5.はじめての魔獣狩り
異世界転生した主人公がチート能力で無双するお話です。無双させつつ、しっかりストーリーにもこだわっていきたいです。楽しんで読んでいただけると幸いです。
「おおぉ」
ここは、私の所属するパーティ「青の双剣」から徒歩15分圏内にある、「魔獣の森」。
名前のとおり、魔獣がめっっっちゃ出るから、勇者見習いとかの訓練に使われるんだって。
そこで何をしてるかといいますと…
「おい、来たぞ」
「あっ、すいません」
ダニエルさんと2人で絶賛魔石集め中!
ダニエルさんのスキルは『爆発』。
とある詩を詠唱することで発動して、自分よりレベルの低い魔物は爆発して即死っていう感じらしい。
…めっちゃ強くない!?
レベル上げれば上げるだけどんどん倒せるようになるってことでしょ?
…強くない?
まぁこれだけ見ればダニエルさんはめっちゃ強くて、1人で戦えるじゃんってなるでしょ?
でも弱点があるんだよね。
それは…
「今から『爆発』をやる。その間頼んだぞ」
「おっけー。任せて」
詩の詠唱がめっちゃ長いこと。
ダニエルさんのスキルは強い代わりに、
発動に時間がかかるし、魔力の消費も多いらしいんだよね。
しかも最大の弱点が…
「グルルゥ」
おっと邪魔が入った。
でもちょうど襲ってきた魔獣の上に魔木が根本から倒れて来て、魔獣をなぎ払った。
私のスキル『絶対死亡回避』のおかげで
こんなふうに、私には傷ひとつつかないんだよねぇ。いやー、意外と便利。
ダニエルさんの最大の弱点は、
詩の詠唱をしている間は動けないこと!
だから詩の詠唱中に敵に襲われても全く抵抗できないんだよね。
それで2人以上じゃないと戦えないんだって。
いやー。やっぱりこの世に完璧なんてものはないんだね。
「ボーン!」
ダニエルさんのスキルが発動して近くの魔獣が一気に爆ぜる。
やっぱり強いなぁ、ダニエルさん。
詩の詠唱時間さえなければなぁ。
「残念…」
「あ?なんか言ったか?」
「なんでもないです…」
はぁ、残念。
私もかっこいいスキルだから使ってみたいけど、さすがに詩の詠唱に1分もかかるのはなぁ。
「そろそろ魔石も集まったし、帰るか」
ダニエルさんの持つ革袋には色とりどりの魔石がぎっしり。
これがあればしばらくは食べていけるかな。
「それにしても、本当に便利だな。そのスキル」
「そんなことないですよ。私もダニエルさんみたいにかっこいいスキル使ってみたいです」
「いいことばっかりじゃないけどな」
「かっこいいからいいじゃ…」
『グオオオオオオォォォ』
森に突然大きな鳴き声が響きわたった。
「え、なに?」
「おいっ。危ないぞ!」
ダニエルさんの声が聞こえたと思ったら、
目の前に人影が飛び出してきた。
「ダニエルさん!?」
「ぐあっ」
そこにいたのは、
さっきまで倒していた魔獣とは比べものにならないほど大きい、
「竜」だった。
読んでいただきありがとうございました。
これからも頑張りますので応援よろしくお願いします!






