第4話:ステータス
犬型の魔物の襲撃に会い、なんとか?撃退した月日たち。
月日含め、一行は状況を整理していた。
「なぁ?月日!そのステータスてやつはみんな出せるんだよな?」
月日が戦闘の際に出現させたステータスという画面に疑問を問いかけた剛であった。
「うん!多分みんな出せるんじゃないかな。この世界の人なら基本的なことだと思うよ!」
さも当然かのように月日は答えたが、それが基本的なのかはよくわかっていなかった。
一般的な人が表示できるかわからないけど、異世界転移してきた人なら出せると思っていた。
「じゃあ、ちょっとやって見るかッ!」
剛は月日同様にステータスというものを表示して見せた。
「ステータスッ!!」
『ステータス』
【 名 前 】 シラカワ タケル
【 年 齢 】 27
【 職 業 】 ???
【 レベル 】 1
【 体 力 】 2800
【 魔 力 】 50
【 攻撃力 】 3600
【 防御力 】 3700
【 俊敏性 】 1000
【 スキル 】 武人力 武人の極み 防御の要 全異常耐性
【固有スキル】 ???
「おッ!出たぞ!」
剛も月日同様にステータスが出現した。
「月日と比べると、俺は肉弾戦向きなのかッ?!」
「そうだね。魔力は低いけど、他は俺とあまり変わらない感じだね。」
そもそも、この世界での基準がわからないので、強いのか弱いのかわからないでいた。
まぁでも、異世界人はだいたい強い!というのが月日の考えだった。
「まぁでもよ、職業とか固有スキルとか『???』になってるからまだわからないことだらけだぜッ」
「そうだよな、色々調べて見ないとな。」
小春と千秋にもステータスを表示してもらった。
「「ステータス」」
『ステータス』
【 名 前 】 ハシモト コハル
【 年 齢 】 26
【 職 業 】 ???
【 レベル 】 1
【 体 力 】 1000
【 魔 力 】 3800
【 攻撃力 】 2000
【 防御力 】 1200
【 俊敏性 】 2800
【 スキル 】 魔術力 魔術の極み 魔素の心得 全異常耐性
【固有スキル】 ???
『ステータス』
【 名 前 】 クリハマ チアキ
【 年 齢 】 26
【 職 業 】 ???
【 レベル 】 1
【 体 力 】 1000
【 魔 力 】 4000
【 攻撃力 】 800
【 防御力 】 1000
【 俊敏性 】 3200
【 スキル 】 魔術力 回復の極み 聖女の教え 全異常耐性
【固有スキル】 ???
月日、剛同様2人もステータスが表示された。
スキルは全体的に違いがあるが、基本的にだいたい同じような感じだった。
『???』も2人と変わらずだった。
「若干のステータスの違いはあるが、基本的に同じ感じだな。」
「そうだな!使い方もよくわからんし、色々調べて聞こうぜッ!」
まだわからない部分が多いが、月日たちはとりあえず健吾に報告することにした。
「健吾さん 色々発見したので報告しにきました!」
「おぉ、月日!悲鳴が聞こえたが大丈夫だったのか?」
「はい。それはなんとか。とりあえず、ステータスって言ってもらっていいですか?」
健吾からしたら何言ってるかよくわからないが、見てもらった方が早いと思い、
早々に健吾に伝えた。
「ステータス!」
【 名 前 】 ヒラサカ ケンゴ
【 年 齢 】 31
【 職 業 】 ???
【 レベル 】 1
【 体 力 】 2000
【 魔 力 】 2200
【 攻撃力 】 2800
【 防御力 】 2400
【 俊敏性 】 1800
【 スキル 】 武の心得 武器特性 指導の先駆 全異常耐性
【固有スキル】 ???
「ん?! なんだこれ!!」
月日は、今までの経緯を説明した。
「んで、異世界特有の何かってわけだな? というか魔物って!大丈夫だったのか?!」
「はい。ステータスについてはわからない部分が多いですが、魔物は倒しました!」
「おう・・・全然理解できん。」
それはごもっともなのだ。
ステータスだけでも理解し難い上に、魔物なるものの襲撃、理解できなくて当たり前である。
「それも見た方が早いと思うのでついてきてください!」
「おう・・・・・」
全然話の流れについていけない健吾であったが、そんなの御構い無しに健吾を
誘導する月日であった。
ほどなくして、先ほどの犬型の魔物が死んでいる場所へ到着する。
「これが魔物ねぇ・・・・これって普通にいんの・・・?」
健吾の疑問にさも当然のように月日は答えた。
「はい。多分普通にいると思いますよ!異世界ですし!」
「そ、そうか。ってお前このこと知ってだろっ!なんでもっと早く言わないんだ!」
はい。ごもっともです。異世界転移に浮かれすぎて忘れていたなどと絶対口にはできない。
「いるかもと思っていただけで、本当にいるとは思ってはいなかったため、あえて言いませんでした。」
普通に嘘である。
「まぁ、いるもんは仕方ない!襲って来るんだったらこのまま、ほおって置けないな。」
「そうですね・・・とりあえず調べて見ましょうよ!」
月日は自分が忘れていたということをとりあえず回避し、魔物を調べることにした。
とりあえずは明日予定されていた周辺調査は中止となった。
倒した魔物を社内へ運び調査することとなった。
「よーし!みんな社内に入ったな!会社の鍵をロックし、シャッターも全部下ろせ!」
安全第一を考え全員を社内に移動させ、シャッターも全て降ろさせた健吾。
今起きたことを皆に説明した。
「という訳で、外には魔物なるものが潜んでいるため、全員一箇所に集まってもらった!」
周りからは困惑の表情が溢れていた。普通の考えて当たり前の状況である。
平和な世界からきた者が、突然襲って来る魔物という存在に困惑しない方がおかしい。
ステータスや、魔物のことをあらかた説明し終わり、際ほど月日が倒した
魔物の死骸をみんなの前に出した。
「これが魔物です。」
月日が魔物の死骸を披露するよ、皆の困惑の表情がさらに悪化した。
「社内にいれば、シャッターもしまっていますし安全だと思いますので落ち着いてください。」
「まぁ、困惑する気持ちはわかるが、この魔物自体は大した強さはないらしい!」
月日と健吾が一応の安全性を説明し、少しは皆も落ち着いたようで静かに話をきく
姿勢に入っていた。
「という訳で、月日の話では攻撃を当てたら死んでしまったようなので今のところはそこまでの脅威ではないだろう!」
異世界の知識は多少持ち合わせていた月日だったが戦闘経験など皆無に近い。
その月日が一撃で倒してしまったのだからそこまでの脅威ではないというのが
健吾の見解であった。
先ほど説明した、ステータスも社員全員が表示できることを確認していた。
能力的には皆、1000〜2000程度のパラメーターだった。
スキルも似たり寄ったりだったが、主に、鍛治の心得や、生産の心得、精密加工、など
なぜが戦闘系スキルではなく生産系スキルだった。
転移してきた社員578名のうち、500名ほどが生産系スキル。
戦闘系に至っては78名ほどしかいなかった。
「使い方もよくわからないからな・・・」
「それでは明日はスキルの調査とかでいいんじゃないですか?」
「そうだな・・・」
健吾が現状もよくわかっていない中、月日がスキルの調査を提案した。
魔物の存在もまだよくわかっていないため、明日は交代でスキル調査と
周辺警戒を行うことになった。