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三話‐1

大河の上に作られた都市に来た、不思議なもので大きな橋の様な作りの道に街が出来ている、周辺に龍を隠すところが無いので離れたところにある岩山に隠す事にした。

「食べるもの無さそうだけどこの龍ってこのまま置いてても良いの?」

「俺たちの水筒置いていけば大丈夫だろう、懐も寂しいからしばらく滞在して金を稼いでから行こう」

その時岩陰から一匹の鼠が飛び出してきた、龍は驚き後退し、ブルブルと震えている

「コイツ元水牛のくせに鼠が怖いのかよ」

「ハハっ水牛だった頃の記憶は無いよ、龍になると生まれ変わるから記憶は無くなるんだ」

「そうなのか、じゃあ僕やルクトが世話したかとかは覚えて無いんだな」

「潜在意識ではあるんじゃないか?現に僕達を乗せるの嫌がらないだろ」

そんな事を聞くと少し恐ろしかった龍が少し可愛く見える、ザラザラとした鱗を撫でてやるとキュルルと小さく鳴いた


僕達は街に降りて散策を始めた、腹が空いてるところだが手始めに職にありつけないか聞いて回った、動物の世話とかなら自信はあるが。水の上の街では基本食べるものは魚か海獣で僕達には難しそうであった。

「陸の動物の肉なんかは食べないんですか?」

話しを聞いていた露店の店主に聞いて見ると、缶詰を出された。

「あるっちゃあるがこんなのだな」

開けて見せてくれると、中身は鼠のオイル漬けだった。鼠は僕達の街では低下層の人が主に食べている、まあ僕もその低下層だが。

「この鼠、もうすぐ変身するとこだな」

ルクトがボソッとそう言うと、店主に幾らか払い缶詰を譲って貰い、誰も居ない川辺に行った。缶詰を水に着けて丁寧にオイルを洗ってゆく、何かブツブツ言っているが、唄の様で優しく囁いている様に見えた。

「さあもう大丈夫だよ」

そう言うと鼠は目をかっ開き、体が捻れた粘土の様になり、その皺から花の蕾が出てきたかと思うと。大輪の花を撒き散らせながら小さな龍が現れた。

「好きなところに行くと良いよ」

ルクトの言葉に龍はこうべを下げ、空へと飛んで行き、雲の隙間を探し潜り込んで行った。

「すごーい」

後ろから突然声が聞こえ、2人同時に振り向くと小さな男の子がいた。

「今のどうやったの?」

答えあぐねていると少年はどこかに走りだした。

「どうするルクト!これまずいんじゃない?」

「まあまあ、もしかしたら龍に抵抗ない街かも知れないし」

「何言ってるんだよ!何処だって龍は害をなす生き物じゃないか!」

その言葉にルクトは顔をしかめた。そうだった、ルクトはその事に懸念を持ち街を飛び出したんだった、そして僕はその腰巾着。

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