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僕らは1晩寝て朝旅支度をした、その時お母さんとお父さんがルクトの家にきた、僕は無視しようかどうしようかたじろいだ
「トウリ、昨晩はごめんね」
「僕も取り乱しちゃって」
「仕方ないよ、でもあんたも音沙汰もなくいなくなって、元気にしていたのかい?」
僕は久しぶりの母親に胸が熱くなり抱きしめてしまった
「お母さん、この村が龍の密売しているって本当?」
「ああ、分かったのね、まああまり隠していないしいづれは知るよね」
「え?」
「龍はね、冥の龍のエゴで生きているだけで人間にとっては害獣なのよ、だから殺してもいいの」
「でも龍の中には人間から龍になった人もいるよ?それは人間なのか龍なのか判断できなくない?」
「どっちでもいいのよ、人間の心が弱いから龍になるんでしょ?じゃあその骨を売っても文句ないでしょ」
「え?」
僕は初めて見る母親の顔に唖然とした
「お前は見込みがある、親方さんに頼んでまた弟子入りしろ」
お父さんが僕の背中を叩いてきた
「え?やめないの?」
「何をやめるんだ?」
僕は急いでその場を離れた、龍の所まで走りわんわんと泣いた、そこにルクト達も追いつき背中を撫でてくれた
「僕だって最初は害獣だと思ってたよ!だけど共存できるって知ったから!僕は!」
「新しい国を作るんですよね」
バニラ姫はその胸に僕を抱きしめてくれた、カインは頭をポンポンと撫でてくれる
「魔物たちが本当に適切な教育で害のない存在となるか見極めよう」
ルクトはそう言って手を差し伸べてきた、僕は頷きルクトに手を引かれて立ち上がった、その時黒龍がのそりと起き上がり突然と空へ飛んでしまった
「どこに行くんだい?」
僕の問いかけなど聞こえないかのように素早くいなくなった、黒龍は暫く飛んだ先の魔王の所に目指していた、ラフィアは突然のことに身構えたが、何かが通じたのか両腕を広げた
「どうしたんだこんな所まで、勇者のにおいがするがアイツの龍か?」
龍は何も答えづただ顔をこすり付けていた
「愛らしいな、お前俺に付いてくるか」
ラフィアの提案に黒龍は跪いた
「礼儀も知っているようだな、だが勇者を裏切った罰は与える」
そう言って龍の首に爪を立て三本の傷を負わせた




