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「本当にごめんなさい、僕力が把握出来てなくて、逃げるなら誰かと一緒が良いよね」
「僕に出来る事をしようか」
僕の言葉にルクトが立ち上がり、こんもり盛り上がった土に手を突っ込んだ。中から針うさぎを掴みあげ、またいつかの様にうさぎに歌う様に囁いた、するとうさぎは赤く燃え上がり、小さなサイクロンになったかと思うと白くて可愛らしい龍が生まれた
「詫びの品だ、コイツを共にすると良い」
「雷に巻き込んだり色々したからね」
少女は龍を受け取ると、抱きしめた
「お兄ちゃんも私も名前が無いの、でも私この子の事ワーナーって呼ぶね、私もいつか誰かから名前貰う」
「良いじゃない、きっとその人が生涯の大切な人になるね」
そうこう話していると、嫌な気配がするので皆立ち上がった、少女にはそのまま立ち去るよう言って利かした。少女は反対側へ走り出した途端、藪の中から先程の兵と同じ鎧をきた大群が現れた
「天の龍の腸も見てみたいものだ」
隊長らしき男が声高らかに発した、僕らが普通の冒険者じゃないと知っていて襲ってきたようだ、隊長が槍を投げルクトが風邪で槍や後から来た矢を跳ね除けた、僕が大剣で地面を撫でる様に振り払うと剣先の通った地面がえぐれた、その上からカインがハンマーを振り炎の扇が当たりを尽くした
「化け物どもが!」
隊長が突進してきた、他の兵も一緒なので僕は走り出し地面を蹴った、飛び上がり上から隊長の頭を狙うと隊長は鉄腕で受け止めた、それなりに重たい一撃を食らわせたつもりだったので驚いた。僕は跳ね返され後ろに飛んだ、それをカインが受け止めルクトが雷を地面に這わせ何人か倒れた、後ろから来た上等兵らしき人が飛び上がりルクトに切りかかったので僕が横から剣を刺したが避けられた
「僕らを何だと思ってるんだ!敵じゃないぞ!」
「勇者御一行だろ?俺たちは認めてねえ!俺たちからしたら賊と変わらねえよ」
「僕たちのこと知っていて攻撃しているの?」
ルクトが僕の肩をポンと叩いた
「仕方ない、一国が宣言したからと言ってほかの国も同意したわけじゃない」
「でも僕戦いたくない」
上等兵が地を這うように迫ってきた、僕は大剣を盾にすると上等兵の剣先が曲がり僕の腕を切った、僕はすかさず上等兵を蹴り上げ大剣を投げ腹に突き刺さった、背後からバニラ姫が矢を打ってくれて傷は跡になった




