1.危険人物
異世界転生した主人公がチート能力で無双するお話です。無双させつつ、しっかりストーリーにもこだわっていきたいです。楽しんで読んでいただけると幸いです。
えー、皆さんこんにちは。月野亜唯16歳!ピッチピチのJKです!
突然ですが、私は今、知らないおじさんに誘拐されています。
「おい、誰が誘拐だって?」
「ひぇぇー。思ってないです。知らないおじさんに誘拐されてるとか思ってないですぅ」
なぜわかった!
っていうか誘拐されかかっているのは事実だし。
えっと、どうしてこうなったかといいますと…
異世界転生したことに気づいた私。
しばらく唖然としてたけど、しばらくして、とりあえず街を歩いてみたんだよ。
そしたら街の人たちは、明らかに日本とは髪の色も目の色も違うし、耳まで生えてるしで、違すぎてカルチャーショック?みたいなのを起こしちゃって。
完全にパニックになって夢だと思って、もう一回高い建物に勝手に登って飛び降りたんだよね。
普段ならさすがにそんなことしないよ!パニックになってたんだから!
そしたら。そしたらだよ!
ちょうど飛び降りた真下にフッカフカのわらを乗せた荷車が来て、見事そこに飛び込んじゃったんだよ!
その時は恥ずかしくて、全力ダッシュで逃げたけど、後から考えるとちょっとおかしくない?
そんなちょうどいいタイミングで、荷車来る!?
来ないでしょ!
で、さらにパニックになって、その辺に落ちていた尖った石で喉を刺そうとしたり、動いている荷車の目の前に飛び出してみたんだよ。
でもその度に石が粉々に崩れたり、荷車が横に倒れたりして失敗…。
その時は街の人にヤバいものを見るような目をされて逃げてきたけど、やっぱり考えてみると、
おかしくなぁーい!?
おかしいでしょ!
あまりのショックで呆然としていたら、強面のおじさんにいきなり胸ぐらを掴まれて…今の状況になります。
「おい、聞いてんのか」
「はいぃ、なんですか」
「だぁーかぁーら、お前はなんで危険な行動をしまくってたんだよ」
はい?危険な行動?ナニソレ?
「いろいろやってただろ。飛び降りてみたりとか…」
あぁ!それのことか。えーっと
「ちょっとパニックになってまして…」
途端におじさんの目がヤバいやつを見る目から、可哀想なやつを見る目に変わった。
「そ、そうか。なんか…いろいろ大変なんだな」
なんかいろいろ問題がある気がするけど、まぁいいや。
「お前もこんな街中で騒ぎを起こすのはやめてくれよな。いまはこの近くの森で謎のモンスターがててるーって言って、街の人はピリピリしたんだよ」
へぇーそうなんだ。ってそうじゃなくて!
「あなた、誰ですか。そもそも、ここどこですか」
すると、おじさんは忘れてたとでもいうような顔をした。
「本当なら不審者に名乗る名前はないんだか…」
今不審者って言った!言ったよね!
「俺はジャック・ダニエルだ。
この近くを活動拠点にしているパーティのリーダーをやっている。今日は街に買い出しに来ていたら、不審者がでたって街の人が騒いでいたから来てみたらお前がいた」
ジャック・ダニエルさんかー。とりあえずダニエルさんって呼んどこー。で?
「不審な行動をしたのはごめんなさい。ところで、ここ、どこですか?」
本当にこれが気になってるんだよねー。ダニエルさんの名前的に日本では無さそう。
「お前、名前は?」
「えっと、月野亜唯です」
「ツキノ・アイか。変わった名前だな」
あ、カタカナになる感じ?
「ここはゴウっていう名前の街だ。ちなみにゴウはこの国オッホンでは一番北にある国で、モンスターが多くでる」
え?モンスター出るの?怖っ。
「ところでお前、家は?」
えっと…
「ないです。気がついたらここにいて…」
っていうか家ないじゃん!どうしよう。
「ん?変な転移の罠にでもひっかかったか?まぁいい。じゃあ、お前の監視も含めて、俺のパーティに来い」
そう言うとダニエルさんは私のことをズルズル引きずり始めてしまった。痛い。
え?パーティに来い?
どういうこと?
よくわからないけど、街中でホームレス暮らしするよりはいいかな!
こうして、月野亜唯はパーティーに行ってみることになったのだった。
読んでいただきありがとうございました。
まだまだ亜唯の冒険は続きます。
よろしくお願いします。