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十-3

僕が目覚めた頃には全て終わっていた、兵は惨殺されガレットは息絶えていた

「どうしてガレットは死んだの?」

「毒です、私は傷を癒す治癒しか出来ず、毒があっという間に周り間に合いませんでした」

バニラ姫が酷く暗い顔をしている

「みんな、みんな僕のせいだ」

「トウリしっかりしろ、この事も予測しなきゃいけなかったのは皆同じだ、僕らは経験不足なんだよ」

ルクトが肩に手を置いて励ましてくれる、僕は死体を見てまた嗚咽したが今度は吐けるものもなく嗚咽を繰り返すだけだった

「トウリ、もうその剣は捨てないか?おかしくなってるぞ」

ルクトの提案に僕は初めてルクトを殴った

「そんな事出来るか!親に見放されたミスリちゃんを僕がまた捨てる訳にはいかない!」

僕はその場にうずくまった

「僕を殺してくれ、僕を殺してミスリちゃんと一緒に葬ってくれ」

「トウリ!やっぱりお前おかしいぞ!」

「ガレットの事守ってやれなかった!僕のせいなんだ!」

そこでフィアが何か手話をしてきた、僕らはある程度は習ったが全部は分からなかった

「おそらくだが、獣人もまた龍と同じ様に骨や肉が滋養強壮に良いと都市伝説で狩られたんだろう、だから避けられない運命だった、と言っていると思う」

カインはお婆さんからある程度習っていたので通訳してくれた

「どいつもこいつも人間は腐ってるな!」

僕は大剣で兵の死体を突き刺した

「トウリ、今死体撃ちをしたのか」

「え?僕、そんな事」

「やっぱりおかしいぞ!しっかりしろトウリ!」

「トウリさん!貴方は平和な国を作るとおっしゃいました!志強く思って下さい!負けてはいけません!」

バニラ姫が僕の両腕を掴んだ、僕は僕じゃなくなる感覚に震えた

「ともかくフィアだけでも城に連れて行こう、国王が直々に命を発令してくれたら変わるかもしれない」

僕はトウリに引っ張られ馬車に乗せられた、頭の中が乾燥したドングリみたいにグラグラ揺れている、途中何度も嗚咽をしたが腹の中は空っぽで何もでなかったガレットの遺体も一緒に運んだ

フィアは申し訳なさそうに僕の汗を拭いてくれた、フィアを守らないと、仲間も僕から守らないと、ここで終わらせる訳にはいかない、まだ始まってもいないのだから

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