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Pが滾る/後輩という化け物

 俺たち、部活の3人はゲームをした後、病室を出て作戦会議をしていた。その中で、澄香が気になる発言をする。


 「大雅、優奈ちゃんはたぶん私たちと同じ」

 「どういうことだ?」

 「能力者ってこと」

 「根拠は?」

 「さっきのゲーム。百発百中はやりすぎ。普通の人ならすごいで済むかもしれないけど、私たちは力があることを知ってる。

 それに、橋本先輩が依頼したとき、熱が出てるって言ってた。私もなってるの。あの、カラスのレイトになる前に」

 「ふむ……」


 澄香も、似たような状況にあったか……

 だとするなら、優奈ちゃんが能力者である可能性は高いか?


 「でも、澄香の言ってることが正しいなら、マラークに狙われるんじゃない?そこらへんはどうするの?大雅」

 「確かに芽衣の言うとおりだ。優奈ちゃん本人だけでなく、その家族である橋本先輩も危ないな。とりあえず、澄香が……学校があるか」

 「警察に匿名で通報するのは?」

 「うーん……動いてくれるかなあ?」

 「まあ、動いてくれなかったら私が頑張るよ。大雅は優奈ちゃんのそばにいてあげて」


 澄香がそう言うなら、任せるか。なら、明日から俺は優奈ちゃんと行動を共にするか


 「大雅、私はどうすれば?」

 「うーん……芽衣は能力があるわけでもないし、戦う能力があるわけじゃないしな……」

 「芽衣は、なにか情報収集をしなよ。たぶんそれくらいしかできることないよ」

 「う、うん……そうだよね……」


 ちょ、澄香、ストレートに言いすぎ!


 澄香に言われた芽衣は、目に見えて落ち込む。そのまま彼女は意気消沈したまま帰宅した。


 ガラガラガラ


 俺たちはそれをよそに、俺が優奈ちゃんのそばで調べたいことがあること、そして澄香は橋本先輩と自宅に行って、話を聞きたいという旨を伝えた。


 もちろんでっち上げだ。まあ、守ることが目的だしいいだろう。


 そんなこんなで、俺たちは次の日からそれぞれにつきっきりになるのだった。






 今思ったけど、配役逆のほうが性別的に自然じゃね?まあ、いいか。手出すつもりないし


 「今のって、大雅だよね?あの女たちって確かうちのクラスの……」


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 次の日、面会可能開始時間


 俺は、朝いちばん―――って言っても、朝の10時だが


 幸い、警察は俺たちの匿名の通報を信じてくれたらしく、橋本先輩の両親に護衛がつくことになったらしい。

 そのおかげで、澄香も橋本先輩も問題なく学校に行けるらしい。

 警察が保衛についてくれなかったら、澄香が家で全員を見守る以外の選択肢はないとか言ってたしな。


 「おはよう優奈ちゃん」

 「おはようございます、有藤さん」

 「別に名前呼びでもいいよ。なんか慣れねえわ」

 「いえ、恋人以外の異性を下の名前とか愛称で呼びたくないです」

 「そうか、ならいいや。お兄さんに思いが届くといいな」

 「……っ!?な、なに言って!?」


 優奈ちゃんは、なぜそれを!?と言いたげな表情をする。この子、わかりやすいな。やっぱり子供だから、表情が前に出やすいのか?


 まあ、見ていて、気分がいい。


 「わからないわけないだろ?あんなに好きな人を見る目でお兄さんを見てたら」

 「や、やめてください!はずかしい……です……」

 「でも、兄弟じゃ結婚できないだろ?」

 「……じゃ、ないです」

 「ん?」

 「兄弟じゃ、ないです!」

 「!?」


 今、この子なんつった?え、橋本先輩の妹って、義妹だったの?

 うわ、なにそのラブコメ展開。まさか現実にあるとは……


 「え!?」

 「私とお兄ちゃん―――いえ、お義兄ちゃんは、両親の養子なんです」

 「……」

 「お父さんとお母さんが、子供ができないのに悩んでいて、養子縁組を組んだらしいんです。そのあとに私を身籠ったらしくて……」

 「どうしてそれを?」

 「お義兄ちゃんの赤ん坊のころの写真がなくて……正確にはあるんですけど、私と違って両親と撮ってる写真がいちまいもなくて、問い詰めたんです」

 「ああ、それで……」


 すっごいベタだ。確かに、義兄妹なら結婚までいける。ただ―――


 「橋本先輩はそれを知ってるのか?」

 「両親は教えてないそうです」

 「そうか……なら、早くしたほうがいいぞ。橋本先輩も、高2なんだ。いつ、彼女の一人や二人連れてきてもおかしくないだろ?」

 「う、それはそうだけど……」


 そう言いながら、顔を真っ赤にする優奈ちゃん。うっは、かわいい顔すんじゃん!


 「想像してみ、自分以外の人が橋本先輩とキスしてるところ」

 「う……いやだ……」

 「なおさら早くしな。大好きな人が誰かに取られると、結構心に来るぞ」

 「経験あるんですか?いや、半分あって半分ないな。あれは俺が付き合えって言ってるからノーカンか?」

 「?」


 「きゃああああああああ!」


 突如、病院内から悲鳴が聞こえてくる。

 ピシ―――!


 それと同時に、俺の頭にも電撃が走るような感覚がする。

 マラークだ。しかも、この病院にいる!


 まあ、予測をしていたけれど


 俺は、優奈ちゃんを背にするように立って、入り口を見据える。


 「どうしたんですか?」

 「いいから、絶対にそこを動くなよ」

 「は、はあ?―――って、きゃあああ!」


 優奈ちゃんの悲鳴を聞いて、俺は入り口を見直す。すると、そこにはトラの頭をしたマラークがいた。


 「レ……イ……ト……」

 「や、やあああ!」

 「しっ!」


 俺は優奈ちゃんの悲鳴をよそに、マラークに拳を入れる。

 先手必勝!


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 私は今ものすごく混乱してる。


 なにせ、いきなり私の病室に化け物が入ってきたからだ。


 見てくれは、トラの頭をした怪人だが、見た目以上の不気味さを感じる。


 私がここまでの恐怖を持ったのは、いつ以来だろうか?いや、もしかしたら初めてかもしれない。

 そんな中、お義兄ちゃんの後輩の有藤さんが、殴りかかる。ものすごく様になっているのだが、やっぱりそんなのは相手に効いていないらしく、まったく怪人は動じていない。


 ダメです。逃げてください。


 その二言が私には言えなかった。

 怖すぎて、誰かにいてほしかった。


 だが、私の目の前で信じられないことが起きた。


 有藤さんは、なんどか怪人にボディブローを入れて、ものを投げつけるなど色々健闘はしたが、すべて効果はいま一つだった。


 だからか、怪人が有藤さんに向かって攻撃するために間合いを詰めてくる。


 だけど、有藤さんは怪人の攻撃を受け流した。

 だけど、すれ違いざまに有藤さんの姿はなく、代わりに龍の顔をした化け物が立っていた。




 有藤さんが―――お義兄ちゃんの後輩が化け物だった

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