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たそがれ通りの異世界人  作者: 篠田 朗
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第五十一話



 カエデ林に作業場を建てた日の夜。


 ハリーが共同浴場の風呂を焚いてくれたっていうんで久しぶりの湯を堪能し、下着から何から全部きれいなのに着替えて一休みしていた時のこと。俺の体のほこほこを()()()()()()にしようと膝の上で丸まったロビンに顔マッサージでもしてやるかと思った時、壁にかけられた額が目に入った。

 ロビンを椅子におろして近づいてみると

『王立地理院作成 第三〇八号、第三〇九号開拓地 精測地形図  写、補:クリストファー・D』

という名板が下の方に貼りつけられている。


「ここの地図か。クリストファーってのはたしかジョナサンの父親だったよな。」


 「写」とあるからにはこれがコピー地図だということ、「補」ってのは調査をしたうえで何か書き加えたってことだろう。

 精密に描かれているんだろうとは思うんだが全体に薄くなった描線は濃茶一色だし、使われている紙は黄ばんでるし破れたところもあるしで見にくいことこの上ない。父親の遺品だろうに、もっと丁寧に扱えよ。


「あ~、はいはいはい。北が左側になる地図なのか、どうりでわからんハズだわ。」


 現代日本とは違う描き方なので目と脳が混乱して仕方がない。あ、それでも等高線とかグリッドは発明されてるんだ。すごいじゃないか、もっと文明レベルは低いと思ってたわ。


「これが崖っぷちの道で……こう……こうだから……うわ、すっげえ回り道だな、コレ。」


 ランドルトンへ続く道を指でなぞると、途中で大きなU字を描いてラハティへの街道につながった。

 回り道の理由はここへ来る途中に見た特殊な地形。一つは高さ100メートル近く、長さは恐らく3、40キロメートルを超えるであろうほぼ垂直の断崖、そしてもう一つは標高5、600メートルはあるおっぺえ形の岩山。断崖を軸に、おっぺえ山を頭にしたマッチが、ラハティとランドルトンの間に横たわってると思えばいいか。地図の続きがないのでよくわからない部分も多いが、()のほうはどこまで行っても延々崖なので、やむなく()を迂回する道になったんだろう。結果、谷川沿いの切り立ったところを進まにゃならんわけだ。


 もう一度、今度はラハティ側からランドルトンへ向けて道を指でなぞっていく。


「こう来てこう、んで……たしかこの辺に……あった、この円形にへこんだあたりで露営したから、迂回だけで足掛け二日、丸一日以上を使ったってことか。時間はかかるし、道は危険だし、この仕事って受けないほうが正解だったのかも……」


 仮に相棒(ロビン)をトラック形態にしたとしても、舗装されてない上にガードレールもない道だからスピードは出せないんで意味がない。危険すぎる。


『何してんだよ、壁いじくりながらぶつぶつ言いやがって。』


『壁じゃなくて地図。で、今さらながら早まったんじゃないかと少し後悔してたところ。いやな、ここに来るまで四日と少しかかったろ?オマエをトラックにして走れば、もう少し短い時間で移動できるんじゃないかって思ったんだよ。でも、無理そうだ。』


『後半の山道崖道だろ?ありゃねえわ、下手すりゃスリップ起こして真っ逆さまだぜ?』


『だよなあ……』


 それでも何か諦めきれず、マッチ地形をよく見るとあることに気づいた。


「ラハティ側との標高差が……ない?」


 谷で切れてる箇所や迂回路の激しいアップダウンで錯覚していたみたいだが、ランドルトンの端っこ、丁度マッチの軸に接するあたりとラハティ側街道の迂回路に向けて曲がるあたりとの等高線は同じくらいの高さを表しているように見える。


……この☆☆☆の書いてあるのが計曲線なんだろうな、やっぱり。それじゃここからひのふのみのよ……こっち側のがこの☆☆☆から始まってひのふのみのよ……


 あっら、変わんねえ。縮尺とか等高線の間隔とかがどう設定されているのかはわからんが、標高差は線一本分しかない。そうだ、こんな時こそ『鑑定』だよ。むむむのていっ!



【 地図(写し、但し補足描き込みあり) 】


アキュラシア王国地理院が冒険者ギルドと共同で作成した開拓地の精測地図。縮尺はおよそ1/50000。もとの地図自体もある程度正確に出来ていたが、写し作業を行ったクリストファー・ダニエル・ランドールの手により修正が加えられ、南北方向の歪みが正されている。二本の計曲線の標高差はほぼ150メートル。



 ☆☆と☆☆☆の間の線が……クソ、見づらい!……10本だから標高差15メートル?それってもう「平ら」とか「同じ」って言ってよくない?で縮尺が1/50000ならこの崖の幅が……ってことは……


「この()!このマッチの軸が邪魔!」


『何だよ急に?』


『来る途中に高い崖があったろ?あれさえなきゃラハティからここまでほぼ直通!迂回路があったから、あそこで距離感と標高感の錯覚がおきたから僻地と思っただけで、実際はランドルトンとラハティ行きの街道って直線で2キロも離れてねえ!あの崖さえなきゃ、ここはラハティの()()みたいなものなんだよ。』


『相棒よう、あれさえなきゃなんて言ってっけど、崖をどかすなんて真似ができると思うか?』


『できないからむしゃくしゃしてる!』


 …………?


 心に何か、疼き。

 何?

 俺、何か知ってる?


 その日は()()が何なのかわからず、むしゃくしゃを感じたまま寝た。

 ぐう……



   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇   



 翌日。


「他の住民への説明もしなければいけませんが、まずはこの六人がシロップ作りをきちんと覚えるのが先決です。とは言え時間が無限に使えるわけじゃないんで、()()は今日で終わりにしましょう。これは一昨日タマラさんが作ったシロップですが、これをランドルトンの『味の基準』にします。皆さんにお分けしますので、今日作るぶんはこの味に近づけて、限りなく近づけて、なるべく同じ甘さになるようにしてください。では樹液を回収して作業を始めましょう。ご質問は?」


「俺らがやってる間、オマエはどうすんだ?」


「ジョナサン君、いい質問だ!このシロップ事業は『俺の』ではない。まず『商会の』として立ち上げ、やがては『君たちの』にしてもらわなきゃいかん。だから今回、監督はマックスさんにお願いして、俺はまた別のことをしたいんだ。もちろん夕方の品質検査までには戻るけどな。」


「アタシたちは?」


「朝飯の時に話したろう?不器用なシャールカでも安全にできそうな方法。樹液は俺が仕掛けた容器のを使っていいから。」


「ゆっくり冷やしてゆっくり半量凍らせるってやつ?根気の必要そうなのはあまり好きじゃないんだけど。それと、アタシは不器用なんじゃない。決断力と実行力が実力に勝る前進力を持ってるだけ。」


「……ま、やるだけやってみなって。あ、それとレベッカはマックスさんについていてくれないか?」


「言われるまでもない……ス。」


 おおこわ。

 

「じゃ、そゆことで。はい、他に何もなければ解散、皆さんご安全に!」


 ジョナサン宅を後にした俺は目的地を目指し、相棒をひっ抱えて足早に歩く。朝のアラフォーは走れんからな。今朝も足つったし。


『待て!ちょっと落ち着け相棒!俺をどこへ連れていく気だ!?』


『夕べのあの疼きが何かわかったんだよ。俺、答え知ってるじゃん!力あるじゃん!モノも持ってるじゃん!禅海和尚だよ、菊池寛だよ!』


『ふあ?』


 小一時間もするとその場所に着く。マッチの軸、大断崖の()()()()、早起きして地図とにらめっこすること三十分で目星をつけたポイントだ。


「どこココ?」


「マッチの軸の一番細くなってるところ。()()()()までは1500メートル位しかない。」


 アイテムボックスから各種大工道具、水平器、レーザー墨だし機、材木、高度計付きレンザティックコンパスなどなどを取り出す。


「安くないカネ出して、いいコンパス買っといて正解だったな。まさか役立つのが異世界とは思わなかったけど。」


 差し金を手に取り早速呼び出し、棟梁ぉおおお!カモォオン!!


「あ、おい相棒!()()やる前に何がどうなのか教えろって!……」




    ◇    ◇    ◇


♪ (ダルシマーの奏でる切なくノスタルジックなメロディ)


  (寂しげな古びた街並みを進む八九式中戦車の後ろ姿)


  (右下テロップ  ※ これはCMです。  )


  時代遅れになったって いいじゃないか


  一瞬でも 俺が走ったのは 先頭だったのだから


  いずれ誰もが通る道 


  若いの アンタも気をつけな


  歳月 人を 待たないぜ


  豊後 麦焼酎  『履帯道(りたいどう)


  お酒は20歳になってから


    ◇    ◇    ◇    




「……俺のこと無視しやがって……」


「悪かった。スマン。この通り。謝るから機嫌なおしてくれって。」


「三つ。」


「?」


「今月のネコちゅ~ぶ、三箱追加で許す。」


「……わかった、三つ追加発注かけとく。ロビンさん、あなたを無視してすいませんでした。」


「ん、許す!んで、その素朴なSM用大型什器みたいのどう使うんだ?相棒がひとり楽しげに遊ぶのを俺が撮影すりゃいいのか?」


 言うに事欠いてエスエ……!?そんな楽しげな……元へ!危なげなシロモンじゃないって。だいたい撮影してどうするつもりだオマエは?


「コイツの名は……わからん。何て言えばいいんだ?とにかく、今からやることに必要なもんさ。」


 完成した木製の四つ脚構造体、名称不定作業補助機材・XSM-1(仮称)を崖の岩肌近くまで引きずっていく。結構重いからあとで車輪式に手直ししよう。


「順番が後先になったけど、まずは現場をきちんと調査しないとな。」


 灰白色の岩肌に手を触れる。氷のように冷たい、と言うよりまさにうっすらと張った岩の表面の氷が手のひらの体温で融け、滴が手首を伝って肘へ、上腕へと流れる。冷たさを受け入れ、岩肌と己が体を一体化させ……


「『鑑定』!広範囲深部調査!」



【 魔崗鉄繊岩の大断崖 】


魔鉱(魔崗鉄)を成分として含む特殊な岩石でできた大規模地形。魔崗鉄は岩盤内部で繊維、あるいは木の根のような特殊かつ緻密な構造を成しており大変頑丈。人の手で掘るのはほぼ不可能に等しく、魔力吸収拡散作用を持つ魔崗鉄を含むため魔法による構造操作もほぼ不可能。



「っか~!さっすが大自然!拒むねえ、人間を!だがしかし、俺の手段はただの人の手とも魔法とも違うんだよなあ……」


 ぬれた手をズボンで拭いて、まずは試掘。ダンジョン崩落でやったみたいに、特殊な収納空間をイメージする。試掘だから小さめに。


「『アイテムボックス』カスタム、エリア収納。一辺30センチの立方体……対象は、()()()()()()()()、……っと。それでは試掘の一発目、うまくいったら御喝采。そぉい収納!!」


 右の掌の前にできた収納エリアを岩肌に近づけて手を伸ばすと……


 すふぁこん


 机の引き出しを押し込むような感触がして、岩肌にタテヨコ30センチ、奥行きほぼ30センチの()()()()空間ができた。


「よっしゃ!成功!そして確認したならば…」


 アイテムボックスの収納物リストには「石材:魔崗鉄繊岩大岩盤の欠片、およそ27000立方センチメートルの立方体」の表示。こっちも想定通りだ。


「相棒、そろそろきちんと説明。でないと、また()()()()ぞ?」


「ああ、あのな……」


  ・  ・  ・  ・  ・


 昨夜、むしゃくしゃを感じたまま床に就いた俺だったが、夢にある光景を見た。

 小学生の頃、遠足で出かけた先の、山の中の川沿いのトンネル。


 青の洞門。


 江戸時代の奇特な坊さんが峻厳地形に難儀する住民のため、托鉢で資金を集め三十年もかけて手で掘った、文字通りの日本版『一念岩をも徹す』。今も残る当時の手作業の跡と説明されたゴツゴツの岩肌に触れた感触を思い出したとき、崩落事故からの救出でやった土砂撤去の感触がそれに重なって、ばちいっと目が覚めた。


「トンネルがないなら掘ればいい。でも、どうやって?そりゃアイテムボックスで……」


 ()()()足を引きずりながら昨夜見た地図の前まで行き、()()()()を探す。いけそうなのがどっかにあるはずだ。三十分後、三回くらい見直してここしかないだろうという地点を見つけた。ランドルトンの南東のはずれ、大断崖が弓なりにやや窪んだ地点、そこからまっすぐ南北の線を引くと()()()()までは1500メートルを切るくらい?


 試しにやってみても損はない。


  ・  ・  ・  ・  ・  


「……んでここまで来たってワケさ。要はこっから真っすぐ南向きに掘れば、街道のあたりに合流できるトンネルができるってこと。見ての通り()()は成功したから、後はもう掘ってくりぬいて進むだけ……だと思う。」


「そんなにうまくいくもんかね?」


「見てなって。」


 再度()()()()()をしてXSM-1を車輪式に改造。次に水平器とレーザー墨だしをセットしたら、高さを合わせてコンパスで方角調整。


「それでは工事開始に先立ちまして、安全祈願のお祈りを。」


 試掘でくり抜いた空間に米と塩を盛り、カップにウイスキーを注いで捧げ二礼二拍手一礼。


「この世界を護られますところの三母神様、日頃わたくし内藤創に力をお貸しくださいますところの地球世界の神様、そして師匠棟梁親方先輩の皆々様、本工事終了まで事故なく無事に作業が終わりますよう、よろしくお守りお助け下さい。また、この祈願のやり方がこの世界のものと違っていてもご容赦くださいますよう。」


 ヘルメット(てっぱち)を被って顎紐をきちんと締め、レーザー墨だしのスイッチを入れる。冷たい岩盤に赤い十字の光が映し出された。光の線の交差部分に掌を当てて精神集中……


「『アイテムボックス』カスタム、エリア収納……」


 幅3メートル、路面から垂直に2メートルの壁を立てて、上部は半径1.5メートルの半円。奥行きは5メートル。山形食パンの一斤まるごと、みたいな形を頭に描く。


「対象はエリア内のすべて、常時展開なし……では記念すべき一発目。収納!」


 ふぁふこん!


 柔らかい布団に手を沈めるような軽い感触がしたかと思うと目の前の岩盤が消え、アーチ天井の車庫みたいな空間が現れた。


「ほっほ~、相棒!できたじゃねえか!」


 やった!と思った次の瞬間にはロビンが足元を駆け抜けて空間の中に入り込み飛び回っている。

 くっそ、第一歩を盗られた!

 小さな悔しさを胸にトンネルに入る。軽自動車一台用のガレージくらいの広さだな。

 うおっ!


「あっぶね!滑る滑る。何だよこれ?」


 路面と言わず壁と言わず、美事(みごと)と言うより他ない鏡面仕上げ。靴の裏に水分があったせいか滑りまくりだ。これはこれでアトラクション的な楽しみ方があるかもしれないが、一般道にしては危険この上ない。次の()()からは工夫しなきゃな。


「一発目は成功。問題はこっからなんだよな。」


 空間奥の壁面に映る、墨だしの放つレーザー光の十字線の何か所かにペンで印をつけたらXSM-1をトンネルの中に引っ張り上げる。


「よし飽きた!足も冷たい!相棒、背中!」


 とととっと背中を駆け上り、後頭部にロビンがへばりついてきた。邪魔はすんなよ、ロビン?あと、俺の首の後ろに足入れて暖をとるのやめて!


「何やってんだ?」


「ん~?……」


 水平を取り直したらXSM-1の主脚スライド部分を動かし、ずれた十字線が再びペンでつけた印に重なるように高さを調整する。…………OK!


「闇雲に掘っていったら失敗した時に目も当てられん。こうしたら真っすぐに掘っていけるだろ?」


 今回は土砂撤去の時と違って真っすぐ進むことと、必要な時は必要なぶんだけ曲がることが重要になる。そこでXSM-1(作業補助機材)を作って、こんな手間のかかることもしなきゃならんわけだ。


 方向だけ決めたら、後は1キロくらい一気にバーッやったらええ?


 掘った後の石材どうすんの?全長1キロの壁か列車かみたいな石材、ちょっと使い道がないでしょ。うっちゃっとくにも問題ありそうだし。失敗したらそれが増えちゃうわけじゃん?さすがに俺のアイテムボックスでも収納できんのじゃないかな?

 しかもさっき知ったことだけど、ここの石って人の手で細工するのわりと無理っぽいよ?

 だからね、失敗しないように少しずつ進めるの。もちろん場合によってはもう少し長めにやってもいいけど、10メートルずつくらいがギリじゃないかな?オジキにもらった機材の中に受光器はなかったからこれぐらいが限界。仕方ないよ。


 十字光の交点に再び手を当てて、今度は路面と壁面が梨地のちょいザラになるようにイメージして…


「『アイテムボックス』カスタム収納!」


 ふぁふこん!


 一発目と同じように空間が5メートル伸びる。一度入り口側に戻って奥のほうを見ると、ズレているようには見えない。よしよし。


「……相棒、これを何回繰り返す気だ……?」


「今みたいに5メートルずつでやるなら300回くらい?途中で10メートルずつにしたとしても200回近くじゃないかな?」


「帰る!俺もう帰る!暖炉の前で昼寝する!大体なんで俺を連れてきたんだよ?俺の自慢のネコの手もトラック姿も使いどこがねえじゃんか!」


「俺一人でこんな穴掘り黙ってやってろってか!?暗いじゃないか、寂しいじゃないか!せめて話し相手の一人も欲しいじゃないか!」


「うるせえ、穴掘りってのは昔からドイツ軍の監視を逃れて黙って一人でやるもんと決まってんだよ!放せ!俺は帰る!こんなさっむいとこ、五分だっていられるかよう!」


「逃がすか!こうだっ『アイテムボックス』収納!」


『ふにゃああっ!!何をする!出せえ!オニ!人でなし!美猫監禁犯!……』



   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇



……そんな感じで掘り始め、途中何度か「神懸かり」的に意識を失うこともはさみつつ、気がついたら何と三日で開通したわけだ。万歳!万歳!万歳!……


 と、俺に都合の悪い部分は隠したり誤魔化したりしながら話したんだが……



「リコット山が見える……」


「南に見える……つまり……」


「本当にあの断崖を抜けた……スか?」



 マックス氏はじめ、通り初め式に参加した連中の耳には入ってないようだ。



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