11-9
カインが隊員を次々なぎ払い僕は隊長と対峙した、僕は剣を投げてしまっていたので急いで取りに走るが隊長も凄い速度で迫ってきた、落ちていた岩を隊長が投げてきて僕はかわすが岩の後ろから連続で鉄拳が飛んできて手で払い除けるが、その一打一打が重く腕が痛くなってきた、僕はダメ元で大剣に手を伸ばした
「こっちに来い!」
その時服の裾から黒い煙が出たかと思うと、僕は大剣の場所に瞬時に移動していた、状況が分からず当たりを呆然と眺めていると隊長が兵の剣を手に襲ってきた、僕はそれを見ずに大剣でなぎ倒し首元に剣先を向けた
「戦いたくないんだよ」
僕がそういうと隊長は剣で腕を狙ってきたので、首元に当てた剣を刺した、隊長の首は飛び辺りが静かになった気がしていると耳鳴りがした、僕はじっと見渡しているだけだった
「トウリさん!」
バニラ姫の声が聞こえそちらを見ると兵に襲われていた、弓だと接近戦に弱いのだ。痛いとこ突いてきたな、と思っているとまた黒い煙が動線に現れ、僕はバニラ姫の前に移動していた。バニラ姫が目を丸くさせている間に周りを一周走り波動で兵を切り倒した。
「トウリ・・・さん?」
バニラ姫が唖然としているとカインの方も苦戦していたのにそこに行こうとしたが、ルクトが危機的状況なのも見えた、ルクトは水を素早く噴出し剣のように兵を切っていったがきりがないようだ。僕はルクトの前に出ると大剣をばぎ払い黒い煙が辺りを埋め尽くし、煙が風に流されると同時に兵は倒れて行った、素早くカインの所に飛んでいくと、同じように黒い煙を出しながら兵を切って行った
「トウリ、その技は何だ」
カインも驚いているが、僕は耳鳴りがひどくあまり聞き取れなかった。まだ奥に兵が残っているが戦線離脱しているのかただ茫然と立っていた
「これ以上は僕たちに構わないでくれ」
僕はそれを言い残すとみんなを集め龍に乗った、こんな国もあるんだな、とぼうっとしていた
「トウリさん大丈夫ですか?」
バニラ姫の声も何だか遠くに聞こえる、そうこうしていると僕は気を失ったようで、目が覚めたのは三日たっていて西の国の近くまで来ていた
「あれ?僕こんなに寝てたの?」
「トウリさん記憶はございますか」
「なんの記憶?何かあった?」




