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いつも通りじゃない異世界  作者: ムー
第1章 『いつもの世界と異なる世界』
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第5話:スキルの使い方?

 翌日、月日たちは周辺警戒を行っていた。


 「なんで俺が提案したスキル調査じゃなくて周辺警戒なんだよ・・・」


 月日は自分で提案したことができないことに、ふてくされていた。


 「仕方ねーだろッ!魔物と接触したのは俺たちだけなんだからよ。」

 「そうだよ!!ツッキー! あとで交代できるんだからさ!!」



 とりあえず、魔物と接触していた月日たちメンバーを筆頭に

 戦闘系スキルを持った者たちが編成されていた。


 戦闘系スキル保持者は全部で78名。基本的に、1隊4人で編成されている。

 全部で19隊になっていた。


 そこで、最初は魔物との戦闘経験のある月日たちと戦闘スキルをもつ2隊が

 周辺警戒を行っていた。


 周辺警戒部隊は基本3隊で行い、19隊でローテーションしていく形になっていた。



 「ちぇ!つまんないな! というか、警戒しながスキルの調査すればいいんじゃね?」

 「まぁ、少しならいいと思うがよ。スキルに集中しすぎて警戒を怠ったら話になんねーぞッ?」

 「わかってるよっ!軽く調べるだけだって!」

 

 月日が文句を垂れるので、剛は少しだけならという条件でスキル調査を許可した。


 「ツッキー!! 見てみて!! なんか出た!!」

 

 小春がふと月日に話しかけてきた。

 手からは、小さい火の玉のようなものが出ていた。


 「おぉぉぉぉ!! これって魔法か?! どうやったんだよ!!」

 「小春テメェ。なに勝手にやってんだよッ!」

 「だってー! 暇だったんだもん!! でね、なんかイメージしたら出たの!!」



 小春は月日同様に、スキルに興味心身だったため、勝手にスキル調査を行っていた。

 小春の話では、火のイメージを行ったところ『なんか出た!』ということだった。


 「はぁ・・・もう勝手にやってくれッ!でも警戒は絶対に怠るなよッ!」

 「「はーい」」


 こいつらの自分勝手は今に始まったことじゃないと思い、諦めた感じで剛は許可した。


 「白川くんも大変だね。楽しそうでちょっと羨ましいけど。」


 剛に話かけたのは久里浜 千秋であった。

 昨日から月日と同じ隊へいるのは当たり前なのだが、剛にとっては全然当たり前ではなかった。

 意中の人物が平然と自分に話しかけてきたのだから。


 「い、いえ! 全然大変じゃないですよッ!いつものことですからッ!」

 「うふふ。でも大矢くんがあんなにテンション高いの初めてみたわ」

 「そ、そうですねッ!でもあいつが夢見た異世界ですから仕方ないですよッ」

 「そうなんだね でももはや別人? あれが素なのかもね」


 2人はそんな月日の変化をあまり気にしてはいなかった。



 「うりゃーーー!!!」

 「おぉ!!! ツッキーすごい!!」


 そんな2人をよそに、月日と小春はスキルの調査をしていた。

 月日は小春に言われて通り、イメージを行っていた。


 月日の手には意味がわからないほどの大きさの火球が出来上がっていた。


 「おいおい・・・何やってんだテメェッ!!」

 「いや。小春に言われた通りイメージしてみたらこれが出来上がったんだよ。」

 「出来上がったじゃねーよッ!どうすんだよッ!それッ!」

 「そんなのイメージしたら消えるだろ。えいっ!・・・・・え?」



 月日の思惑通りには行かず、火球は消えなかった。

 小春の手にも小さい火の玉が残ったままだった。


 「消えないや! てへ☆」

 「てへ☆ じゃねーよッ!どうにかしろッ!」



 イメージして消えないなら使って消滅させるしかないと思った月日は、『投げた。』


 ドォン!! ゴォーーゴォーーーゴォーー!!!!!!!!!!!!!!!

 月日の投げた火球は遠方の森に着弾し、凄まじい火力で一瞬のうちに森を消滅させた。



 「あ・・・・これはやばいな・・・・」


 月日はさすがに、ことの大きさにやばいことをしてしまったと心の中で反省した。

 火球は広大に広がる森の一部、半径2kmほどを消滅させていた。


 「ちょッ!! お前何やってんだッ!!」

 「ツッキー!!スゲェーーーー!!」

 「大矢くん・・・これはさすがに・・・」



 突然の爆音に周辺警戒を行っていた人々が集まってきていた。


 「おいおい。なんだよこれは・・・・」「何が起こったの?!」



 皆、困惑して当たり前であった。目の前で森が消滅しているのだから。

 ことの次第をみんなに説明した月日。


 「という訳で、こうなりました。」


 魔物の襲撃だと思っていた一行はただのスキル調査だったことを知って安堵した。


 

 全然、ただのスキル調査ではない。森を消滅させているのだから。

 一行も異世界にきてまだ混乱しているのか魔物でないとわかると、持ち場に戻っていった。


 「月日・・・とりあえず健吾さんに報告だな。」

 「そうだね・・・これは言い訳しようがない。」


 

 とりあえず、月日たちはことの次第を健吾に報告すべく戻ろうとした。



 『キュイン!』


 月日たたちが戻ろうとしていたところ、変な音がなった。


 「月日?またなんかしたかッ?」

 「いやいやいやいや!なんもしてないよっ!」



 すると月日から音声のようなものが発せられた。


 『レベルアップしました。ステータスを表示しますか?』


 どうやらレベルアップしたらしい。とりあえずステータスを表示した。


 『ステータス』

 【 名 前 】 オオヤ ツキヒ

 【 年 齢 】 26

 【 職 業 】 ???

 【 レベル 】 31

 【 体 力 】 6120

 【 魔 力 】 6000

 【 攻撃力 】 6500

 【 防御力 】 6300

 【 俊敏性 】 6050

 【 スキル 】 武人力 魔術力 全属性魔法:炎の化身 全異常耐性

 【固有スキル】 ???

 

 なぜか大幅にレベルアップしていた。

 どうやら森を消滅させたことにより、そこに存在していた魔物を倒してしまったらしい。



 「月日。それも健吾さんに追加報告な。」

 「はいはい。」


 追加で報告することも増え、健吾の元へ向かう。


 「その前に、小春!その手の火どうにかしてこいッ!」

 小春の手にはまだ小さな火の玉があった。


 「そだな!!忘れてたよ!! えいっ!」

 小春はまるでその辺にゴミを捨てるように火の玉を投げた。


 月日ほどではなかったが、会社の一部が溶けてなくなっていた。


 「その辺に捨てんなッ!」

 「てへ☆ごめんね☆」


 

 火の処理も済み、健吾の元に向かう一行。




 一行が去ったあと、小春の火の跡地から何か蠢くものが存在していたが

 一行は知る由もなかった。

 

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