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いつも通りじゃない異世界  作者: ムー
第1章 『いつもの世界と異なる世界』
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第7話:火の精霊 ポカサン

 火の精霊ポカサンを連れて、月日たちの元へ戻る小春。


 「ツッキー!!みんなーただいまーー!!」


 小春は月日たちのところへ戻ってきた。その様子をみて、剛は呆れていた。


 「ただいま!じゃねーよッ!どこ行ってたんだよッ!」

 「うーんとね、ポカサンとあってた!!」


 ポカサンって誰だ?とみんなの頭の上にハテナが浮かんでいた。


 「ポカサン!!こっちだよーー!!」

 小春は当然のようにポカサンを呼んだ。


 ポカサンの登場に、月日たちは呆然としていた。


 『我は、火の精霊ポカサン。主の名により、この世に具現化せしものなり。』


 「火の精霊?! 小春こいつはどうしたんだ・・・・?」

 当然の疑問を月日が問いかける。


 「うーんとね、見つけてたの!! 名前つけたらポカサンになったの!!」

 

 全然話がわからなかった。小春に詳しい説明を聞いても無駄だとわかり、

 ポカサンに直接聞くことにした月日であった。


 「うん。小春はもういいや。で、ポカサンとやらどう言う状況か説明できるか?」


 『よかろう。我は、四大精霊の一角 火の精霊じゃ。』




 四大精霊ってなんだよ・・・と誰もが思った。


 『四大精霊とは、火、水、風、土の4つの属性それぞれの頂点じゃ。』



 はぁ。またすごいの連れてきたな小春は・・・・

 

 「で、その四大精霊の頂点様がなんでこんなとこにいんだよ。」



 素直な疑問であった。属性の頂点である火の精霊がなんでこんなところにいるのか。


 『主によって召喚されてたらじゃ。我が召喚されたのは数千年もなかったからのう。こっちも驚いておる。』


 召喚って誰がしたんだよ・・・・と全員が疑問に思った。


 『我を召喚したのは、もちろん小春じゃ。』


 薄々気づいていた月日であった。そもそも小春が連れてきて名前までつけていたわけだし。

 逆に小春じゃなかった場合はさらに悩まなければならないところだった。


 そもそもなんで召喚にいったのかそこが一番の疑問であった。

 その経緯とこの世界の現状をポカサンに聞いてみた。


 「どうやって召喚されたんだ? 俺たちはこの世界のことを何も知らないからよかったら教えてくれないか?」


 見た目から異世界人と気づいていたポカサンはもとより話すつもりだったのか素直に頷いた。


 『我が、召喚された理由としては小春が放った魔法による魔力の凝縮が原因じゃ。』

 


 小春が放った魔法って・・・・あの小さい火の玉か・・・・?

 あんな小さい奴にどうやったら魔力が凝縮されんだよ・・・。

 そんな疑問に気づいていたのか、ポカサンは続けて答えた。


 『あの魔法自体の範囲はそれほど大きくなかったが、込められた魔力が異常値であったのじゃ。』

 

 ポカサンの説明によると、月日と比べて威力自体は大したことなかったものの、

 込められた魔力の異常値。つまり、濃度が大きすぎたとのことだった。

 濃度が莫大に多い魔法は、周りの魔素にも影響し、それを吸収していく性質があるらしい。

 それが原因で、4大精霊の一角である火の精霊をも召喚できるだけの魔力が出来上がってしまった。

 

 しかし、召喚された精霊は名前を授からないとこの世に具現化できない仕様になってるとのこと。

 名前を授けれるのはその魔力の持ち主だけと言うことで、主は小春であった。


 「やっぱり転移してきた人間ってのは異常なのか?」

 続けて、月日はポカサンに問う。


 『それは我にもわからぬ。この世界で転移者なんぞ初めてじゃからのう。』


 ポカサン曰く、俺たちが初めての転移者らしいが魔力の量からして異常らしい。


 「初めてとなるとわかんねーことが増えてきそうだな。まぁそれは少しずつでいいか。で、ポカサンこの世界についてはどうなんだ?」


 異世界にはだいたい、先駆者なるものがいるのが当たり前だと思っていた月日だったが、

 誰も知らねーなら仕方ないと後回しにした。そんなことよりこの世界についてだ!と

 速攻で話を変えた。


 『この世界。名をグランデル。大きく分けて5つの国が統治しておる。』

 

 ポカサンの話を聞いて、色々わかってきた。この世界の名前はグランデル。

 人間族、魔族、獣族、エルフ族、小人族によって統治されているらしい。

 多種族同士での争いはあまりないみたいだった。

 むしろ同種族同士での争いの方が多いといっていた。


 もちろん、多種族同士の交流はあるみたいで、多種族との結婚なんかも問題ないらしい。

 ステータス表示もみんなできて当たり前で、それをみて異常状態なんかを把握するみたいだった。


 「そういや、ポカサン。ステータスの職業や固有スキルってのはなんなんだ?俺たちみんな『???』になってるんだけどよ。」



 『職業は言うまでもなくそのもの役割みたいなものじゃ、固有スキルと言うのはその者限定の能力みたいなものじゃ。『???』になっている理由は我にはわからん。』



 職業は誰もが持ってる役割さして・・・固有スキルは限定スキルみたいなもの・・・・。

 何も解決してない・・・・。


 『もしかしたら、あやつならば何か知っておるかもしれん。』

 

 ポカサンは何かを思い出したかのように口にした。


 『確か、名をヌルゲネス。山奥に引きこもった宝獣じゃ。』

 「宝獣? そいつなんなんだよ!話せるのか?」

 『宝獣といっても人の形をしておる。知識を糧に生きている。』


 その後、ポカサンからヌルゲネスの情報を聞き、色々わかった。


 宝獣ヌルゲネス。元々は獣に近い存在だったが、膨大な知識を溜め込み

 人型に変化したらしい。今では精霊に近しい存在なんだとか。


 ヌルゲネスは知識を糧に生きているらしいが、その知識を食べるとかではなく、

 知識を共有するに近い。その知識から魔力を生成し、生存しているらしい。

 何やらものすごくエコロジーなやつだが、知識の量は莫大で知らないことはない。

 この世界の住人ならば誰もが知っている常識だった。


 しかし、みんなが知っていても、会うことができるのは、ほんの一握り。

 理由としては、ヌルゲネスが住んでいる場所に関係していた。

 ポカサンは山奥といったがそんじょそこらの山奥ではなかった。

 人間では絶対到達不可能な場所にいるみたいだった。


 そこを『絶空域』酸素濃度が極端に低く、人間ならば3分もいられない場所であった。


 『我も、絶空域は行ったことがないのでなんとも言えんがのう。』


 ポカサンもあまりわかってない場所らしく、新たに調査しなければならない項目が追加された。


 『まぁあれじゃ、ヌルゲネスならば何か知っているじゃろう。行く価値はあるぞ。』


 四大精霊の一角が価値があるってんだから、行ってみるしかねーだろうな。

 とりあえず、健吾さんに報告だな。


 月日はポカサンの話を一通りきき、健吾の見解を仰ごうとした。


 『そうじゃ!職業のことなら、ギルドと言うとこで何かわかるかもしれんぞ。』

 「え・・?ヌルゲネスは・・・・?」


 ポカサンの忘れっぽいのかなんなのか、今までのヌルゲネスのクダリどうしてくれんだよ。

 月日は多少、苛立ちを覚えたが素直に聞き返した。


 「なんでそこだと職業についてわかるんだ?」

 『この世界の住人が職業を授かる場所だからじゃ。』

 「・・・・それは先に言おうな。 まぁいいや、とりあえずヌルゲネス含め健吾さんに報告で!」


 月日は完璧に呆れたが、ヌルゲネス自体もなんかの役にたつかもしれないと思いまとめて健吾に

 報告しに行った。


 

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