八ー4
「僕たちエルフを育てた事なくて、僕たちより先人達に育てて貰った方が良いかと思いまして」
「気持ちはわかる、だがこの森にはこれ以上の生き物を住まわす訳にはいかん、何かが入り込めば脅威になる」
そこで青年のエルフが樹木を持って現れた
「僕たち3人で最後のエルフです、この子は新たな時代を築くでしょう、この木は乳桃が成ります、それを与えなさい」
僕は予想を反した反応に愕然としたが、突然子育てをする事に戸惑っていた。そこでマクダビン王が前に出た
「長老達、もう承知だろうが魔物が現れた。僕たちは魔物の恐ろしさを知らない世代だ、貴方達ならなにか知恵が無いか?」
「お前は幼い頃から何でもかんでも質問ばかりだな、ここには来るなと言っても言いつけ守らん、ワシが躾けたろうか」
長老の1人が小さな弓で石の付いた矢をマクダビン王のスネに当てた、マクダビン王はもんどり打ち見るも無惨だ
「王様の醜態も良い」
バニラ姫が戯言を言っていると、長老の1人が立ち上がりバニラ姫の持っている弓をまじまじと見た
「あの頃の英雄の1人も幻の弓を持っていた」
「具体的には!」
マクダビン王はめげない様だ
「英雄の仲間だったがな、アイツは魔王に弓で直接頭をかち割ってこの辺地に逃げてきてな、英雄にこっぴどく怒られておったわ」
「アイツは弓の使いがなってない奴だった、だが弓に封魔の術がかかっていたから魔王軍の威力が落ちたのも確かだ」
「アイツはエルフの風上にもおけん、皆が弓の練習してるなかへそ出して寝てるような奴だった」
本当に英雄の1人だったのか疑うくらい悪口が次々上がっていた、そこで青年エルフの口が開いた
「僕の兄でしたがね、あれは英雄の足でまといでしたね、魔物とあらばスグに喧嘩ふってボコボコにやられて帰ってくる奴でした」
やはりいい事では無かった、長老の1人がバニラ姫の弓を湖畔に着けた
「これは回復の術が掛かってる、この湖は弓の力を上長させる、これで今以上役に立つだろう」
バニラ姫に手渡されると弓から青い花びらが中を描きながら飛び出た、祝福されているようだ
「おそらくそなたの為に作られた弓だろう、大事にしなさい」
「兄の居場所を念の為教えておきましょうか?」




