九‐6
僕たちは馬車で移動することになった、龍で現れると獣人たちが驚き襲ってくる可能性があったからだ、西の国に住む猿虎に馬車を引かせている、足がとても速く強いため万が一に適応しているとの事だ
「あの赤ちゃんだけどさ、名前僕が考えていいかな」
ルクトが小さく手を挙げた
「全然いいよ!その方がありがたいよ!」
「じゃあ次あの子に会うまでに考えておくね」
「お前がつけた名前ならご利益あるかもな」
「私の考えた名前も素敵だと思いますよ」
みんなそれぞれ好きなことを言い、とても楽しい雰囲気だった。城兵がもうじき目的地に着くと教えてくれた時、馬車が揺れた、城兵が何か騒いでいて僕らは外に出てみると、ウサギの耳をした青年がハンマーを馬車に振り下ろしていた
「何をしている!」
カインが同じくハンマーを振り上げると、炎が青年を押しのけた
「それは魔法か?」
青年の言葉に僕らは唖然とした
「魔法とは?魔女が使う薬術の事じゃないの?」
「とんまが」
青年はもう一度ハンマーを振り下ろしてきた、僕がそのひと振りを大剣で受け止め、ルクトが電気を青年の腹に打ち付けた。青年は吹き飛んだが後ろに一回転し着地した
「やはり魔法を使うでないか!ほら吹きめ!」
「なになに?僕たち魔法を使ってるの?」
「トウリしっかりしろ、魔法は薬術だ」
僕とルクトが頷きあっているとカインが僕とルクトに拳を投げてきた
「これも魔法っていうんだよ」
青年がハンマーをこちらに掲げ睨みつけてきた
「俺たちが魔法を使えないからと嘲笑っているな!成敗してやる!」
「ちょっと待って!僕たち君らを襲いに来たわけじゃないんだよ、もし食料に困っているなら分けてあげようと思って」
「嘘つけ!前に居たやつらは俺たちが幼いのをいい事に惨殺してきた!俺たちは化け物じゃないぞ!」
「化け物じゃないよ!そんなこと言ったら君たちからしたら僕らの方が化け物だよ」
「その通りだ!大人しく首を差し出せ!」
青年がその場で宙を舞い、ハンマーの遠心力で高回転するとハンマーからナイフが降り注いできた、僕はそれを大剣を回し跳ね飛ばした
「まって!聞いて!」
「あんたたちここで何やってんだい」
怒声が聞こえそちらを見るとカインのおばあさんが杖を構えて立っていた
「ババア!何でここに居るんだ!」
カインの驚き顔に石が飛んできた




