眷属
ん?
それは唐突だった。
弱々しい気配。
俺とユキ様、エネクロぐらいしか気が付かないレベルでか弱い気配。
しかし現在いるのは城塞都市。
俺とエネクロ以外の気配があったらおかしい。
「ジン様。どうなさいますか?」
『様子を見てこい。敵対心がないようなら俺のもとに連れてこい』
「わかりました」
エネクロはそう行って部屋から出る。
俺は机の上にある沢山の手紙を見る。
数にして数百枚。
これ等全てお見合いのお誘いだ。
俺、一応数百歳は超えてると思うんだが・・・魔人、魔物からしたら年は関係ないのかな?
「ジン様。敵意がないと判断したためお連れしました」
『ん?ご苦労』
いつの間にか部屋にいたエネクロの隣には小さな幼女が・・・って、
『エネクロ。ロリコンは罪だぞ?』
「ジン様。彼女は精霊です」
コクコク
うん。幼女も首を振っているのでそうなのだろう。
それにしてもこの気配・・・
『エネクロ、彼女もしかして封印されてるのか?』
「おっしゃるとおりです。多分聖国の封印かと思われます」
『ふぅぅぅん』
俺はそっと彼女に触れる。
バチィィィィィィィィ!!
『よし。これで解けただろ?名前はなんていうんだ?』
「え・・・う、うそ・・・神獣でも解けなかった封印を・・・。こ、この度は封印を解いていただき誠にありがとうございます!!わ、私の名前はクリューエル。水と闇の精霊です!!もしよければ私を眷属にしてください!!」
こうして新たな眷属が加わった。