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12‐5

僕は意識が朦朧とした、どちらが地面か分からないほどに体が揺れている、息をしているのかすら分からない。僕の体からはまた黒い煙が流れ出ていた、この手から大事な宝石が砂のようにさらさらと零れ落ちているような感覚に溺れている。その時ルクトが僕の肩に手を置いた、僕がそちらを見ると力強い視線を向けた真面目な顔のルクトが居る、こんな表情初めて見た

「さあ俺を殺せ!」

魔王が叫んだ、魔王を見ると泣きそうな子供の顔をしていた。以前会ったとき魔王は死ぬことで完全体になると言っていた、それは危険なのではないかと思考が巡る

「君は僕が守る」

僕は荒い息の合間を縫うように言葉を出した、これは僕の今の意思と相反している気がしているが、魔王も人間の勝手でこの世に生を受けた、その場に居た僕が後継人になるべきなのだろう。だが体からの煙が止まらない、これは僕の感情を表しているかもしれない

「勝手なことばかり言いやがって!」

魔王が僕に指を指し、黒龍が口から火炎の息吹を吹いた、僕は剣をかざしたが後ろから杖が伸びてきて目の前に見えない幕が下り、炎は僕らの周りを焼いた。杖の先を見るとハインが震えた手で小さく呪文を唱えていた

「おじさん、私も戦えるよ」

ハインの震えた声に合わせ、フィアちゃんが高くジャンプし魔王に拳を掲げた、その拳は魔王に届く前に黒龍のしっぽに弾かれ地面に落ちた

「黒龍は俺に任せろ」

カインがそう言いハンマーをぐるぐると回転させると反動でハンマーこど飛び、黒龍と共に窓の外に飛び出した。ハインが呪文を唱え落ちた瓦礫を浮かせると、魔王も残った片手で同じ呪文を唱えた、力比べをしている様でその力は圧倒的に見えた。あっという間に瓦礫は僕らの方向に飛んできた、僕がその瓦礫を剣ではらい落とすとルクトが人差し指を指し指先から雷を放出させ、魔王に直撃させた、唸っていた魔王は直ぐに立ち直り口笛を吹いた。途端窓から再び黒龍が現れ黒い炎を辺りに撒き散らしルクトがまた水柱を出し炎を消してくれる、その隙に僕は水柱の影に隠れる様に移動し、魔王の頭上から飛び上がり大剣を振りかぶった。魔王もこちらに気付いた様で無い腕でこちらを牽制してきたかと思ったら、腕の切れ目から新たな腕が生えてきた

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