11-3
バニラ姫がルクト達と一緒に駆け寄ってきた、ルクトは僕の前に立ちはだかり両手を広げている
「何事なんですか」
「アイツが魔王だ」
僕の言葉に皆ラフィアを凝視した、ラフィアは宙に浮き電気を手から放出している
「この場は一旦無しにしないか」
「何がだ」
ルクトの提案にラフィアは電気をこちらに向けて放出した、ルクトは風を作り電気がこちらに来ない様にした、その風の中からメイド達が現れルクトに切りかかったがルクトが地面に手をかざすと木の根がメイド達を捕らえた、僕はその隙に飛び掛ろうと体を起こすとカインに止められた
「こんな街中で暴れたら被害が増える!」
僕はそれを無視して手を薙ぎ払い飛び上がった、がルクトの風で押し戻された、ラフィアも手が出せない程の強風なのか目を手でガードしている
「くそぅ!次会う時はソイツ連れてくるな!」
ラフィアはそう言うとどこかへ飛んで行った、メイド達も後に続き走り出した。しばらく後、お母さんとお父さんが僕に駆け寄って声を掛けてくれたが、僕は答える事が出来ずルクトと家へ戻った、ルクトのベッドで涙を流しているとルクト達も戻り頭を小突かれた
「人のベッドで泣くな、せめてソファーへ行け」
「でも、ルクト、僕悔しくて」
「ソファーへ行け」
わんわん泣く僕をルクトは引きずり敷かれた布団に寝かされた、僕の首からはもう煙が出てなく、僕は呆然と考え事をしていると、皆寝支度が終わり布団に入った
「村が崩壊したのを責められるかもしれない、明日朝早く出よう」
「今は寝ることに専念すべきですね」
「寝て良いのか?」
周りが呑気に思えて僕はポツリと言った
「僕の考えてる魔物の王国って、夢物語だったのかな」
するとカインがコツンと僕の頭を叩いた
「そんな事言ってないで寝ろ」
その時ラフィアもまた涙を流していた
「俺のお父さんとお母さんになってくれるって言ったのに、息子が勇者かよ」
「陛下私達が復讐致しましょうか」
「やめろ!一時でも俺の親だったんだ」
ラフィアは涙を止める事が出来ず両腕を濡らしていた
「ちくしょうちくしょう、人間なんて滅んでしまえ、淡い期待もたせやがって」
「しかし優しい方達でしたね」
「お母様なんで死んだの」




