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魔導少女が愛する日常~世間知らずな彼女の日常指導係になりました~  作者: 青野 瀬樹斗
第五章 歌姫が口ずさむ夢想曲(トロイメライ)
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180話 幸せになれる場所で


 初めて異性とキスをした。

 その事実だけをみれば誰もがいいニュースだと思うだろう。

 

 でも俺と菜々美の間に恋人関係の事実はない。

 俺も初めてだが、まだ付き合っていない女性のファーストキスを奪う形になったため、多分俺の方が悪い。


「ん……」

「……」


 抵抗は……されない。

 それもそうだろうと自問自答する。


 だって菜々美は俺のことが好きで、気持ちが逸っていたとはいえ、自分の体を好きにしていいと宣ったほどだ。


 彼女からすれば好きな人にファーストキスを捧げることは本望に近いだろう。

 それがちゃんとしたシチュエーションなら尚更。 


 こんなムードも何もあったもんじゃない……最悪と言っても差し支えない程の状況で、彼女とキスをしたことに不思議と後悔はないものの、申し訳ないとは思う。


 一体どれだけの時間の間、互いの唇を重ねていただろうか。

 一秒が途轍もなく短く感じる反面、キスをしている一秒が堪らなく愛おしく思う。

 それくらい菜々美の唇はびっくりするくらい柔らかくて、このままずっと繋がっていたい気持ちになる。

 

「――は」

「ん……」


 心にかつてない程の名残惜しさを感じつつも、俺達は互いの唇を離す。

 それでも目と鼻の先……やろうと思えばまた何度でも出来ると思わせる距離のままだ。


「――どう、して……?」 


 菜々美さんが信じられないといった様子で呟くように尋ねる。

 信じられないといっても驚きはしても、嫌ではない……むしろ宝くじに当たったような突然の幸福に現実だと認識出来ていないだけだ。


 彼女の問いも尤もだ。

 散々二人のどちらかを選べないと言っていたのに、突然キスをされたのだから。


 ひょっとしたら、自分を選んでくれたのかという期待を抱いても仕方ないだろう。


 だから俺はその問いに答えるために彼女と目を合わせながら、まだキスの感触が残っている口を開く。




「――俺にも……解らない……」

「――え?」



 菜々美さんが再び驚愕の表情を浮かべるが、誠に残念ながら噓偽りのない正直な気持ちだ。


「その……菜々美が俺のことを好きにならなきゃよかったって言いそうになった瞬間、頭が真っ白になって……それだけは言わせちゃダメだって思ったら、体が勝手に動いていたんだけど……」


 そう、あのキスは何かを狙ったわけじゃない。

 頭が真っ白になってパニックになって、咄嗟に体が動いただけという、何とも情けない結果だった。


「え……えええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっ!!????」


 ようやく理解が追いついたのか、菜々美が絶叫を上げた。

 そして俺の顔を両手でバチンと挟み込んだ。


 痛い。

 でも当然の罰だと受け入れる。


「そそそ、それじゃあ何!? 全然答えの出てない今までの状態のままで私とキキキ、キスしたってことなの!?」

しょ()しょう(そう)にゅう(いう)ことになりゅましゅ……」


 お怒りご尤もだ。

 女性にとってファーストキスがどれだけ大事なものなのかは、よく分かるなんて迂闊に同意しちゃいけないくらい大事だとは把握していたはずだった。


 にも関わらず、齢十七歳にして二十歳の女性のファーストキスを奪ってしまったのだ。

 菜々美も俺のファーストキスを頂いてますよ、といっても全くイーブンじゃないし、責任の比重は10:0で俺が訴えられても仕方ない。


「はぁ~~~~……ファーストキスがあんな口喧嘩の果てだなんて……」

「す、すみません……俺も冷静じゃなったんで……」

「うぅ~~~~~……」


 顔を真っ赤にして涙目で睨んでくる菜々美を可愛いなと思いつつ、申し訳ないと謝罪を口にする。

 口では文句を言っているが、にやけそうになる口元を手で覆って隠している辺り、タイミング的に不満はあってもキスそのものは満更でもないと判る。


「いや、本当にすみませんでした……」

「……ねえ司くん」

「は、はい?」

「司くんは元カノさんとキスをしたことってあるの?」

「な、無いって……菜々美が初めてだよ」

「――そっか。ふ~ん、そーなんだ……」


 菜々美のファーストキスの相手が俺だったこと、俺のファーストキスの相手が自分だと解った彼女は、とても嬉しそうだった。


 先程までの暗く沈んでいた様子も、暴走する様子もないため、幸いにも彼女の余裕を取り戻せたらしい。


「菜々美は……まだ逃げたいって思ってるのか?」

「……うん。出来れば司君も一緒に……」

「……キスをしておいてなんだけど、やっぱり俺は菜々美と一緒に行けない」

「――っ」


 再度、彼女の誘いを断る。

 断るのもかなり心身を削られる……それでも俺は彼女と共に逃げる道を選ぶつもりはなかった。


「私じゃ、司くんの恋人になれないのかな……?」

「そうじゃない……あの時に言ったことと同じ理由だよ」

「あの時……?」


 思い当たる節がないのか聞き返す彼女に頷き、言葉を続ける。


「『逃げることでその人が本当に幸せになれるんならそうしますし、すぐに幸せそうじゃないって思ったら引きずってでも元の場所に連れ戻します』……正直、俺と一緒に逃げたところで菜々美が幸せになる気がしなかったんだ」

「そ、そんなことない! 私は司くんと一緒なら、ちゃんと幸せになれるよ!? だから――」

「いいや、絶対に無理だ」

「どうして!?」


 何故俺が無理だと断言するのか本当に分からない様子の菜々美を見て、俺は答えを勿体ぶることなく告げる。

 

「だって逃げたら菜々美は絶対に後悔するって思ったからだ」

「え……」


 後悔すると言われて、信じられないという風に目を見開いていた。

 

「い、意味わかんない……好きな人と一緒に居るために逃げたのに、どうして後悔なんて――」

「どうしても何も、菜々美は優しい人だからだよ。『自分のせいでゆず達に迷惑を掛けたんだ』って一人で罪悪感を抱えることくらい簡単に予想出来る」

「そ、そんなこと……」


 俺の確信めいた言葉に、菜々美は強く否定することが出来なかった。

 当然だ。

 俺はこの半年間でゆずと同様に彼女を見て来たんだから。


「幸せになるために出て行ったのに罪悪感を抱えて幸せになれないのなら、最初から逃げる意味がないだろ? だから、俺は菜々美と一緒に行けない。むしろ菜々美が逃げようとしたらどんな手を使ってでも俺の日常に引き摺り戻すよ」

「――っ!」

「逃げた先で不幸になるくらいなら、元の場所で幸せ暮らせるのなら、そっちの方が良いに決まっている。置いてきた人達に怒られたなら、許してもらえるまで謝ればいい……それだけ怒らせて、心配させたんだから……」


 それに、と俺は続ける。


「菜々美は何度も逃げるって言ってるけど、諦めるって一言も言ってないよな?」

「あ、諦めてるよ!? そもそも諦めていなかったら逃げようなんて言わないよ!」

「逃げることと諦めることは別だ。少なくとも菜々美はまだ諦めてない」

「諦めてるから、逃げるって言ってるでしょ!?」


 どうして、なんで、なぜ、自分を見捨てるだけでいいはずなのに、どうしても俺が逃がそうしないことに、菜々美の中で何度も疑問が浮かんでいるのが容易に分かる。


 キスをしたのに未だゆずと自分のどちらかを選べないくせに。

 はっきりと自分を好きだと言ってくれないのに。


 そんな男が諦めていないと口にする。


 傍から聞けばとんだ理解不能者だ。

 自分でもおかしいとは思う。


 もちろん、菜々美が逃げたくなる気持ちも痛い程分かる。


 唖喰は気持ち悪いし、怪我をしたら痛いし、絶滅出来ないしで、本当に嫌になる。

 

 出来るなら、自殺したり、記憶を消したい。

 もちろん、そっちの方が楽なのは百も承知だ。


 けれども、俺は逃げないし、逃がさない。

 俺は俺の日常のために、逃げることを選ぼうとする彼女を引き止める。


「理由も根拠もないわけじゃない」

「……何?」


 菜々美が逃げようとしても諦めていないと断言した理由……それは彼女の口から唖喰が絶滅出来ないことを知って、ゆず達がどうして戦うことを選んだのかを聞いて、一つだけ気になる疑問が浮かんできたからだ。


 それは……。



()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

「――っ!?」


 疑問を口にすると、菜々美はこれでもかと驚愕に目を見開いた。


 そう、菜々美が唖喰の絶滅不可を知ったのは、彼女の経歴的に俺がゆずと出会った頃と大差ないと推測できる。

 全く絶望しなかったわけじゃないだろう。

 それでも、彼女は唖喰と戦い続けて来た結果、俺は彼女と出会えた。


 もし本当に諦めているのだとしたら、今では明らかに遅すぎる。

 そんな疑問に気付いたからこそ、彼女は逃げても諦めていないと察した。


「それ、は……先輩が――」

「唖喰は工藤さんが一緒だったからっていう惰性で戦い続けられる程簡単な相手じゃない……戦闘経験の少ない俺でもそれくらいは分かるよ」

「ぅ……」


 言い訳を遮るようにして論破する。

 なんとなくで戦える程の相手なら、絶滅出来ないと知ったところで然程衝撃を受けるはずがない。

 

「本当の理由を知ったところで菜々美を軽蔑したりしない。その理由だって、その……さっきのキスが証拠みたいなものだ。まだどっちか決められなくても、二人とは切っても切れない縁で繋がってて、仲が良いんだって自負するよ」

「……」


 彼女が魔導士になった理由は少しだけ聞いたことがある。

 優秀な姉と常に比較されたことで、著しく低い自尊心を持つ彼女は、自分にしか出来ないことを求めて魔導士になった。


 だが、その世界でも自分より優秀な人は何十人といて、結局彼女の自尊心の芽が育つことはなかった。

 それでも工藤さんが手を引いて何とか戦って来れたことまでしか知らない。


 やがて、菜々美は観念したかのように大きく息を吐いた後……。 

 

「私……誰かの支えになれれば、ちょっとは自分を好きになれるかなって思ったの」


 ゆっくりと紡がれた言葉は、彼女の数少ない承認欲求を臆面も隠さずに明かすものだった。

 俺は静かに耳を傾ける。


「教師になろうと思ったのもそう。姉さん程じゃなくても勉強はある程度出来てたから、先生として働けば誰かの助けになれるんじゃないかなって……」


 それはある種のヒーロー願望だった。

 自尊心が無いからこそ、誰かのためになることに焦がれた。

 その感情は……ゆず達を支えたいと思った俺と同じだった。


 そう、同じだ。

 竜胆司と柏木菜々美は、誰かの助けになりたいと焦がれる点が酷く似ている。

 

「唖喰が絶滅出来ないって知って、一番に思ったのは『あぁ、まだまだチャンスはあるんだ』って気持ち……嘆くことも絶望することよりも先に〝安心〟したの」


 どうしてチャンスと思ったのか……。

 唖喰の数だけ被害があるということは、裏を返せばそれだけ誰かの助けになれるということ。


 そうした自分本位な考えをしたことも、彼女が自分を好きになれない理由なのかもしれない。


「人に頼られるのは好き……こんな私でも誰かの助けになれるって実感出来るから。司くんがさっき私にどれだけ助けられたのかって言ってくれた時は、悲しむふりをして悦に浸ってた……」


 こんなに卑しい性格をしているんだと、雄弁に語っていた。

 驚きがないといえば嘘になるが、失望する程でもなかった。


 そもそも、菜々美が戦う理由に期待していない。

 期待しているのは、彼女が戦い続ける理由だ。


 切っ掛けに拘っていたらキリがない。

 それはあくまで始まりであって答えじゃない。

 スタートを切って、険しい道を乗り越えて、必死になって辿り着いて今の彼女がある。


 俺はそこまで考えると、彼女の体を抱き締める。

 菜々美の体は細くて、ちょっとでも力を籠めたらガラスのように割ってしまいそうだと錯覚する程だ。

 鼻孔を擽る彼女の匂いも、密着する体に感じる柔らかさと心臓の鼓動も、全てが彼女という存在を肯定していると実感する。


「理由なんて、大袈裟なものより単純な方がよっぽど説得力があるよ。軽蔑するどころかむしろ、菜々美の本音が聞けたことが嬉しい」

「……っ」


 かつて鈴花が言っていた言葉を借りて伝えると、菜々美の体がビクッと震えた。

 構わず続ける。


「俺は、今すぐ菜々美の恋人になることは出来ないけれど、唖喰と戦う君を支えることは出来る」

「う……く……ぁあ……」


 声を震わせながら嗚咽が漏れ出る。

 彼女が俺を抱き締める力が強くなって、互いの体の間に隙間が無くなる。


「まだ時間は掛かるかもしれないし、菜々美の期待するようなものじゃないかもしれないけど、ちゃんと答えを出すよ。だから、逃げずに俺と……俺達と一緒に日常を過ごしてくれないか?」

「――ズルい……そんなの、断れるわけ、ない、のに……うあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


 菜々美は責め立てるような苦言を告げて、わんわんと大きく泣き出した。


 あぁ、本当にズルいな。

 好かれているのを分かっていて、告白された上で逃げないでくれなんて……。


 でも、俺にはもう菜々美のいない日常を過ごすことなんて考えられない。


 自分勝手だけど、その日常を守るためなら、いくらでもズルくなってやる。


 俺はそんな想いを胸に抱きながら、宥めるように菜々美の背中をポンポンと優しく叩いていった。


 ~~~~~


「ごめんね、私、年上なのに情けないこと一杯しちゃったね……」

「いえいえ、変に取り繕うより潔くて良いと思いますよ」

「む……ねえ司くん」

「はい?」


 色々あったが、ようやく立ち直った菜々美さんは、羞恥で顔を真っ赤にしながら迷惑を掛けたと謝罪をする。

 大して気にしていないと告げると、何やら不満気な表情を浮かべ出した。


「さっきまで〝菜々美〟って呼び捨てにして敬語が取れてたのに、どうして戻ってるの?」

「え、あ、それは……さっきまでは冷静じゃなかったというか、ちゃんと年上の人に敬語で話さないといけないですし……」

「私はさん付けせずに呼び捨てで呼んで欲しい。あと敬語もいらないからね」

「え、えぇ……」


 菜々美さんの妙な押しに思わず戸惑いの声が出た。

 やけに積極的に……いや、少なくとも好きな相手が自分とキスをしてもいいと分かったのだから、当然かもしれないけど……。


「私が気にしないって言ってるんだから、ね?」

「わ、分かり――分かったよ、菜々美」


 本人がそういうのなら仕方ないと折れて、名前で呼ぶ。

 そういえばこうして彼女の呼び方を変えるのはこれで二回目だ。


 なんだかんだでもうすぐ半年……ゆずと大差ない日にちを過ごしてきたもんな。


「……そういえば司くん」

「ん?」

「私も司くんに告白したことをゆずちゃんに報告するつもりだけど、キスされたことも言っていい?」

「いやいやいやいや、待って下さい。それは流石に内密にお願いします……」


 そんなことをしたらゆずに背中から刺される。

 今日はもうラウンドツーを生き抜く体力も気力も残ってません。


「えー……」

「えー……じゃなくて、そりゃ菜々美のファーストキスを奪ったこと自体は気持ちへの割り切りを抜きにちゃんと責任を取るつもりだけど、その報告をしたら今度はゆずが引き篭もるからな?」

「私は司くんのファーストキスをもらったから、おあいこだけどね」

「互いにファーストキスを交換したからそうなって当然だけど、ゆずを傷付けるようなことは極力避けたいわけで……」

「それだけどさ、もしゆずちゃんが私みたいに塞ぎこんでいたら同じようにキスしてたと思う?」

「へ?」


 もしゆずが菜々美みたいに塞ぎこんでいたら……?

 予想外の一言に、素っ頓狂な声が出てしまった。


 だが不思議とその可能性をまさかと捨てることはせずに、明確にイメージをしてみる。


 ゆずが塞ぎ込んだ時……一番予想しやすいのはベルブブゼラルの時か?

 話だけで聞いた戦いではあるが、ゆずはかなり憔悴していたらしいし、もし俺が無事だったらと仮定して考えてみる。


 ベルブブゼラルに勝てず、俺に誇れる魔導少女で居られないと嘆くゆずを立ち直らせるとしたら……。


 ……。


 ……。


「してた、かもしれない……」

「……ねえ、それって……」


 俺の答えを聞いた菜々美はまさかという風に俺にジト目を向けてくる。 


「いやそれは流石にありえないって……そうだよ、明日唖喰が絶滅するってくらいありえないって……」

「そ、それは言い過ぎじゃないかな……?」


 浮かんだ可能性に必死になってありえないと否定する。

 それでも内心否定して切れない根拠もあるのが現状だ。


 だって……そうだとしたら、二人の内の片方を選べないことにも納得出来てしまう。

 

「……と、とにかく一旦は保留ってことで」

「う、うん……」


 答えを先延ばしにするという、結局何の解決にもなっていない手段で以って、強制的に思考を切り替える。


 今は菜々美を立ち直らせることが出来たことを素直に喜ぶことにしたのだった。



ここまで読んで下さってありがとうございます。


次回は12月6日に更新します。


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