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プレゼント  作者: lycoris
6/13

覚醒

居間に入る前に、母に呼ばれた。

「飯だよー、起き「うるさい」

呼ばれてる途中に戸を開けた。

「うわっ」

急に現れたのに驚いたようだ。

「もう、起きてんなら早く食べなさい。」

「言われんでも」

椅子に座り、机に並べられた料理の中から何を食べるか選んだ。

が、手に取り口を入れようとした時、昨日の出来事あフラッシュバックした。

「あ…ぁ…」

口に入れるのをやめ、もとあった食器に戻した。

「え?」

母が驚嘆の声をあげる。

「今はいらないや。」

椅子から立ち上がり部屋を出ようとした時に「あんた、何かあったのかい?」

呼び止められた。

「なんにも」

戸を開け居間を出る。

「そんなはずないじゃな

声を遮断する様に戸を閉めた。

そのまま自室に戻り、荷造りをした。

元々倒れた状態を運び込まれただけなので、すぐに終わってしまったが。

だから、早く食べること以外の事を考える為に外に出たかった。

部屋を出て、玄関に向かう。

玄関には母が居た。

「また旅に出るの?」

余計な心配をされているようでイラついた。

「うるさい…」

「忘れ物は無いね?」

「うるさい」

「たまには帰ってきてね」

「うるさい!」

「ちゃんと…ご飯は食べるんだよ…」

やっとどいてくれた。

靴を履きドアに手をかけると後ろで母が「元気でね」と小さく手を振っていた。

これにより、自分の中の理不尽な怒りが頂点に達した。

「あああああ!!」

発狂し、怒りを母にぶつけた。

振り向きざまに突進し、拳を強く握り殴った。母は吹き飛び床に倒れた。

「クソッ!クソッ!!」

拳をさらに強く握り締めながら、母に歩み寄った。

母は立ち上がり、こちらに向かってきた。

気づかなかったが母の目つきが変わった。

お互いの距離が縮まったところで、こっちから殴りかかった。

が、拳を振りかざす前に先に頬にビンタをくらった。

「ッツ!」

勢いが止まってしまい、お互いそのまま動かなかった。

「こっちは心配してんだよ!」

「分かってるよ!でも、それがムカつくんだよ!昔から何度も言ってるだろ!!」

「それでも、心配なんだよ!私はあんたの母だから!!」

「うるせえよ!母親ズラすんな!」

「母親だから母親なりに心配するのは当たり前だろ!!」

もう一発ビンタを食らった。

よろけて尻餅をついた。

「チッ…」

頬を摩りながら舌打ちした。

「あんた本当に一体どうしたのさ?おかしいよ」

「うるさい…」

頬を摩りながら呟くように言う。

「なっ!」

これにより母のボルテージが更に上がったら

しい。

自分でも何言ってるか分からなかった。

ただ、口が先に反論していた。

おかしいのは自分の方だって分かっていた。

否定されたら反論出来ない。だから『うるさい』としか言えなかった。

そんな自分が惨めで、母親に諭されてる自分が惨めで仕方なかった。

だから、否定されるのは至極不愉快だった。

母が胸ぐらを掴み

「あんたは昔っからいい加減にしなさい!」

振りかぶる。

「うるせえええ!!!」

思いっきり怒鳴り、腕を振りほどいた。

そして、振りほどいた腕を離さず、自分の方に引き寄せる。

その勢いのままに殴った。

またも吹き飛ぶ。だが、今回は勢いが違い、先ほどよりも少し遠くに倒れた。

口が切れて流れた血を腕で拭き取る母。

当然、視界も少し狭まる。

その隙に走ってのしかかる。

マウントを取り、これでもかと体重を載せ両膝で母の両腕を押さえつける。

腕に気を取られた隙に殴る。

顔面を容赦無く。何度も、何度も。

段々、抵抗が弱まっていくのを感じた。だが、そんなの御構い無しに殴り続けた。

「ああああああああああああ!!!」

絶叫しながらに。

何故だろう、何で泣いているにだろう。

何で涙が止まらないんだろう。

考えるうちに段々と殴る勢いが止まってきた。そこで始めて、母が既に抵抗をしてないのが分かった。そして、いつの間にか笑顔になっていたことも。

どうしてこの状況で笑っていられるんだ。

「なん…d…な…んで…だよ…」

立ち上がり、おずおずと離れて言った。

そして、台所から包丁を取り出し、戻ってきた。そして、動かない母親に包丁を突き刺した。

何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

「うああああああああああああああああああ!!!!」

もう何も考えられなかった。

ただただひたすらに動かない母親に包丁を突き刺していた。


最後、包丁が床に刺さる感触がした後、その後の記憶はあまり覚えていない。

いや、ハッキリと覚えているものなんてなかったのかもしれない。

この記憶も勝手に補正されたもので、実はもっと酷かったかもしれないし、はたまたその逆なのか。

だが、事実なのは、母親が殺された いや、『母親を殺した』ということだけだ。


気がついた時、目の前には、

所々肉が剥げている遺体。

周りには飛び散った血と肉片。

そして、

一丁の包丁が母親だろう遺体に突き刺さっていた。

一方、自分はというと、

顔中にまで飛び散った血を浴びていた。

手には肉片を持っていた。


ここまでやるのか?

まるで自分が自分でないようだった。


目の前に広がる残酷な景色はまるで信じられないもので、思わずその場を逃げ出した。

「うえ!うぐぅ!ぅぅぅ……」

走りながら冷静を装いさっきまでの景色を思い出し、吐き気がしてきた。

「ウプっ!…お、オ!おえぇぇぇぇぇえ」

耐えきれず、思わずその場で吐いてしまった。

「ウグ!!うぇ…オエェ」

考えないようにしても、そんなこと出来る筈もなく、余計に思い出してしまう。



ようやく落ち着き、少し離れた場所に座り込んだ。

吐き気が収まると、河原を目指した。

早くこの血を洗い流したい。

その一心で、河原に向け歩き出した。


あの河原に

遅れました!すみません!

何とか明日までに完結出来るように頑張ります!

とにかく夏休み中に終わらせたいです!


宿題、お前はどっか行ってろ、そして帰ってくるな。

テスト、お前もだよ!



ってことで、ここまで読んでいただきありがとうございました。

それでは

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