11-5
僕らは岩の龍に乗り再び西の国へ目指していた、魔王を発見した報告をする為だ。途中見晴らしの良い平原に降り昼食を取る事にした、マクダビン王から貰った食料を調理する
「ラフィアを見失ってしまったけど良いのかな?」
ルクトがつまみ食いをしている時に質問した
「ああ、黒龍がラフィアのところに行ったなら場所は分かるよ、黒龍の居場所は何となく感じる」
「え!凄いね、そんなパワーあるんだ」
「パワーというか」
ルクトは苦笑いしている
「龍同士電波みたいなものを出してると聞いたな」
カインがネギを刻みながら言った、バニラ姫が関心したような顔をしている
「なにか悪さをするまではただ見守っていよう」
「でも僕アイツの顔みたらまた手をだしちゃうかも」
僕がムスッとして言うと、3人は苦虫を噛み潰したような顔で微笑んでいた、何故かは分からない。その時遠い茂みから緑の龍に乗った2人組が現れた、1人はドクロの仮面を付けている、僕らに気付きどうしようかオロオロとしている
「どうかしましたか?」
僕が大声を出すと2人組は驚き飛び去ろうとしたが、仮面の人が龍から落ちてしまった、龍はそこそこ大きな体のためダメージはありそうだ
「大丈夫?」
僕は急いでその人のところに駆け寄り起こし上げた、すると仮面の人がその仮面をずらすと、肌の濃い少女が現れた
「すみませんごめんなさいわざとじゃありません」
突然怒涛のように謝るので僕も土下座した
「なにが何だか分からなくてすみません」
「あのーそこの街の人では無いんですか?」
「え?はい旅人です」
「良かったー」
少女は遠くから眺めていた片割れに手を振った、その人も戻ってくると肌の濃い少年だった、龍は怪我をしているのか血が流れている
「私達密猟に捕まっているこの子を助けて逃げるところだったんです」
そういうので龍をよく見ると何か文様が描かれた焼印を押されていた、龍もどことなく怯えた様に見える
「大変でしたね、ここに居る間は僕らが援護します」
僕が薬草を彼女に渡しているとルクトがその薬草を叩き落とした
「君たちこの龍を逃がしてどうするつもりだ」
「どうって一緒に暮らしてもいいし好きなところで暮らしていいし」
そこでカインが前に出た
「お前たち龍の遺伝子泥棒じゃないか?」




