登場人物
ツクル・ナイトー、内藤創(人間族、男)
主人公。ある事故現場に偶然居合わせたことで異世界に転移させられた不運な男。地球世界に帰還できるかどうかが判明するまでが三年、いざ帰るにしても更に時間がかかるであろうとソロ(後述)から聞かされたため「六年は生き延びてやる」と決意する。元々本人にその気はなかったが、いつの間にか冒険者となってしまっている。帰還の叶う日まで生き延びることが第一なので「荒事勘弁」の看板を背負い、これといって生命の危険のない仕事を選ぶ日々。なんだかんだ言って相棒は大事にしている。
ロビン(ネコ&トラック、たぶんオス)
ツクルの相棒。本来は彼の愛車でユタカ自動車製トラック「マグナ(ダブルキャブ、2t積)」なのだが共に異世界に転移し、ソロ(後述)の手によって魔道具となる。ネコ形態に変身することが可能で(現在はむしろネコの姿でいる場合がほとんど)、人間の言葉を解し話す。好物はネコちゅ~ぶ。自称「おこたの所有者」。なんだかんだ言って相棒大好き。
ソロ(※3秒間の無音発声、性別不詳)
異世界に転移したツクルの前に現れた謎の人物。地球世界の混乱を鎮めて修正し、ツクルを帰還させるべく活動中らしい。ロビンを魔道具化したり「アイテムボックス」スキルをツクルに与えたりするなど、ぶっとんだ力を持つ存在であるのは間違いないが基本的に正体不明。ツクルの目には「自分と同じ顔」をしているように見えるらしい。ガラケー派。
【 冒険者、冒険者ギルド:現役 】
《 冒険者パーティー『灯りを点す者』 》
ミルカ・ライタネン(人間族、男性)
リーダー。身長190センチ超のガチムチ系。真面目で慎重派だがカタブツと言うほどではない。若い者の面倒見が良くラッシ、シニッカの二人と共同生活を営む。姪っ子が可愛くて仕方ないのだが、最近「おいたん」と呼ばれなくなったことが寂しい。
エルメーテ・チェレンターノ(人間族、男性)
いつも柔和な微笑みを浮かべている地母神教会の神官。一応は副リーダー。丁寧で優しい物腰からひよわだと誤解されがちだが、ダンジョン下層階だろうが大森林の奥地だろうが平気で乗りこむ行動派。いずれは父の跡を継いで教区神学校の教師になるだろうとも言われている。
ミレナ・リプスカ(人間族?、女性)
腕の良い魔術師。若い女性の姿をしているが、ミルカの大叔母。「バのつく言葉」は彼女の前では絶対厳禁。一部冒険者からは「姐さん」と呼ばれて畏怖尊敬されている。ロビンをくねくねのとろとろにする超絶ゴールド・フィンガーの持ち主。
クマトラ村のラッシ(人間族、男性)
訓練生課程を終えた後でミルカに「拾われた」新人冒険者の剣士。金髪、糸目でやや軽い印象を受ける言葉遣い。経験が浅いことから、やや猪突の傾向がある。基本的にはお調子者。まだまだ色気より食い気の年頃。
ミッケリ郷のシニッカ(人間族、女性)
ラッシ同様に「拾われた」新人冒険者の弓 手。肉料理と甘いもの大好き。体のある部分のサイズについて言及された時に繰り出すボディブローの破壊力は凄まじく、三階級くらいの差は無視できるほどの威力を持つ。
《 冒険者パーティー『持ち帰る者』 》
ヴァルト・サヴォライネン(人間族、男)
リーダー。二十五年以上もダンジョンアタックを専門にしてきた「迷宮プロフェッショナル」。愛用の武器は刃渡りが50センチを超える蛮刀。一振りで大躯ゴブリンの腕や首を斬り落とすほどの剛腕。恋仲の女性がいるが、仕事が仕事だけに結婚を申し込むには至っていない。好きな言葉は「五体満足で日の目を拝む」。
ルドヴィーク・ファン・ケッセル(人間族、オネエ)
本名はルドヴィークだが、自称「ルドミラ」で愛称は「ルディ」。主人公のツクルよりも「なるゼ!」系な経歴を持つらしい。あくまで魔術師であって、うっかりソーサラーと呼ぶと謝るまでそいつの前髪を抜く。謝っても抜き続けることもある。パーティーの金庫番。好きな花は「白百合」。
ホルヘ・タラバンテ(人間族、男)
前衛の一人。子煩悩。むすめ命のおとうさん。土産に選ぶものの傾向が大きくなってきた娘の趣味に合わず、最近はツクルの用意する地球産菓子類に頼ることが多い。愛用の武器は短めの剣槍で、急所を狙う連続突き斬りを得意とする。好きなものは「娘に関するすべて」。
パウラ・アルメンタ(人間族、女性)
「Tomboy」で検索したら出てくるタイプのアマゾネス。斥候も後衛もこなすオールラウンダー。愛用の武器は刀身を長く厚めにした頑丈なスティレット。好きなものは?との質問に回答はなかったが、休暇中は少年歌劇演舞場の客席最前列でその姿が頻繁に目撃されうわなにをするやめr…
ライアル(人間族、男性)
先鋒、突貫番長。敵が複数だった場合、まず盾ごとぶつかって戦力を分散させる「分け」の名人。愛用の武器は戦棍。好きな歌は「樽ごと持ってこい(酒場の宴会歌)」。
テオ(人間族:虎獅系獣人のクオーター、男性)
前衛の一人。獣人の血を引くため、見かけに比べて力が強い。右手に戦 槌、左手に片刃直刀を持つ。好きな歌は「ミト谷の娘(山岳地方の民謡)」。
《 冒険者パーティー『深紅の短剣』 》
コルネリア・テン・ホルト(人間族、女性)
冒険者の多いラハティでも珍しい女性だけのパーティーを率いる「姉御」。父親はマックス&ヘルマン兄弟商会の会頭。堅苦しいことがキライで、父の従兄にあたるルディの生き方に感銘を受けて冒険者の道を歩むようになる。構成員からはよく慕われ頼りにされている。好きなものは「仕事終わりに飲むエール」。
ナートリィ郷のレベッカ(人間族、女性)
鬼の副リーダー。コルネリアへの尊敬、敬愛、信頼、忠誠は誰にも負けない。過去に何かあったのか基本的に男ギライ。好きなものは「あまいもの」「かわいいもの」「すてきなもの」。口にはしないが、態度を見ていればまあ大体わかる。多分おばあちゃん子。
ジョアンナ(犬狼系獣人、女性)
違法な奴隷商人に囚われていたのをコルネリアに救出され、以後は彼女を頭目と認めてパーティーに参加する。レベッカとはまた別の意味でコルネリアの傍を離れようとしない。ぶっきらぼうな片言は決して誰かの趣味ではない。好きなものは「肉」と「チーズ」。
シャールカ・ルンドグレーン(人間族、女性)
魔術師。若くして白色魔杖紋付の青鋼板章を持つ実力者だが、「全振り」タイプのため特に器用さはないに等しく、棘皮動物門海星綱と比喩されるほど。割とズバズバ物言う性格だが、言い過ぎた時にはきちんと謝る素直さもある。好きなものは「自分への称賛」、嫌いなものは「無駄乳袋」。
ルンダール村のレナータ(人間族、女性)
『灯りを…』のシニッカと同期の新人冒険者。担当は斥候。趣味はシャールカをおちょくること。仕事嫌いなわけではないが、少しでも目を離すとどこかに隠れて昼寝をしている。容量のいい末妹タイプ。好きなものは「臨時収入」「不労所得」「拾得物」。
《 冒険者ギルド ラハティ支部 》
アンドレイ・チャガチェフ(人間族、男)
ラハティ支部のギルドマスター。頼りにならなかった支部を立て直すために冒険者からギルド職員に転身した過去を持つ。近接戦闘のプロフェッショナル。ギルドや所属する冒険者・職員、またその家族を守るために日夜働く苦労人。
オリヴェル・エティエンヌ・ダヤン(人間族、男性)
ラハティ支部の副ギルドマスター。傀儡魔法を得意とする腕利きの魔術師。所属パーティーは違っていたが、アンドレイの思いに共感してほぼ同時期にギルド職員に転身した。
クララ(人間族、女性)
ラハティ支部カウンター係でツクルの顔馴染み職員の一人。女狸。
《 冒険者ギルド 統括本部 》
イリーヤ・リディヤ・ラシュトフコヴァ(人間族?、女性)
統括本部評議員、統括本部登録魔道具管理部・部長。『蒐集家』の異名を持つ。ロビンによれば「ミレーナと同じにおいがする」らしい。
ソフィア・バニュアレス・レブロン(人間族、女性)
統括本部登録魔道具管理部第三課・課長。
アンジェリカ・グリロッティ(人間族、女性)
統括本部登録魔道具管理部第三課・課員。
【 たそがれ通りの住人 】
ファビオ(エルフ族、男性)
ラハティ・ダンジョン群を発見した冒険者パーティー『颯』の構成員で『風斬り』の二つ名を持つ。引退届は出していないが、第一線で動くこともない。現在はたそがれ通りの「世話役」を自称し、かつての仲間たちと共に鯨飲の日々を送る。外国人であり新人冒険者でもあるツクルを気にかけて何かと世話を焼こうとするが、むしろ飲食の面では世話になっていることの方が多い。弓、軽弩、投石紐、縄鏢、飛礫など投擲・投射武器全般の扱いに優れるらしいが、腕前を披露する機会はまだない。好きなものは「酒」「焼きラーメン」。
オスモ・ティーリカイネン(人間族、男性)
『颯』構成員で魔術師。二つ名は『見抜く目』。引退届は出していないが、今は骨董屋の主人として暮らしている。ツクルにとっては魔法の師匠でもあり、魔法不発の原因を探り出し解決法を見つけ、一夜漬で統括本部の人間が監督する試験にパスさせたことから指導力も相当なものであろうと思われる。常識人に見えるが、それでもやっぱりファビオの仲間なのでどこかトンでてどこかゆるんでいる。
トールヴァルト・フレデリクソン(人間族、男性)
『颯』リーダーで剣士。二つ名は『冷たき奔流』。オスモらと同様に引退届は出していないため、書類上は現役冒険者(当然、人間族としては最年長クラス)。死んだ妻が開いていた服屋の「名ばかり」主人でもあったが最近息子夫婦に代を譲り、今はのんびりとした毎日を送る。常に仕込み杖を携帯している。
ガブリエル・パジーセク(人間族、男性)
『持ち帰る者』の初代・先鋒。かつての二つ名は『鉄籠手のギャビイ』。今も後輩たちを何かと気にかけている。ツクルの大工の腕について、何がどう優れているのかがわかる程度には本人も器用。現在は乾物屋を夫婦で営む。妻はツクルをお気に入りで差し入れなど面倒をよく見ている模様。ツクルが単純に「おばさん」と呼べば大抵は彼女を指す(他の場合は「(姓)のおばさん」「(名前)おばさん」)。
エクトル・モーガン(人間族、男性)
たそがれ通りで鍛冶屋を営む。十年ほど前までは冒険者ギルド指定の「特級鍛冶」で同時に冒険者でもあったが、年齢のこともあって「特級」については指定解除を申し出た。徒弟志望者が三日と続かないほどの頑固&偏屈だが、ツクル自身が砥いでいる鉋の刃を見てからは仕事の一部を彼に任せている。
おばさんズ&ばあさんズ
通称・たそがれ通り婦人会。現代地球世界の感覚で女性に接し、日本人の感覚でご近所づきあいをするツクルは「多少水臭いところもあるが、世の男どもに比べたらよっぽど紳士的・家庭的で親切な男性」に見えるため、彼を可愛がっている。何人かは元・冒険者だったらしい。
【 ラハティ市の住民 】
ドゲン・イーヨン・シャー(ドワーフ族、男性)
アゲン・イーヨン・シャー(ドワーフ族、男性)
コゲン・イーヨン・シャー(ドワーフ族、男性)
飲食店を営むドワーフの兄弟。長男・ドゲンが北区の『大鎚亭』、次男・アゲンが南区の『金床亭』、三男・コゲンが西区の『小槌亭』。特に『金床亭』は多くの冒険者から愛される人気店。
ヘルマン・テン・ホルト(人間族、男性)
マックス・テン・ホルト(人間族、男性)
『ヘルマン&マックス兄弟商会』を経営する兄弟で兄のヘルマンが会頭。愛国者で野心もある兄と一歩引いた立場で冷静にサポートする弟のコンビ。彼ら以上にやり手の妻がいて、下手をすれば寝首をかかれかねないほどらしい。商会が経営に携わるランドルトン開拓地の「相談役」にツクルをむかえている。コルネリアにはジョシュという兄があり、マックスにはレックスという養子がいるが、彼らは現在「御本家」筋の商会で修行中。
ヨハン・バーンスタイン(人間族、男性)
南区で両替商を営む白髪の老人。『鑑定』スキルの持ち主で、以前ツクルを鑑定したところ「コイツのほうが上、バカな真似はやめとけ」との忠告を得た。そのためレートや手数料を誤魔化すなどはしないだろうと思われる。商売に関する信条は「小さく持ってコツコツと」「決して手放すな」。
ヴァルテル・ホーフストレーム(人間族、男性)
運送業ギルドのギルドマスター。何かとクセのありそうな人物。第1回ツール・ド・ラハティではツクルのオッズが45倍から21倍になるまで小遣いを突っ込み見事的中(ほぼ詐欺で八百長でインサイダー)。税務署さん、まだですか。
セバスチャン・モンクレール(人間族、男性)
商業ギルドの理事で市参事会議員の一人。享楽的な性格。
エスコラ・ヴァハマー(人間族、男性)
トゥーリア・ヴァハマー(人間族、女性)
ハンナ・ヴァハマー(人間族、女性)
閑静な高級旅籠『赤い屋根』を経営する一家。エスコラはミルカの先輩(引退した元・冒険者)で妻のトゥーリアはミルカの実姉。『赤い屋根』はもともとミルカの実家だった土地に建てられた。
迷宮会
ラハティに拠点を置き、功績を上げた冒険者だけが加入できる互助組織(飲み会)。数々のオマケがついた白銀板章、黄金板章の猛者揃い。世代的には『颯』と同じくらいかそれ以上の者が多いため、「老人会」と呼ぶ小雀もいる。ギルド支部改革のために転身したアンドレイは「可愛い後輩」。ダンジョン崩落の際のツクルの言動を知って「若ぇのにいいタマだ」と面白がっている。
イーヴォ(人間族、男性)
ツクルが借りている家の持ち主。大家。
【 開拓地ランドルトンの住民 】
ジョナサン・アンドリュー・ランドール(人間族、男性)
当代のランドール男爵でランドルトン郷主。これまで貴族的なくらし、裕福な生活とは縁遠かったために非常に庶民的な「おらが村の坊ン」である。ツクルの協力でメープルシロップという新たな産物を得、現在は農業革命・食料革命の起爆剤となる作物「テオシント(トウモロコシ)」の品種改良にも秘密裏に取り組んでいる。
タバサ・イメルダ・ランドール(人間族、女性)
ジョナサンの母。かつての男爵家の経済的事情から子どもはジョナサン一人しか持てなかったために「女の子」「娘」に対する執着心があるようだ。経済状況が変わりつつある現在は余裕ができたらしく、『深紅の…』がランドルトンを訪れた際は構成員に自分で作った服を着せて遊んでいるらしい。
ハリー(人間族、男性)
ジョナサンの祖父、ユージンの代からランドール家に仕える使用人。「そろそろ坊ンにも嫁をとってもらわにゃあ…」と悩むことしきり。




