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プレゼント  作者: lycoris
9/13

ロストメモリー2

「うぅ…」

なんとも体が重い。

体中に傷があるが、明らかに傷のせいではないほどの返り血が体中を真赤に染めていた。


近所の住人を殺した。


ハッキリとした確証はないが、感覚はある。

自分で自分を制御出来なかったせいだ。

意識もあったが、だいぶ興奮していたのか、ほとんど記憶に残っていなかった。

だが、抵抗によってくらった傷と、体中の返り血、そこに転がる原型がとどまっていないほどの遺体が証明していた。


今日は何だかおかしい。

それ以上の事は、もう既に考えられなくなっていた。


その先は、行く先すらわからず彷徨うだけだった。

そして、気がつく度に目の前には原型のない死体が転がっていた。

思い出してみても、その遺体の人物と正面で出会ったことだけだった。

そして、体の赴くままにその人物に攻撃し、血肉を喰らった。

気がつく度に、返り血で段々と、体が酷く真赤に染まり、腹が膨れていた。

今は既に自分の意志で出会い頭に人を襲い、喰らっている。


もう、周りに人の気配がなくなって、深紅と言っていいほどに返り血を浴びすぎた体に、やっち意識が戻った。

「うぷ!!お、おぇ…」

視界に広がるグロテスクな光景とむせ返るような生臭い血の匂いに思わず吐き気を催した。

すぐさまにその場から体を引きずりながら離れた。

移動の際、周りを見ないようにし、血の匂いが染み付いた手で鼻と口を抑えた。

少し離れた所で体から力が抜けて、その場に倒れこんだ。

意識はあるが、体が動かないようだ。

しばらく休憩しよう。

意識はハッキリではないがある。

未だに体から臭う血の匂いに耐えつつ、「本当に自分がやったのか」と考えていた。

罪悪感などは皆無だった。

意識がないのだ、仕方が無い。などと、考える内にそろそろ血の匂いに耐え切れなくなってきた。

それに喉も渇いたから、川に向かうとした。

この村の周辺の唯一綺麗な川に、あのサンタと出会った川に向かうことにした。

体も少し回復したようで、手間取ったが体を起こし、引きずって川を目指した。


途中で人っ子一人すら会わなかった。

それが、「意識が無いから」か「あの時で既に全員」かは分からない。

だが、川はもう目の前だ。


流れるのはせせらぎの音を奏でる綺麗に澄んだ川。

周りの雑草が揺れ、音を引き立てる。

そんな村1番の綺麗な川に、今1番の会いたい人物が立っていた。

「見つけたぞ‼︎」

自分でも驚くくらいにドスの聞いた声が出た。しかし、実際はうめき声をあげ近づき咆哮しただけだった。

だが、その人物はまったくもって怯んですらなかった。

むしろ、平然と笑っていた。

それはもう、全世界の子供達にプレゼントをあげて回っているサンタクロースのような笑顔だった。



遅れてすみません。

もっと早く投稿したかったですが、私情がだいぶ忙しくなって遅れました。

急いだのでいつもより短めになってしまいました。


もうすぐ最終回です


後書きが長くなってもあれなので、

ここまで読んでいただきありがとうございました。

贈り物ももうすぐ更新します。

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