表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

砂時計の時間

作者: しいたけ

ネクタイを直してくれる人が好きです。


 いってきます。その前に必ず砂時計をひっくり返す。

 砂時計の中の青い砂は、サラサラと静かに、二人の汗ばんだ心とは無関係に、ただただ静かに終わりを迎えるためだけに崩れ流れゆく。


 朝のニュースを少しだけ大きめに、しかし二人の耳には届くこと無く。アナウンサーは雑踏を、そして二人を掻き消すように原稿を読み続ける。


 砂は残りわずか。さり気なくもう一度ひっくり返し、再び意識を遠ざける。スーツとエプロンのコントラスト。猫が静かに通り過ぎた。


 いつの間にか砂時計は終わりを告げていた。ゆっくりと終わりを、また新しい始まりを、始まりの続きを、砂時計と言う名の免罪符を求め手を伸ばすと、二人の手が静かに触れた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言]  砂時計の表現が、散らされた言葉が、一瞬の描写を強調していて…………、お見事です!  改めて、しいたけさんの作品の多彩さを思い知らされました!  ありがとうございました!
[一言] 二ヶ月と経ってなさそうな情景ですね…、砂時計なんて洒落たもので区切ろうとどっちが言い出したのか。夜の内からそんなんなんで眠いだろうに。
2020/08/27 21:22 退会済み
管理
[良い点] 本作、詩というより純文学のように品格が高い。 とても詩的で、情緒的で、綺麗な朝の風景が目の前に浮かびました。 しいたけ様のある一面の本領発揮!ですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ