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十-1

あの後墓を作り僕たちは西の城に戻る事になり、何人か志願者を募った、ハンクの女の子が志望しその付き添いにうさぎ耳の青年が来ることとなった

「言葉の喋れない異種族なんか簡単に潰される」

と言っていた、他の子達は人間を信じきれないと言い付いてこなかった、ミミちゃんを守れなかった事が響いているようだ、だがうさぎ耳の青年はそれ以上の事は言わせないようにしてくれている

「お婆さんはどうする?」

僕の質問にお婆さんは笑った

「まだまだ手のかかる子達が居るからね、ここに残るよ」

僕達は猿虎の馬車に引かれ西の城に向かった、行きと違い帰りはぎゅうぎゅうだった

「君たち名前はなんて言うの?」

「この子はフィア、おれがガレットだ」

「改めてよろしく」

手を差し出すとガレットは体ごと引っ込んだ

「なんだそれは」

「握手だよ、こうするんだ」

僕は手を無理やり握りぶんぶん振った、途中食事をするのにキャンプを開いた、ガレットがイノ野ブタを狩ってきてフィアちゃんが火を越しを手早くやってくれた、僕は野草を探したりバニラ姫に言われた香辛料なんかを探したり、ルクトが皿を出したり汚れていたら拭いたりして、カインはイノ野ブタを捌いた

「君たちはどうするの?」

「何がだ」

僕の突然の質問にガレットが答えてくれた

「魔王の命令に反する事しちゃうけど、万が一魔王にバレたらどうする?」

「その時はこの命もそれまでだろう」

フィアちゃんがなにか手話をし、ガレットが通訳してくれた

『平和を望むのは皆同じ、魔王の命令はあくまで魔王の個人的復讐、私たちには関係ない』

「だけど他の種族も同じ気持ちかは分からない」

最後のはガレット自身が付け加えていた

「そうだよね、みーんな平和を望んでくれたらな」

僕はミスリちゃんの手入れをしていた、ミスリちゃんの最後の顔は穏やかだった、怨みだけでは崩壊してしまう

「魔王みたいにみんなに伝達する力が欲しいですね」

バニラ姫も足をぶらぶらさせながら言っている

「夢の話しだと思うぞ」

カインは現実的な事を言うなと思っていると西の国の馬車が通りかかった、中から兵が出てきてガレット達を威嚇している

「まって!国王に謁見したいんだ!この子達は安全だよ」

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