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巨大白ムカデ討伐2

諸事情によりウサギ型召喚魔獣の名前がタリン→ルビに変更になっております。混乱させてしまい、申し訳ありません。

 黒い光はやがて形を成して、私が描いた円と同じくらいの太さの胴体を持つリーカー、この世界で言う竜が出現した。空に舞い上がって円を描くように浮遊する。そのまま待機を命じる。


「ルビ、よろしく」


「了解ー」


 ルビの姿が光の球体となり、私の耳と頭にカチューシャのような形で装着される。

 見た目はウサ耳カチューシャなんだけど、音を介して敵の動きを敏感に感じることが出来るのだ。

 さて、赤いムカデ達は術者である私を狙って飛びかかってこようとしていた。

 頭が良い。私が意識を失えば、召喚術はその瞬間に途切れてしまうから。


「さあ、どこからでも」


 子ムカデの細い毛には毒があって、触れると高熱にうなされることになる。気をつけないとね。


「お、お姉様」


 後ろからの声は無視した。フリーティは恐らく実践慣れしてないからな。こういう時動けないないだろう。黒系の高ランクリーカーを前にして足がすくんでしまった可能性もあるけど。

 私は前を向いたまま、フリーティの頭に手を置いて、


「きゃん!?」


 力任せに地面へ伏せさせた。


「邪魔。うごかないで」


 子ムカデが来る。私の顔を目掛けてジャンプしてくるそれらに杖がかざした。


「リーカー」


 空に呼び掛けると、透明の杖の先に黒い光が灯った。


「はっ!」


 杖を思いっきり振った。杖に当たったムカデはまるで感電したように体を震わせ、地面に落ちて動かなくなる。


「一匹残らず、一掃してやる!!」


 黒い光は召喚魔獣の力を杖に宿しているだけなのだが、何しろ高ランクリーカーだから、その威力は桁違いだ。

 私は飛んで跳ねて、杖を振りかざし、無数のムカデ達を撃ち落として行く。

 こうしていればいつかはきっと。


「来た」


 洞窟の入り口から白い毛を持つムカデが顔を覗かせている。


「噛み砕けっ、リーカー!」


 ブオッと黒い風が吹いた。リーカーは頭から地面へ急降下し、洞窟の入り口の白ムカデ目掛けて、飛んで行く。

 慌てて逃げようとしても無駄だ。リーカーは洞窟の入り口でムカデを咥えると、そのまま中へと入って行く。

 地響きがしたかと思うと、洞窟のある崖にひびが入り始めた。


「なんだ、余裕だったか」


 白系魔獣だと聞いていたのにえらくあっさり勝負がついてしまった。白系の中でも低低ランクだったのかな。

 やがて、洞窟内からリーカーが出てきて、そのまま消えた。子ムカデ達も親からの力の供給が切れて動かなくなり、私の勝利が確定したのだった。


「うひぃ、派手にやったなぁ。本気出しすぎじゃないか?」


 元の姿に戻ったルビが言う。うん、本気出した。フリーティが諦めてくれるようにね。この子との力の差がどのくらいかわからないけど、ここまでやればなんとなく勝負しようとは思わないんじゃないかな。

 ちらりとフリーティを見やると、地面に伏せたままの彼女は目を見開いていた。

 効果あり、かな?

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