エピローグ
エピローグ
出立の朝は、にぎやかだった。
学院であいさつしたエイザは、
「あんたらが休学してふらふらしてる間に、アタシはめっちゃ研鑚つんで、巨万の富を生む魔法道具を発明してやるんだから!1年後を見てなさいよ!」
と宣言した。
ナーリェが「本当に1年でそんなものが出来たら、私が研究を深めてコスト削減案の1つ2つ出してやるよ」とからかうと、
「よぉっし、その言葉忘れないうちに契約書にしてやるわ!そうだ、ついでにチャトムはその商品の取り扱い説明書を5カ国語に訳すのよっ!」
と猛烈な勢いで手持ちのレポート用紙にそう書きなぐり、
「ココ、拇印推しなさい、ほらっ」
と誓約をもぎ取ってしまった。
リーンはリーンで、宿屋を訪ねると
「もうアパート引き払ったんだから、来年は、ウチの宿を利用しなさいね!もう予約とっておくからねっ!」
と無理やり予約台帳に、カイの名前まで控えさせた。
なお、そこに到達するまでに、大通りの屋台群からひっきりなしに声がかかり、餞別と称する商品の押し付けで、チャトムは荷物に埋まってしまっていたりする。
そして。
サジェイルは、いつもの総長室で、相変わらず穏やかな笑みを浮かべながら、言った。
「いってらっしゃい」
――と。
チャトムとナーリェは、カイについて歩いていたが、ティルバイの街を一歩出た瞬間に、申し合わせたように同じタイミングで振り返った。
浮遊都市は、初めて訪れたときと同じ威容で、その中心部を中空にたたえている。
もっとも、あのときは花の香りがした風は、すっかり緑の薫る初夏のものだ。
魔法の最高峰、魔法士たちの聖地。
ほんの少し前まで自分も立っていたそこを、2人は仰ぎ見、声をそろえた。
――いってきます!
<<The END and Beginning....>>




