クールなI/なけなしの笑顔
フラパ見てたので更新できませんでした。
「ふぅ……ふぅ……」
とあるジムで、ガルガウズシステムの装着者である神田がトレーニングをしていた。
そこに、システム開発者である芹沢が訪れる。
「神田君、いいかしら?」
「はい、なんですか?」
「今回の行動は、あまりにも勝手すぎるわ」
「ですが、相手はドレードです。人間の敵なんですよ」
「そうであっても、あの龍人タイプのドレードはこちらに攻撃をしてきていなかった。それどころか、もう一人のドレードを倒してたわ」
「仲間割れでは?それに、ちゃんとこちらに攻撃してきましたよ」
「それはこっちが手を出したからじゃないの?とにかく、次からは龍人タイプの、あのドレードと戦っちゃダメ。どの道、あれに追い付くシステムが出来てないわ」
「……わかりました」
先刻の龍人タイプのドレードとは、大雅のことだ。大雅は、ガルガウズシステムを上回るドレードとして秘密裏に脅威の存在として扱われている。
だが、芹沢の見解は異なる。
大雅は、人間の味方。友好的な関係を気付ける可能性を示唆している。
「それにしてもドレードって、官房長官もいい趣味してるわね」
「なにか意味があるんですか?」
「【脅威】って意味らしいわ。たしかにドレードは私たちにとって脅威にはなりうるからね」
「でも、なんで【ドレード】に……」
「趣味でしょ?あの人そういう人じゃない」
神田はその言葉に納得してしまう。今の官房長官は、国民の前だとしっかりしているのだが、結構ちゃらんぽらんな人であることを二人は知っている。
特に、創作物が好きで、うっすら中二病が混濁している。それだからかネーミングセンスも少しだけ、並外れてる。
そんな会話をしていると、二人に近づく存在がいた。
「おや、二人共奇遇ですね」
「金木さん」
金木という人物が現れると、神田は頭を下げた。
金木は、神田の元同僚。人一倍正義感の強く、思い込みの激しい人だ。ただ神田は、金木を悪人と思っていない。たまに無理矢理なところがあるが、この人の正義は確かだと思っているから。
「見させてもらいましたよ、前回の戦い」
「そうですか」
「で、なんですかあの無様な姿は?」
「……すいません」
「あれなら私の方がマシな戦いが出来ましたよ」
「……すいません」
「それ以上は口出しをしないでもらいたいわね」
神田と金木のやり取りを見てられなくなった芹沢は、会話に割り込む。装着者に神田を選んだのは、芹沢本人。
芹沢には、神田を装着者に選んだ理由が明確に存在する。だというのに、なにもわかっていない金木という男に、とやかく言われたくないのだ。
「私が神田君を装着者に選んで、あなたを選ばなかったのは、決定的な差があったからよ。あなたは装着者足り得ない。そんな奴が、神田君に文句を言う資格は無いわ」
「なんて可愛げのない女性だ。だが、見ていると良い。私がガルガウズの装着者となり、人間を助けて見せますから」
それだけ言うと、金木はジムを去っていった。
それまでの金木の態度にご立腹の芹沢は、金木が立ち去った後、愚痴をこぼしていた。
「なんなのよあの男。本当に嫌味ばっかり。バカみたい」
「あんまり金木さんの悪口を言わないでください。あの人は、誰よりも正義感が溢れてるんです」
「やり過ぎの正義感は、ただの押し付け。人を傷つけるだけよ」
「そんな人じゃありませんよ、金木さんは」
「あなた、本当にいい奴ね」
「……?」
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「今日から転校してきた阿内澄香さんだ。みんな仲良くするように」
「みんなー!今日からよろしくね!」
現在、俺たちの教室には転校生が来ているのだが、教室内はその転校生の美貌に魅せられていた。
転校生は、阿内澄香。先刻の合コンメンバーの一人だ。現在は梓隆一の養子として、梓家にいる。
つまり、俺たちは芽衣、澄香、俺の三人の高校生が同棲している状態なのだ。シンプルに梓父の経済力に脱帽だ。
「阿内さんは、なにが好き?」
「阿内さんはどんな曲聴くの?」
「あはは、一人筒質問してねー!」
そう質問攻めを受ける彼女は、苦笑いしながらそう言った。
そんな中、俺を見つけると、すかさず手を振ってきた。
「大雅ー!」
「「「!?」」」
一斉に俺に集まる視線。うわっ、キモっ!
集まった視線の中には悲しそうな顔をして、こちらを見る由愛とゴミを見るような目を向ける岩貞の姿があった。
そういう目をするな。本当に心に来る。
「あ、阿内さんって、有藤と付き合ってるの?」
「え?そんなわけないじゃん!」
「で、でも、下の名前で」
「友達なんだから当然でしょ?」
その言葉に、教室は静まり返る。
俺も、その距離感がバグり具合はどうかと思う。人として親しくしてくれるのは嬉しいのだが、こういう面倒ごとを生むので、そういう事はもう少し偏差値の低い、直結男しかいないような学校とかにした方が良い。
こういう、普通の価値観。または少しばかりこじらせて童貞感むき出しの男子しかいない学校では自重すべきだ。
「みんなー、よろしくねっ!あ、ちなみに、私はガード硬いからね。この人だって思った人以外体を許すつもりは無いから!」
うわっ、テンプレ。現実こんなこと言う女子初めて見た。
まあ、不純異性交遊で退学されるよりマシか。折角隆一さんが学費を出してくれてるんだ。そんなことで学校辞めるなんてことするなよ
それから、今日は特に何もなく家に帰宅した。と言っても、俺は自宅ではなく、梓邸宅だがな。
「初登校はどうだった?なにか問題はなかったか?」
「いえ、特にありません。本当にこの度はありがとうございました」
「礼はいい。将来への投資というものだ」
「ありがとうございます」
帰ると、いの一番に学校でのことを隆一さんに聞かれる。
それに対して、澄香は問題ないと答える。
確かに彼女は学校では問題ない。見た目に反して、貞操観念はしっかりしており、勉強面に関してもサボっていた部分以外は、物凄くよくできる。
その姿は、今までの彼女の努力。そして、その教育方針を貫いた、彼女の実の両親だろう。
だが、その両親は殺された。俺が駆け付けたころには、何もかもが手遅れだった。
到着が遅く、澄香を助けるのが精いっぱいだった。
そして、俺と芽衣は知っている。そんな彼女が笑顔でいる理由。
俺たちは知っている。彼女は自室で一人になると、両親の名を口に出しながら泣いていることを




