十‐5
早速カインたちはマクビダン王に連れられ議会室に向かった、僕たちはいつものテラスに移り談笑した。その時僕の大剣がカタカタと震えた
「もうその剣は呪われているな」
ルクトの一言に僕は机を強く叩いた
「ミスリちゃんに何てこと言うんだ!」
「何を言っている、分かっていたことだろう」
ルクトの冷静な一言に僕は落ち着いた
「そう・・だった」
僕はバニラ姫に肩を撫でられ大丈夫ですよと言葉を掛けてもらったが、気分が優れず宿に泊まった、バニラ姫が城に残りルクトがついてきてくれた
「気休めかもしれんがお祓いをしておこう」
ルクトはそういって僕の上で手を払った、少し気分がよくなり肩が軽くなった気がする、だがミスリちゃんの影が消えた気がしなかった、僕はベットで眠ると二晩も眠ってしまっていた。机の上にメモ書きがあり城へ着くと広間にみんなが揃っていた
「トウリ起きたのか、よかった前より顔色がよさそうだ」
ルクトが珍しく微笑んでいる、マクビダン王がエルフの赤ちゃんを僕に渡してきた
「トウリが起きたら命名式をしようと話していたんだ」
「命名式?」
「その赤ちゃんに僕が名前つけていいといったろ」
「そうだった」
僕はルクトに近づき跪いた
「この子の名前考えたんだけど、これしかないと思ってね。この子を見つけたのはカインだ、カインの名から貰いハインと名付けるよ」
ルクトは赤ちゃんの額に手を置くと、赤ちゃんが光だし徐々に大きく少女になり肌が黒くなった
「ダークエルフになりましたね」
「ダークエルフ?」
バニラ姫の独り言にみんなが耳を向けた
「童話に出てくる闇魔法を使うエルフです」
「あー」
ハインは大きな声を上げた、僕はハインを抱き上げた
「ほーらハイン、この人が名づけのパパだよー」
ルクトに近づけるとルクトはハインの手を握り
「大きくなるんだよ」
と声を掛けると、ハインは更に大きくなった
「ルクトさんが望むと大きくなるんですね」
バニラ姫が感心しているがこちらはパニックだ
「だーれ?」
大きくなったハインが僕を指さしてきた
「え?っと僕はーおじさんかなー」
「カインはパパだな」
「じゃあバニラ姫がママか?」
「私には心に決めた人が」
「そういう堅苦しい方のママじゃなく」
「わーかーらーない」
ハインが泣き出しめちゃくちゃな状況になった




