3.もしかして…無敵ですか?
異世界転生した主人公がチート能力で無双するお話です。無双させつつ、しっかりストーリーにもこだわっていきたいです。楽しんで読んでいただけると幸いです。
「ここだ」
「っはぁはぁ。ダニエルさん、その担いでくるのなんなんですか」
まだ会ったばっかりなのに、2回も担がれてるんだけど!
「ルイ。こいつはツキノ・アイっていう奴だ。ちょっとスキルの鑑定をお願いしたいんだが。今大丈夫か?」
ん?
やっと降ろしてもらえたと思ったら、目の前には、
茶髪に綺麗なエメラルドグリーンの眼鏡のお兄さん。
「…誰?」
この人がルイさんかな?ん?よく見ると…
「ハッ!!」
「初めてまして。ルイ・ブラウンです。鑑定師をやってます。よろしくね。…って聞こえてる?」
イケメン!!
じゃなくて!
ルイさんらしき人の頭でぴょこぴょこ動いているのは、
犬の耳みたいなもの。
もしかして…
「獣人?」
マンガとかアニメで見るあの!
獣人!
イケメンで耳まで生えてるって最高じゃん!
イケメンなお兄さんは、恥ずかしそうに耳に触ると、
「いやぁ、こんなにびっくりされたのは初めてだよ。君の住んでいた場所では珍しかったのかな?」
珍しいというか…
「見たことありません」
普通に日本で暮らしてたら会うことなかったたろうなー。
「それは珍しい。君はどこから来たんだい?」
「そういえば俺も聞いてなかったな」
え?これ言っていいのかな?
「日本の千葉です」
「ニホン?チバ?どこだそりゃ?」
多分知らないと思います。この世界の地名じゃありませんから。
「まぁいい。ルイ、こいつのスキルを鑑定してほしいんだか、頼めるか?」
「もちろんだよ。任せてくれ。ちょうど仕事がなくて暇だったんだ」
そうだった。鑑定してもらうんだった。
「じゃあ、ここに座ってくれる?」
「は、はい」
「じゃあ、始めるよ」
そう言うと、ルイさんはどこぞの占い師が持っていそうな水晶のような物を棚から取り出して、
私のことを水晶越しに見つめた。
イケメンに見つめられると恥ずかしいなぁ。
やっぱりイケメンっていいよね。
私のタイプは金髪碧眼だけど、ルイさんみたいな人も…
「えっ」
と、そこで私の下心満載な思考がさえぎられる。
驚きの声を上げたのはルイさんだ。
「どうしたルイ」
「あの子のスキルなんだけどね。テイマーのレベル3と…」
「レベル3ならちょっと才能がある程度だろ。どうした。」
「『死亡絶対回避』っていうオリジナルスキルがあるんだ。しかもレベル♾」
「は!?」
ん?『死亡絶対回避』?
それってもしかして…
「おいお前。このスキルに心当たりはないか?」
「えっと、私がダニエルさんに捕まった時、私危ないことしまくってたじゃないですか」
「あぁ、あれな」
あぁ、ルイさんがギョッとした顔をしてる…
私のイケメンからの好感度が…
「それがどうしたんだ?」
「あのとき、私は高い建物から飛び降りてみたり、尖った石で自分を刺したりして、ありとあらゆる自殺の方法を試していたんです。」
あぁぁ、ルイさんが完全に引いてる…
ダニエルさんからも引かれてる…
「でも、干し草の乗った荷車の上に着地きてしまったり、足がバラバラに崩れたりして私には傷ひとつつかなかったんですよね」
「マジか…」
そう…
まるで、この世界が全身全霊で私の死を止めているように…。
「とりあえず、あなたのステータスを今から映します」
「映す?」
「この水晶にはスクリーン機能もついてますから」
意外とハイテク!
「今から映しますね」
そういうと、ルイさんはえいやっというように水晶のような物に触った。
その瞬間、
「ウィン」
なんか出てきた!
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ネーム:ツキノ・アイ
年齢 :16
属性 :草
闇
光
スキル:テイム レベル3
死亡絶対回避 レベル♾
称号 :不審者?
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なんか…いろいろツッコミどころのあるステータスだね。
まず属性が3つある。そして光と闇がある。え?この2つって一緒にしていいやつ?
次にスキル。テイムは…生き物好きだから嬉しい。
で、
「『死亡絶対回避』ってなに?」
「なんかよく分からんが、名前から考えて死なないと思えばいいんじゃないか?」
死なない?それってもしかして…
「無敵!?」
マジかー。無敵かー。
っていうか…
「称号の『不審者』ってなんですか?」
「あれだけ危険な行動しとけばな」
嘘でしょ!
じゃあ、私はこれから『不審者』の看板を背負って生きていくってこと!?
そんなの、そんなの…
「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
主人公は無敵でした!
読んでくださった方、ありがとうございます。
まだまだ続きますので、よろしくお願いします。