十-6
城の教師にハインを任せ、僕らはテラスで休んでいた、フィアちゃんも一緒だ
「青空教室の件は大臣達を何とか納得させる事が出来たが西の国限定だ、やはり他の国までは難しい」
「やっぱりそうですよね、僕らが地道に旅をして教えていかないといけないですよね」
そこでマクダビン王がカヌレを僕の口に詰めた
「それよりも、東の国で魔王らしき人影を見たと報告があって、それを先に確認して貰いたい」
「魔王?」
「まだ確定の話ではない、あくまで噂だ」
僕らは互いに頷き答えは決まっていた
「行きます」
「ハインはどうする、こちらで引き続き預かることも出来るぞ」
「あまり離れると僕らの事分からなくなるかもしれないから連れて行きたいな」
「戦えないと不安だな、預けた方が良いだろう」
この意見は分離し、国王の提案により預けることになった
「それとお前たちの龍だが最近様子がおかしいから一度顔を見てやれるか」
僕らは水龍の所に行くと、龍は僕らの顔を見た途端暴れだした、他のメンバーが手を出しても何ともないのに僕の手には噛みついてきた
「どういう事だ?これじゃあ乗れないな」
「龍無しで東の国に行くのは大変だな、他に手立てを考えよう」
「アドロンさんの龍はどうですか?」
「岩の龍ならいけるんじゃないか?」
僕らはアドロンの龍に近付いた、少し抵抗されたが水龍程の嫌がりは無かった
「これなら何とか行けそうだな」
その瞬間水の龍が僕に噛みつき牙が腹に深く刺さった、すると水の龍は牙から徐々に黒く染まり倒れてしまった
「トウリ大丈夫か!」
「うう〜痛い〜」
「今手当てします」
バニラ姫が矢を打ってくれて腹の傷は治った、傷は治ったが痛みは引かなかった、すると水龍が目を覚まし水色だった体が黒く変わり僕の腹に擦り寄った、途端腹の痛みが収まった
「なんだったんだ?」
「水龍が黒龍に、どういう事なんでしょう」
「この龍も呪われたと言う事か?」
「凶暴では無いな」
僕らは三者三様の面持ちで状況が理解出来なかった
「暴れない以上このままでいるしかないな、僕も何も出来ない」
ルクトは手を揉み痛みを感じて居るような仕草をした、何が起こったのか分からないみたいだ、その時黒龍は涙を流し、その涙が固まり宝石になった




