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古びた神殿の隙間から溢れる色が、暗い室内を光のかけらで満たしていた。中央には水面があり、それには反射された色が繋ぎ合わされ、道となっていた。
不確かな道を渡る。
一歩一歩に、歩むたびに重みで、水面には艶やかな輪ができていく。頬には夜風があたる。冷たくて、これから自分がすることを咎めるように。
ただ、これからのことをする気持ちがそう思っているだけなのかもしれないが。不安を打ち消すように、頭をふった。私がやらなければ誰がするの。
どうか、どうか。どうか・・・・・・。
両手杖を握りなおす。頭の中に立ち込めてくる思考を消した。すると歩みが止まっていたこと気づく。それから一歩前に進んでいく。
どうか、どうか、どうか。
身体が強張り、肩の震えがはじまる。
どうか、どうか、どうか。お願いします。私たちを助けてください。