表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いつも通りじゃない異世界  作者: ムー
第1章 『いつもの世界と異なる世界』
3/7

第3話:大事なこと忘れてた

 辺りも暗くなり、異世界転移初の夜が訪れた。


 「はぁー食った食った!さすが大企業!非常食もちゃんと完備されてるとはさすがだ!」

 「そうだねー!当分食料とかには困りそうに無いね!大企業様様だよ!」

 

 社内には大量の食料、水、生活必需品などがあった。

 月日が言うように、さすが大企業2000人を越える社員を非常事態ように賄う為に用意されていた。

 量から計算すると異世界での生活に10年ほどは余裕で耐えられる量であった。


 「おい!お前ら明日も調査に出るからあとでブリーフィングするぞ!」

 「へいへい。」「はーい!」


 社員たちも転移してから時間が立ったことにより、数人編成で何隊かに分けて

 調査に出ることになっていた。



 「なぁ?小春さんや」

 「なんだい?月日さん」

 「剛さんがやけに気合が入ってるんじゃが、どうしてかのう?」

 「それはのう、千秋ちゃんにいいとこ見せたいからじゃろう。」

 「それは面白いものが見れそうじゃのう!」

 「そうですな、月日さん」「楽しみじゃのう小春さん」

 「「うおふぉふぉふぉふぉ」」


 月日たちのチームは本日と同様、剛と小春。そして千秋が加わることになっていた。

 そのことによって剛がやる気になったのをみて、月日たちはジジババ風に楽しんでいた。


 「遅れてごめんなさい!平坂さんと話してまして。」

 「い、いえ!こちらも休憩していたところですのでお気になさらずッ!」

 

 千秋の登場に俄然やる気が出てきた剛であった。

 そんな光景をみて思惑通りと楽しんでいる月日と小春。


 「それじゃあ!ブリーフィング始めるぞ!」

 「はい!よろしくお願いします!」

 「「うおふぉふぉふぉふぉ」」

 「おいッ!ジジババ!」


 ゴツンッ!剛からゲンコツお見舞いされた月日と小春。


 「はい。すいません。」「すいません。」


 調子に乗りすぎたと反省する二人をよそに、ブリーフィングが始まった。

 内容としては本日と然程変わりはない。周辺捜査及び、異世界の実情の調査だ。


「まぁ!そんな感じで本日同様の調査を行っていく!」

「はい!よろしくお願いします!」「「はーい。」」

「それでは以上!明日に備えて皆、しっかり睡眠を取るように!」


 なぜか、リーダーっぽくなってる剛。まぁやる気になってるし、いいかと思う月日。



 「キャァァァァァァァァーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」


 当然の悲鳴に困惑する月日たち

 悲鳴の主は千秋であった。すかさず月日たちが近寄ると

 そこには犬型の生物が数匹群がり、今にも襲いかかろうとしていた。


 「あっちゃー異世界で一番大事なこと忘れてわ。」


 魔物:異世界には当たり前のようにいて、当たり前のように襲ってくるモンスターである。

 月日は異世界転移に浮かれて一番大事なことを忘れていた。


 「そりゃモンスター絶対いるよね・・・異世界だもの。」

 「もっと警戒するべきだった!食料なんかよりよっぽど大事だったじゃねーかッ!」

 

 月日が忘れていたことは論外だが、他の社員からして見ればモンスターなんて

 存在していると思う方が不思議であった。何せすごく平和な世界からきた連中なのだから。


 「起こっちまったことは仕方ないッ!月日!どーする!」

 「どうすると言われてもな・・・・戦い方なんぞ知らん。」

 「はぁ?お前異世界に憧れてたんだろッ!なんかねーのかッ!」

 「うーん・・お!異世界といえばやっぱ魔法だろ!それにスキル!」


 思い出したかのように口にした月日であったが発動方法など知る由もなかった。


 うーん。異世界小説だと確か・・・ステータスだったか・・・

 それが表示できるはず!


 「ステータス!!」

 月日が叫ぶと目の前に若干透けている板みたいなものが出現した。


 『ステータス』

 【 名 前 】 オオヤ ツキヒ

 【 年 齢 】 26

 【 職 業 】 ???

 【 レベル 】 1

 【 体 力 】 2000

 【 魔 力 】 3200

 【 攻撃力 】 3100

 【 防御力 】 3000

 【 俊敏性 】 3050

 【 スキル 】 武人力 魔術力 全属性魔法 全異常耐性

 【固有スキル】 ???

 

 でた。けども?どう使うんだろうか・・・


 「おい!月日なんか出てるぞ!どうすんだよッ!」

 「知らん!どうしよーー!」

 「知らんじゃねーよッ!なんとかしろよ!」

 「うーん・・・・ファイア?」

 

 何も出なかった。


 「なんも出ないよーーー・・・メラ?」


 何も出なかった。


 「くそ!こうなったらやけくそだぁぁ!」

 「「「えっ・・・?」」」


 皆が唖然としているのも当然である。

 月日は何を思ったか、魔物の群れに飛び込んで行った。


 「くそ!死ね!犬ーー!!」

 「「「えっ・・・?」」」


 皆が呆然としている中、月日はデタラメにパンチやキックを繰り出していた。


 キャゥン・・キュン・・・キャン・・・・

 なぜか当たった。奇跡的に当たったのはいいとして、当たっただけで犬型の魔物は生き絶えた。


 「「「えっ・・・?」」」


 月日以外の3人はもう何が起きているのかわからない状態だった。

 こうして月日の見事な活躍?によって危機を脱したのである。


 「見たか!犬!これが異世界人の力だぁ!!」

 月日だけはものすごい自慢げであった。


 「おい!月日大丈夫か?」

 「うん。なんか無我夢中だったけど倒せたよ!うん。」

 「そっか・・・よかったな・・・」


 よくわからない状況の中、よくわからないまま解決してしまった。

 

 


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ