11-7
僕たちは逃げる算段をとったが、茂みから出てきた兵が静止してきた
「私達はあなた方に危害を加える気はありません、その少女を捕まえてくれませんか」
そう言われ少女を見ると緑の龍に乗り今にも飛び立ちそうだ、そこにルクトが水を放ち、その水は壁になったかと思うと少女を包み込み球体になった
「何だこれ、放せ!」
少女が中で暴れているのか水の色がくすんだ色になってきた
「この少女はどうなる定めなんだ」
意気揚々と茂みから出て少女の周りに集まった兵にルクトが質問した
「公開処刑ですかね、実験用の龍を連れ出した罰です」
「実験って何を調べているんだ」
「それは機密です」
その言葉にルクトは眉をひそめた
「奴隷の龍だと聞いたが」
「元は奴隷商から購入しましたが今は違います」
「何を研究しているんだ」
この問答に水の中から声が聞こえた
「こいつら国全体で麻薬造ってんだ!龍の能力を奪う麻薬だよ」
「あの噂の出どころはお前たちか?」
ルクトはゆっくり兵を見ると兵たちは剣を構えた
「知らない方が良いこともある」
「僕たちは場荒らしでね」
そう言うとルクトはその場の全員に雷を浴びせた、水の中の少女も食らっているのか中から悲鳴が聞こえる
「ルクト!二次被害出てる!」
「お、まあお灸だね」
雷を終うと兵たちは立ち上がり逃げ出した
「天の龍が居るとは聞いていなかった!」
「天の龍ではない」
兵の言葉にルクトはムッとしていた
「中の女の子大丈夫かな」
僕の言葉にルクトは水の球を破裂させた、中から気絶した少女が転げ落ちた
「この子は見逃そう、だが龍は無しだ」
そう言ってルクトの指示でバニラ姫の弓を緑の龍にあてた、すると表皮の緑が徐々に青色に変わった、龍は首を下げ挨拶したかと思うとどこかへ飛んで行った
「この子が目覚めるまでは側にいてあげよう」
僕らは再び食事の用意をした、目が覚めた少女にも分け与えた
「なんであたしなんかに」
「お兄さんのこと本当にごめんね」
「いいよ、実の兄弟じゃないから」
「でも君は大丈夫じゃないでしょ?」
僕がそう言うと少女はわんわん泣き出した、今まで奴隷商に売られていて、兄と慕っていた少年とあの龍と一緒に逃げ出したとの事だった




