表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
プレゼント  作者: lycoris
10/13

ラストファミリー

「ほっほっほ、見つかったか。

いや、やっと来たか。」

こちらを睨みつけながら唸るそれに返答した。

ううぅぅ…‼︎

「ほっほっほ、そんなに唸り声をあげてどうした?

それより、この前わしがやったプレゼントはどうじゃったか?気に入ったか?」

うぅぅ…‼︎がああぁあっぁ‼︎

「ほっほっほ、そうかそう

おっと、危ないじゃないか。」

飛びかかって来たところを躱す。

ぐるぅ!があぁっ‼︎

「まあ、まあ、落ち着けよ。どうどう。

それで今度はここに何しに来たんだ?」

うぁああ‼︎ぐっぅ‼︎

「なんだ、そんなことか。」

うああああああ‼︎

「何を言っておるか分からんな。」

拳を鳩尾にお見舞いした。

ガアッ⁉︎

「両方の意味で分からんな。

それよりも、おぬし、これを見てみろ。」

殴られた鳩尾を抑えながらこちらを睨むそれに手鏡を見せた。

案の定それは、すぐさまにこちらの、『手鏡』に向かって飛びかかって来た。

が、これも躱す。

しかし、油断をしていたせいか、ギリギリのところで手鏡を弾かれた。

「っ!痛いのお。しかし、意外な反応、いや、予想の範囲内の反応だな。」

それは、こちらの話を聞かずに、地面に弾かれた手鏡に夢中で、手鏡に向かってかじりついたり、殴りかかったりしていた。

そうしているうちに手鏡は、脆くも割れ散った。

うおおああああ!!

「はっはっは。これはこれは。思わず笑いがこぼれるな。しっかし、効力は抜群だな。こいつはいい。」

それは、割れた鏡で血が流しながら、なおも叫び声、その咆哮を大きくしていった。

うああああああああああ!!!

「おー、うるさいのお。仕方ない。

ほれ、お前さんの探しものはそこじゃ。」

親切にも、その咆哮を遮るように指を指した。

わざわざ自分で指を切って、血を指した方向に勢い良く向ける。

当然、指から滴る血は勢いに流され、指した方向に飛ぶ。

だが、そのおかげで咆哮をあげていたそれが、指した方向に意識が向かった。

「お前はこっちだ。」

川を指さす。

つられてそれも川を覗き込む。

そして、それは再び咆哮をあげる。

だが、今度はこっちに向かってではなく、川に映る自分にだった。


その後、それは、川の水をもの凄い勢いですくいあげていた。

いつしか、水しぶきの音は止んで、今度は肉が剥げるような生々しい音がした。

そして、血の匂いが辺りを充満していく。

なおも音は続き、咀嚼する音までも。

それにより血の匂いも。

「哀れよのう。まさか、ここまでとは。

いやはや、お前もお前の母も残念だったな。」

だんだんとその音も間隔が長くなり、そして最後には、それが微かにあげた最後の叫び声が聞こえた。

あぁっ…!あ…!うぅあぁっ…‼︎……

「本当に残念だ。だが、目的は達せられた。これでお前も役にたてるのだ。いいだろう?」

さらに肉が剥げる音をたて、

最後に俺は後ろ背に自分の子供に、

「すまなかった。許されないのは分かってる。それでも、巻き込んですまなかった。」と言い残し、少し重くなった袋を背負い、最愛だった妻子を残し、自分が生まれ育った村を後にした。



「さあ、これからだ。」

約1ヶ月ぶりの更新です。

遅れてすみません。

最近だんだんと忙しくなってきましたが、そろそろ安定しそうです。

おそらく今後の更新は木〜日のどこかになると思いますが、ほとんどは私のやる気です。

出来るだけがんばります。


今回は主人公視点ではございません。

前書きに書こうかと思いましたが、ネタバレになるので、やめました。


次回更新は贈り物の更新後になります。

ここまで読んでいただきありがとうございます。それとお待たせして申し訳ありませんでした。


それでは



次回で、最終回です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ