返り討ち2
「リティ、抑えろ。顔が怖いぞ」
私への暴力を笑い話にしてるこいつを許してやる気はさらさらない。でも、同じことをしたらダメだ。 そんなこと分かってる。
「リーカー」
『どうした、主殿』
「こいつの服脱がせて」
私以外の二人&一匹の目がてんになる。
「お、おいリティ」
リーカーは即座に実行した。
「ぎゃああっ」
電気を流して、彼の服をボロボロに。パンツ残す辺り、分かってる。
「じゃあ、悪いけど、こいつをハーリーズのところへ投げ捨てて来て。南の山の上に屋敷があるからそこね」
『承知した』
私はペレットをいくつかリーカーに渡す。
「何を考えているんですか?」
そう問うエリオッツの声は明らかに震えていた。
「おうちに返してあげるよ。送ってあげる」
見せしめみたいなものだ。この男はハーリーズが信頼する人間だからな。不様な姿で送られてきたらどう思うだろう?
「それじゃあね、エリオッツ」
リーカーは彼をがっちり拘束したまま、空に舞い上がった。それから南の山へと飛んで行った。
「生かしておいて良いんスか?」
カリンが心配気に聞いてくる。
「お前、完全に発言が危ない人になってるぞ」
「何言ってるんスか、ルビちゃん! 何もしてない女の子の首を締める奴に人権なんかないんスよ?」
「確かにあの仕打ちは酷かったな。話し合いする気なかったし」
「リティさん、一体どんだけ辛い目に遭ってたんスか? 考えるだけで胸が痛いっス」
「その時はわからなかったけど、酷かったと思う。……あんまり思い出したくないね」
私はため息をついた。
「決めたっス」
見るとカリンが拳を握りしめていた。
「三ヶ月後の術師大会、あたしは絶対にフリーティさんに勝つ!」
まだカリンの実力をちゃんと見たわけじゃないし、フリーティの成長ぶりも確認してないからなんとも言えないけど、この前の試合で大丈夫だったなら余裕なんじゃないかな。
私に泣きついてくる辺り、本当に勝ち目ないくらいにやられたんだろうし。
「そういえば、あの矢はあの執事が打ったんスかね?」
何気なくカリンがそう言って首を傾げた時である。
茂みからガサガサっと音がして、さっきの木の人型が現れた。




