ナインイレブン妄想部支店 久藤シフト
PM10:10
「わり、遅れた! あれ? ナベちゃんじゃない……今日ケースケだったっけ?」
「おー、ちょっと交代。っつかぎりぎりだなー」
「ちょっと寝坊。っち、さとちゃんもミクロちゃんもいねぇし」
「お前が遅刻するからだろ。もう上がったし。ほら、早く着替えて来いよ」
「わり」
「ぶっ! お前寝癖ついてっけど」
「マジで? まぁいいや。寝癖ついててもイケメソだから!」
「……さー検品するぞー」
「突っ込めよ! あ、リニューアルしてる。これ食った?」
「食った食った。おろし竜田は定番だろ。旨いよなー」
「え、まだなんだけど。今日廃棄出たら回して」
「オッケー」
「よし終わり!」
PM11:00
「カズキ先輩!!」
「ん?」
「きゃぁ! 本当にいたぁ! ママに連れて来てもらって良かった!」
「こんばんは」
「こんばんは! 皆に自慢しちゃぉ~! カズキ先輩 写メ撮ってもいいですか?」
「いいよ」
「ありがとうございますぅ! あ、じゃあこっち来て下さい」
「ん、この辺り?」
「もうちょっとくっついて♡」
「こうかな?」
「いいかも♡ じゃあ撮りまーす! はい、ちーず!」
「どう?」
「ばっちりです! ありがとうございました♡」
「どういたしまして。気を付けて帰ってね」
「はい!」
「………………………………大サービスだな。肩まで抱いて」
「いいだろ」
「女子高生か……」
「おう。うちの大学エスカレータ式だから、今だに女子高生のファンがいる」
「眩しいな」
「あ、そういえばその女子高生に合コン頼まれてるんだったわ。参加する?」
「しねーよ」
「んー、スギとツネとノッポとナベちゃんとユーキで5人か」
「微妙な面子だなー」
「まぁたぶん、ほとんど乗らないだろうな。声だけ掛けてみよう」
AM0:00
「今日返本は?」
「んー、お、少ないぞ、ラッキー」
「っと、客だ」
「よろしくー」
「……あ。おい、あの子だ。お前レジ行けよ」
「……おー」
「おかえり、いいなー、あの子かわいいよな。絶対お前に気があるし」
「お前も来てただろ、後輩」
「それとこれとは別モノ!」
「ふーん」
「何、お前、あんなかわいい子に興味ないわけ?」
「ない、かな」
「えー、女に興味ないの?」
「今はない」
「え、お前ガチなの?」
「違うわ」
「あー良かった、安心した。偏見ないつもりだけど実際目のあたりにするとな」
「違うから」
「おっと、そろそろ弁当廃棄するか」
「そうだな」
「よし、これ廃棄だな」
「これもだ」
「っし、キタ。これキープな」
「はいはい。でも油すごくねー?」
「大丈夫だって、おろしだもん。つかもう一個何にしよう」
「二個食いかよ」
「え? お前一個で足りるの?」
「まー、大盛なら」
「今日大盛の廃棄ないぞ」
「んー、じゃーこのミニサイズパスタとこっちの幕の内は俺のね」
「了解」
AM1:30
「本来たぞー」
「へいへい」
「お。月刊出た」
「お前それ好きな」
「うん。中国拳法っていいよな」
「……でもやってるのはボクシングと」
「それはそれ、これはこれ。柔道もいいよな、ノッポ黒帯だってさ」
「………………」
「最近エロ本の入荷増えたな」
「確かに。店長の趣味だろ」
「あー。特にコレな」
「俺店長とは趣味合わない」
「同じく」
AM4:00
「お疲れ様でーす」
「っすー、よし、検品するぞ」
「はいよ」
「今週の新商品、微妙だなー」
「そうか? いいじゃん、お好み焼きパン」
「ええー……」
「甘いパンよりおかずパンがいい」
「俺メロンパンがいいわ。クリームサンドのメロンパン」
「ない。ないわ」
「旨いのに……」
「そもそも甘いもん苦手だし、辛いもんのがいい」
「勿体ないなー」
「いいよな、どっちも好きって」
「あ、新聞来た」
「行って来る。パンはよろしくな」
「はいはい」
AM5:30
「んじゃお先ー」
「あれ早上がり?」
「うん。6時から前田さんじゃね?」
「あー木曜か」
「そ。じゃーな」
「あ、」
「ん?」
「あのさ」
「何?」
「俺、一姫のことが好きなんだわ」
「……へぇ。趣味悪いな」
「そんなことないと思うけど」
「自分で言うのもなんだけど、私、女らしさの欠片もないじゃん。口悪いし、ガサツだし、大食いだし、背高いし」
「一緒にいて楽しいし、趣味も話も合うし、背は一応俺の方が高いじゃん」
「……ありがと。……私も好き」
「…………ッ」
「…………何か言えよ」
「今の笑顔、反則だろ……」
「は? ……ぎゃあ! 抱きつくな! カメラうつってっからあぁ!!」
……END
昔読んだしゃべくり探○という小説を目指そうとして失敗しました。今の久藤の精一杯。いつか必ず……!