表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

8.再会


フッと意識が戻った。


「…が、…なんだが」

「それで、…か」


ダニエルさんと誰かが話している?


たしかブラックドラゴンちゃんを助けて、

そのまま安心して倒れちゃったんだっけ。


って、


「ここどこ?」


目の前に広がるのは、だだっ広い部屋。

天井と壁が遠い。


「おっ。起きたか」


ダニエルさん、ここどこですか?


「ここは王城の一室だ。許可は取ったから安心しろ」


お、王城!?王城ってあの?王族の住む?


なんてところにつれてきてるんですか……。


私が絶句していると、さっきまでダニエルさんと話していた男の人が前に出てくる。

結構身なりが良くて、育ちが良さそうだ。


「君がツキノ・アイちゃんかな?

こんにちは、ロバート・コネボニーです。よろしくね」


おぉ、イケメン。

そしてこの喋り方。きっとたくさんの女性を虜にしてきたんだろう。


「はじめまして。ご紹介に預かりました。ツキノ・アイです」


偉い人っぽいから丁寧に挨拶しておこう。


すると、ダニエルさんとロバートさんが

呆気にとられた顔でこちらを凝視してきた。


え、なに?


「ここまでの世間知らずとは……」

「こんな反応は君以来だよ」

「俺より酷いだろ……」


え?どういうこと?


「……とりあえずもう一度挨拶しろ。

今度は身分付きでだ」


「そうだね」


マジで何かした!?


「えっと…ん。

オッホン王家の次男のロバート・コネボニーです。王位継承権は2位です」


ん?オウケ?


もしかして…。


「ロバートさんって凄い人ですか?」


「一国の王子を名前呼びって……。

お前、世間知らずすぎだろ」


やっぱり王子なんかい!


「ダニエルさん、最初に教えてくださいよ!」


「まさか知らないとは思わないだろ」


「僕って、そんなに知名度低いのかな……」


ごめんなさいロバートさん。

知らなかったんです。


「私は最近ここに来たばかりなんです。

きっと国民のみなさんはロバートさんのことが大好きだと思いますよ」 


イケメンだし。


するとロバートさんはバッと顔を上げて、

こっちを見た。


「本当に?」


「た、多分……」


「わーい。じゃあジャックも僕のこと大好きなんだね。やったー」


なんだか大型犬みたいな人だな。


「ところで、ダニエルさんとロバートさんはどういう関係ですか?」


今のところダニエルさんの知り合いは

イケメンばっかりだ。


……ダニエルさんはダンディなおじさんだけど。


するとダニエルさんは抱きついてくるロバートさんをペイッと剥しながら言った。


「こいつはもともと俺のパーティーにいたんだ。だけどよ、婚約者がやめないと婚約廃棄だって叫ぶもんだから嫌々やめていったんだ」


ロバートさんはパーティーにいたんだ。

って、うん?王族ってパーティーに入っていいの?


「今は丸くなったが、むかしはヤンチャでよ。

威勢が良くて喧嘩っ早い上に、王族だから誰も手出し出来なくて、うちのパーティーに回って来たんだ。魔法も結構使えたから

面倒だった……」


ダニエルさんが遠い目をする。

よっぽど大変だったのかな。


「ジャックのパーティーに入った初日に

ぶちのめされて、自分が最強だと思ってたけど、目が覚めたんだ」


「そういう輩は力の差を見せておかないと面倒だからな」


「あの時は衝撃だったよー」


「お前が依頼客のお貴族様に水ぶっかけたときは終わったかと思った……」


えええっ!そんなことしたんですか!


ロバートさんって、ヤバい人かも……。


私のヤバいモノを見るような目に気がついたロバートさんがダニエルさんにひしっと

抱きついた。


「アイちゃんがすごい目で僕をみてくるぅー。

ジャック、助けてぇー」


「おっ、そうだった。

おい、ブラックドラゴンのところに行くぞ」

 

ブラックドラゴンちゃん!


「無事なんですか?」


「あぁ、元気すぎて困るくらいだ」


よかったぁ。


「ついて来い」


ダニエルさんについて行くと、

物置のような部屋に着いた。


中からバサバサと翼を動かしているような音がする。


「ここですか?」


「そうだ。失礼します」


ドアを開けると、大きな虫籠のようなものと、お爺さんが座っていた。


虫籠の中にいるのは、


「ブラックドラゴンちゃん!!」


私が名前を呼ぶと、ブラックドラゴンちゃんは籠の中でバサバサと暴れた。


「キュウゥゥーー」


「おぉ、すまんの、今出してやるからな」


お爺さんがそう言って籠のドアを開けた。


「キュウゥゥ!」


ブラックドラゴンちゃん!!!!


中から黒い体が飛び出してきて、私の腕に飛び込んだ。


「キュ!」


ん?なんか……


「ちっちゃくなった?」


私の知るブラックドラゴンちゃんはもっと大きかったよね。

少なくとも腕に収まる大きさではないはず。


「そのドラゴンはケガのせいで魔力の制御が出来なくなって巨大化していたようじゃのぅ」


ほへぇー、そうなんだぁ。

大きいブラックドラゴンちゃんもかわいかったけど、小さくなってもお目目がクリクリしていてかわいいなぁ。


「やっぱり懐いているようじゃなぁ。

さて、どうするか」


ん?どうするか?

どういうこと?


「そやつはドラゴンの中の王族、

確実にS級じゃぞ。王族の元に返さないといけないのじゃが……無理そうか?」


「イヤダヨ。ボクハオネエチャントイッショガイインダ」


可愛いっ。お姉ちゃんだって!


「嫌だって言っています」


「むう……」


お爺さんは、考え込みながら視線をさまよわせる。


そして、あるところで何かを思いついたように明るい表情になった。


「なんだ?」


視線を浴びたダニエルさんが怪訝な表情になる。


「お主、この黒竜と女子を預かってくれぬか?

そうすれば安全じゃろうし、パーティーも賑やかになるじゃろ?」


いかにも自信満々な感じだけど、そんなこと勝手に決めていいの?


まあ、私はブラックドラゴンちゃんと一緒がいいから、全然構わないんだけどね。


「……はぁ、自分の立場わかってるのか?それはもはや命令だぞ」


ダニエルさんが呆れたようにため息をついた。


「承知しました。

オッホン王国、現国王

プラニエル・コラボニー様」


嫌味ったらしいほど丁寧な仕草で、ダニエルはひざまづいた。


2人は視線を交わし合い、頷きあった。


ダニエルが口を開く。


「この身の全ーー」


「ええええええぇぇぇぇ!」


私が思わずあげた驚きの声で、荘厳な雰囲気がぶち壊しになる。


「このお爺さん、王様なのぉぉぉ!?」


読んでいただきありがとうございます!


☆お知らせ

 この作品は私が初めて書いた小説です。 

 なので今読み返すとわかりづらい点が多くありま

 す。

 作品は完結させます。ですが設定から考え直して

 もう一度皆さんにお届けしたいです。

 なのでしばらく投稿が空くかもしれません。

 もしかしたら短編になるかもしれません。

 でも、絶対に完結はさせます。


作者が至らないせいで本当に申し訳ございません。

これからも応援よろしくお願いします


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ