八ー5
青年エルフの提案に僕らは喜んだ、カインが白紙を出し地図を書いて貰う事になった
「お前ら方向音痴なのに大丈夫か」
「俺が居るから大丈夫だ」
カインが胸を打つ
「お前が居ても迷ってただろ」
マクダビン王が持っていた乳桃を赤ちゃんにあげている
「そういえばこの子に名前はあるのか」
長老の1人が指をさしてきた、名前など考えていなく僕らは空を見た、バニラ姫がパンと手を打ち「ラッキースター」と命名しそうになり全員慌てた
「名前はおいおい考えよう」
僕は赤ちゃんを包み胸に縛った、エルフ達に礼を言ってまた歩き始めた。森を出たところでマクダビン王に止められた
「僕はここまでだ、許可が出てるのはこの森までだから後はちゃんと行けよ、ちなみにあっちの方角だからな」
「だから地図を書いてもらってる時念入りだったんですね、大丈夫です、西の国まで行けたんですから何とかなります」
マクダビン王は疑い深い顔をしている、ちょっと自信がなくなってきた、だが龍が居るので迷っても何とかなる気がする
「あの!国王!」
バニラ姫が珍しく前に出る
「私と婚約して下さい!」
相変わらずの姿勢に自然と笑顔が出てくる
「済まないが僕に決定権は無いんだ、だけど王位継承したら是非にでも」
国王の笑顔に嘘は無さそうなのでソワソワしてしまう
「本当ですか!それはいつですか!」
「あと10年は掛かるかな、僕の国では国王の成人認定が30歳なんだ」
「10年、ですか、いや!待てます!待ってみせます!」
「北の国とは友好関係を築きたい、北の国の氷は僕らの命綱だからね」
「国交の為ですか、そうですよね」
バニラ姫が落ち込んでいる、隕石が降るかもしれない、ドラマを見ている気分になる
「それに可愛らしい姫だからね、もしかすると大臣達も首を縦に振れば成人とは関係なく許しが出るやも」
「私花嫁修業します!大臣達が認めてくれるまで魔物を狩りまくってみせます!」
何だかズレてる気がするがお国柄かもしれないので黙っておく事にしよう
「ではマクダビン王行ってきます」
僕はバニラ姫の腕を引っ張り、ルクトに龍を呼んでもらい出発した
「なんでそんなに結婚したいの?」
ルクトがバニラ姫の顔を覗き込む
「レディに失礼です!」
「ルクト野暮な事聞くな」




