった。
それから、数週間が経って、俺と恋崎が日直をやる日があった。
俺はいつも通り、日直の日は早く来て、すべての作業を終わらせていた。
去年、クソアマが全部やっとけよ。とか、ほざきながら俺に1日中、ネチネチ文句を言ってきたやつがいて、嫌な気分になったことがあって、日直の当番の時は、俺が早々に全部終わらせていた。
あのクソアマ、くたばればいいのに
日直の仕事は、そこまできついわけでもなく、俺一人でも数分で片づけられる量だった。別に、俺一人でやっても「助かる」と言われて、感謝こそされてないが、文句も言われなかった。
そんなことを考えていると、恋崎が登校してきた。こんな時間に来るなんて、もしかして、日直の仕事をするつもりだったんだろうか?
俺が、日直の時、早々に終わらせる話は有名だと思っていたが、うぬぼれだったらしい。
「おはよう、ってあれ?もう終わっちゃってる?」
「もう終わってる。次からも、俺が相方の時は来なくてもいいよ。全部やっとくから」
「え?なにそれ?私が日直の意味なくない?」
「いいんだよ。どうせ、文句しか言わないんだろう?あのクソアマみたいに」
「そう……」
その場は、彼女はそう言って引き下がった。まあ、自分も楽できるとか思ってるんだろう。
それ自体、別に悪いことじゃないしな。
最近、恋崎が俺のことを嗅ぎまわってるらしい。
それのせいで、恋崎は俺に気がある。なんていうふざけた噂が流れるくらいに。
彼女が、友人とやり取りしているさまを見たのだが、どうにも、俺の「クソアマ」という発言が気になったらしくそれを調べているらしい。
なにがすごいって、恋崎はそいつを特定した。そのうえで、あいつはクソアマを俺のもとに謝らせに来たのだ。余計なことを
「ほら、謝って!」
「はあ?なんであたしが」
「あなたのせいで、有藤君の行動に影響が出てるのよ!これじゃあ、彼が損をするだけで、いいことが全くない。ほら、人ひとりの価値観を狂わせた責任を取って!」
「ちっ、めんどくせえなあ!すいませんでした!これでいい?」
「それで謝ってるつも―――「もういいよ」―――有藤君?」
「そのクソアマになに言っても意味はない。飲酒、タバコ、淫行、クラブ、大麻。これ全部に心当たりあるよな?」
「な、なんで知って……」
「消え失せろ」
「なんで知ってるのかって聞いてるだろ!」
「消え失せろって言ってるのが聞こえないか?」
「は、はい……」
俺の脅しに、恐怖したクソアマは、すぐにその場を立ち去って行った。
俺は続けて、恋崎に言う。
「ああいうタイプは、からむと面倒くさい。だから、自己防衛のために、お前自身を守るために首を突っ込まないのが賢明だ」
「え……あ、うん……」
「じゃあな」
「あ、、ち、ちょっとま―――」
だが次の日、彼女が入れに話しかけてくるなんて、俺は想像だにしなかった。




