表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/47

Kの風刃/3人目の能力者

 さて、どう説明したものか……


 現在、俺は委員長とともに、とある公園のベンチに座っている。

 今からしなきゃいけないのは、先ほど起こったことの説明だ。


 「なんなのよ……さっきのは……」

 「色々あるんだよ。少なくとも、現在進行形で委員長に恨みを持っている人間がいるってことだ」

 「ああいうのって、他の人も持っているものなの?」

 「多くはないが、俺も数人に遭遇してる」

 「そう……」


 俺の話を聞いて俯く委員長。やはり、今回の件は精神的に来るものがあるのだろう。


 そんなことを思ったが、どうやら俯いたのは別の理由で、彼女は自分の話をし始めた。


 「私ね、不思議な力があるの」

 「!?―――お前にも力があるって言うのか?」

 「うん……1週間くらい前から急に、ものが透けて見えるようになったの。最初は服が透けていきなり裸を見ちゃうこともあったけど、最近は制御も出来てるの」

 「そのことは誰かに言ったか?」

 「お父さんとお母さんに、伝えただけ。二人以外には教えてない」

 「そうか……教えてくれてありがとうな」


 彼女も能力者だったのか……

 どうりで、ヘルメットしても顔がバレるわけだ。


 彼女が能力を持っているなら、リスク(代償)の話は一応しておいた方が良いか。

 俺は、そのついでに、今の俺の状況を話すために、彼女に俺の事情も伝える


 「俺の能力は【全知全握】。端的にいうのなら、全てを知覚して、変化させる能力。この能力に、今のところ不可能という言葉を感じたことがない」

 「なにそのチート……」

 「でもな、致命的な欠点があるんだ」

 「欠点?」

 「前に遭遇した能力者は、代償的なものを感じていなかったから、一概に言えるものではないが、俺の能力にはかなり凶悪な代償がつく」

 「どんな代償なの?」

 「感情を少しずつ削られていく。使う力によって、代償の大きさは変わる」

 「そんな……」


 俺の言葉に、委員長は絶句する。おそらく彼女は、今の自分に何か欠落したものが無いか心配になっているだろう。

 だが、俺ほど能力を使ったわけではないだろうから、そこまでの心配は必要ないだろう。


 「俺は、感情を失って由愛を傷つけたくない。その前に、岩貞に由愛を任せておきたい。だから、俺はクズであることにした。お前が知りたかったことは、これであらかた言い切った。後は気をつけて帰れよ。俺は家を追い出さられたから、宿を探さないと」


 俺はそう言って立ち去ろうとすると、ふと袖を掴まれる。

 もちろん、掴んだのは委員長だ。


 「待って、なら私の家に来て。私を護衛して」

 「それは、依頼か?」

 「……?あ、そういえば学校に変な部活が出来たって、あなたの部だったのね?―――ええ、依頼よ。私を守って」

 「承知した。で、お前の家に行けばいいのか?」

 「ええ。両親にはあなたが能力者だという事を話しておくわ。そうすれば、泊まることは許してくれると思う」

 「それは、ありがたいな」

 「でも、私に変な事をしたら、殺すからね?」

 「しねえよ」


 俺は、こうして予期せぬ依頼により、宿を手に入れたのだった。


 だけど、俺は想像してなかった。この先に起こる、誰も想像してなかった結末があるなんて


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


 「ただいまー」

 「お邪魔します」


 俺は、委員長に案内されて、彼女の自宅に来ている。

 外装、内装共に綺麗な家で、なんだろうか委員長のイメージ通りの家って感じだ。


 奥からやってきた両親らしき人達も、委員長によく似ている人たちだった。


 「おかえり。汐、そちらの方は?」

 「この人は、私と同じ能力者の人。今日、助けてもらったの」

 「そうか。怪我はないか?これからも気を付けるんだぞ。こんな訳のわからない力。誰が狙ってるのかもわからないんだぞ」

 「わかってる。だから、これから数日、この人に護衛を頼むの。だから―――」

 「泊めてもいいぞ」

 「へ?」

 「娘の恩人だ。無下には出来ない」

 「お父さん……」


 委員長のお父さんは、頭が柔らかい。なのに、なぜ委員長は頑固なのだろうか?


 俺はそう思いながら、委員長を見る。


 「なによ?」

 「いや、なんでもない」

 「なによ!その可哀そうな人間を見る目は!」

 「そうカリカリすんな。カルシウムをもっととれ」

 「ぶっ殺!」


 俺の言葉に心底むかついたのか、暴れ始める委員長。実に滑稽である。


 そんなこんなで、俺は委員長宅での1日目の生活を終えた。


 「で?」

 「そういうわけなんで、部室に委員長が来ます」

 「はああ!?私委員長苦手なんだけど!なんか、正義感臭いし」

 「悪かったわね。曲がったことが嫌いなのよ」

 「げっ、委員長」


 梓―――もとい芽衣が、委員長の悪口を言ったタイミングで現れた。


 委員長は堂々としているが、芽衣はどこかばつが悪そうだ。

 なら、言うんじゃねえよ。めんどくせえな。


 「ふーん、ここが劉生探偵事務所ね。ここってあれでしょ?噂の図書館の……」

 「ああ、そうだ。ここは旧図書室。誰も寄り付かないから、静かにするにはここがいい」

 「ふーん。あなたってインドア派だったのね」

 「ああ、そうだよ。必要なら外に出るけど、俺は基本的に、中で勉強するかゲームかのどっちかだ」

 「へー、もっとアクティブな人かと思ってたのにね」


 別に、由愛と一緒に行くデートはどこにいても楽しかった。だが、それを他の人と行って、楽しめる自信がない。だから、最近は家から有事以外は、屋内にいる。

 ていうか、この情報どうでもよくね?


 「あの、僕の依頼は……」

 「ああ、そうだな。ならこの後、事務所メンバーで飯でも食いに行くか」

 「どうしてですか?かまいたちを探してくれるんじゃ……」

 「現在、委員長が狙われているんだ。しかも、奴は戻ってくる旨のことを言っていた。おそらく、どこかのタイミングで奇襲をしかけてくるはずだ」

 「え?私って囮だったの?」

 「違う。ちゃんと守ってやるし、エサにするだけだよ」

 「それを世間一般に囮っていうのよ!」


 そんなこんなで、俺たちはかまいたちにお目にかかるために、先生に渡された書類を終わらせて、食事に向かっていった。


 さあて、委員長使って、かまいたちを捕まえてやる。場合によっては、2度と人を傷つけることが出来ないように痛めつけてやろう。


 まあ、作戦決行は、食事後の夜9時ぐらい。なにがなんでも、委員長は助ける。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ