6.ドラゴン
異世界転生した主人公がチート能力で無双するお話です。無双させつつ、しっかりストーリーにもこだわっていきたいです。楽しんで読んでいただけると幸いです。
巨大な竜のようなものが私に飛びかかってくる。
ヤバいヤバいヤバいヤバい。
どうしよう。
そこで魔獣が突然ぽっかり空いた穴に飲み込まれていった。
苦しそうな声があがったけど、まだまだ体力が残っているようで、そのうち出てきてしまいそうだ。
どうしよう。ダニエルさんは私を庇ったせいで動けないし…
そうなのだ。
頼みの綱のダニエルさんは
私を竜のようなものの攻撃から庇ったせいで、ダウンしてしまっている。
どうしよう。スキルのおかげでどうにかなってるけど、もうすぐ私の体力も限界だよ。
ちなみにダニエルさんは、隙をみて1人がギリギリ入れるくらいの頑丈そうな洞窟に放り込んでおいた。
安全かは…知らん。
「グオオォ」
大きな音をたてて、竜が穴から出てきた。
「グウォウ」
そして、頑丈そうな岩の壁まで追い詰められてしまった。
「ええぃ」
こうなっらヤケクソだ。絶対倒してやる。
そう思って突っ込んでいった。
必死で攻撃を掻い潜り、なんとか前脚にパンチをいれる。
いれた瞬間…
「イタイ、イタイよぅ」
誰かの声が頭に響いた。
「えっ、何?」
「イタイよう、タスケてよぅ」
もしかして、
「この竜みたいなの?」
よく見ると、さっきパンチを繰り出した脚に、剣のようなものが刺さっている。
さらに矢は何十本も刺さっている。
「あなたなの?」
会話を試みてみる。
「ウゥゥ。ソウダヨォ。イタイヨォ」
話せた。どうやら脚に刺さっている剣や矢が痛いらしい。
「私がこの刺さってるやつを今から抜くから、じっとしててもらえる?」
「…ウン。わかった」
そう言うと、竜のようなものは、その場に座った。
「オネガイ」
「任せて。痛いかもしれないけど、我慢してね」
まずは矢から取り除いていこう。
矢はすぐに抜けたけど、そこから血が滲んできてとても痛そうだ。
誰よ。こんなことした奴は。
許さないんだから。
最後に剣に取り掛かる。
思ったより固くて、なかなか抜けない。
苦戦していると、後ろから声がかかった。
「手伝おうか?」
「っ!ダニエルさん!生きていたんですね!」
「洞窟に放り込まれたせいでモンスターに襲われまくったが、なんとかな」
やっぱり洞窟は危険だったか。まぁ生きてるからいっか。
「それより、この子に刺さっている剣やを抜くのを手伝ってください」
「あぁ。最初は敵だと思ったが、よく見るとそいつは大人しく性格で知られる、ブラックドラゴンの子供だな」
ダニエルさんと2人で剣を引き抜く。
「「せーの!」」
「ズボッ!」
「抜けた!ダニエルさん、ありがとうございます」
「それよりコイツは大丈夫なのか?」
ハッ!ブラックドラゴンちゃん!
「大丈夫?」
「イタいけど、ヘイキ。
アリガトウ、オネエちゃん」
お姉ちゃんだって!カワイイ!
「ところで君、どこからきたの?」
「ブラックドラゴンはうちの隣の国『ラナン』にしかいないはずなんだが、」
「ボク、オカーサンとおサンポしてた。
そしたら、イキナリ矢でササレタ。
イタくてシタニオリタラ、ケンデササレタ。イタくて暴れてたら、ココにイタ」
それは大変だったねぇ。どうしようか。
「ダニエルさん、この子、お母さんとの散歩中に襲われてここまできちゃったらしいんですけど、どうしましょう」
「お前、コイツの言ってること分かるのか?」
「はい、何故か分かりました」
「そ、そうか。この竜は…
とりあえず国に報告だな」
「そうしますか。お母さんもケガしてないから心配ですし、この子を会わせてあげたいです」
「じゃあ、帰るか」
「そうです…ね」
安心したのか、眠気が押し寄せてきた。
「おい!大丈夫か?」
「ねむ…い」
ダニエルさんの心配する声が聞こえるが、
私の意識はそこでフェードアウト…。
よんでくださり、ありがとうございました!
これからも頑張りますので、応援よろしくお願いします!