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私達の邪魔はさせない

「えっ?サクラ、一人暮らしなの?」

「うん。両親とも海外にいて、まだまだ日本に帰ってくる気がないみたいだから、先に一人で帰ってきたの」

 サクラの話に驚くサヤカ。マホの方に向いて顔を見合せ一緒に驚いている

「でも、一人って大変じゃない?」 

「うん。でも、昔から家事とかしてて慣れてるから、今のところは大丈夫かな」

「何か困ったことがあったら、私達手助けするよ」

「はい。ありがとうごさいます」

 三人が話をしている間、相変わらず黙々とお菓子を食べているミツバに気づいたマホが、ふにっと頬をつまんだ

「ミツバ。サクラの話、聞いてる?」

「えっ?う……うん、聞いてるよ」

 慌てて返事をするミツバに、つまんでいた頬を離してはぁ。とため息ついた

「さっきから変だよ。どこか具合悪い?」

「ううん、大丈夫……」

 二人に笑って誤魔化そうとしているミツバの様子を微笑み見ていたサクラ。ふと空を見上げると、持っていたコップをカチャンと音をたててテーブルに置いた


「そろそろ私、帰らなきゃ……」

「えっ、もう?もう少し……」

「お家のお掃除と買い物に行かなきゃいけなくて……」

 突然帰ると言い出し荷物を片付けはじめたサクラ。その様子を少し残念そうにサヤカとマホが見ていると、すぐに片付け終えたサクラが席を立った

「そっか……。じゃあまた明日、学校でね」

「はい。また明日……」

 手を振り三人から離れていくサクラ。同じく手を振り帰っていく後ろ姿を見送るミツバ達。姿が見えなくなると、緊張感がほどけて少しホッとするミツバ。その後も三人で会話が進んで、追加で買ったお菓子も紅茶もなくなった

「全部食べたし、私達もそろそろ出ようか」

「そうだね。次のお店も混んでるだろうし」

 と席を立つ準備をはじめたサヤカとマホ。帰る準備をするでもなくボーッと二人の様子を見ているミツバ。ふと空を見てサクラのことを思い出した





「ナツメちゃん、ツバキちゃん……。私とミツバちゃんの時間を邪魔しないで……」

 ミツバ達から離れた後、ミツバ達がいるお店から少し離れた路地裏で誰かと会っていたサクラ。睨んで話しかけている相手は、お菓子を食べる様子を隣の建物の屋上から見ていた女の子二人。ツバキはお菓子を食べながらサクラをジーっと見つめ、ナツメはサクラの睨む顔を見て、不思議そうな顔をしている

「どうして?本当はサクラだって、ミツバと本を書かないといけないはずだよ」

「ミツバちゃんには、本は書かせないって言っているのに……」

 グッと歯を食い縛り、ナツメとツバキの所へゆっくりと近づきながら、右手を前に差し出しすと二冊の本が現れぎゅっと強く抱きしめた。近づいてくるサクラに今は興味無さそうにずっとお菓子を食べ続けているツバキに対し、本を持つサクラを見て嬉しそうにナツメも本を右手に持ち、クスッと笑った

「じゃあ、サクラが私の相手してくれる?本にまだ書くことたくさんあるから……」

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