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12-6

これが最強故の魔王と名指しされる由縁かと変に納得し、その小さな手のひらから黒いバラを彷彿させる黒い雷が花開き、僕の顔面に投げられた、僕はかわすことが出来ずもろに食らってしまい少しの間眩暈がしたが他の痛みはなかった。気が付いたら地面に寝ていた、魔王を見ると急速に自己再生したせいかその痛みに悶えていた

「ねえ、もうやめないか?」

僕の問いかけに魔王は咆哮した、痛みもあり先ほどよりは弱かった

「うるさい!母様の恨みをここで晴らす!」

魔王は黒龍に乗り炎を吐かせ、ハインがまた幕を張り、戻ってきたカインが油断した魔王の側頭部をハンマーで打ち付けた、辺りは瘴気で満たされた、僕はくらくらと眩暈が激しくなった

「ああ、くだらねえな」

僕の口から僕が言ったとは思えない言葉が発せられた

「トウリさん?」

バニラ姫が僕の様子を見に来たが、何か異変があったようで後ずさりしている。僕の首元に亀裂が入りそこから黒い霧が発生されていた

「トウリどうしたんだ」

ルクトが駆け寄ってくると僕の首元は完全に裂けてしまい、そこから大量の霧が出たかと思うと急速に吸引していった、霧に触れた者が次々に息絶えて行った

「魂を吸っている!みんな固まれ!」

ルクトはローブでみんなを隠し、リッカー達も円陣を組むように力強く踏ん張っている、魔王は胸に手を当てながら魂を持っていかれないように耐えていたが、足元の黒龍は魂を抜かれ地面に落ちてしまった

「トウリさんやめてください!」

バニラ姫がローブの隙間から訴えかけてくるが僕の意識はもうそこに無かった、何人も倒れ次第に生き残っているのは僕らだけになってしまった、吸引する威力は更に強くなり、みんな留まっているだけで精一杯になっていた

「そうか、分かったよ」

その時ルクトがみんなに掛けていたローブをはぎ取り、僕の目の前にやってきた

「僕の生まれた意味が分かったよトウリ」

するとローブを広げ僕に近寄ってきた、その足取りは力強く僕の吸引する力にはなびかないようだった

「君を殺すことが僕の役割だったんだ」

そう言うとルクトは白く光りだし、その光が僕の裂け目から流れ込んでくる

「やめろ・・・ルクト」

僕は何とか声を出すことが出来たが最後だった、僕は破裂し、城は崩壊してしまった

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