八‐3
僕たちは西の国の最果てに向かうことになった、龍で行くと魔物などは道に迷うらしく置いて行く事になった、歩いての旅は雪の国とは違い歩きやすい地面が有り難かった。
「大変!カインさん小さなおじさんが居ました!」
食料確保に離れていたバニラ姫が突進してきた、よくよく見ると妖精だった
「バニラ姫妖精見たことないの?」
僕が妖精を摘まみながら聞くとバニラ姫は首を横に振った
「それは魔物ですか?」
「んー害は無いし僕らの村では幸せを運んでくれるって言われてるし、虫と一緒かな」
「虫と一緒にはできません」
「トウリは妖精食ったことあるぞ」
カインが小枝を毟りながら暴露してくれた
「なんでそれ言うんだよー思い出させないでよー」
「トウリさん気持ち悪い」
何故か僕の株が落ち、気持ちまで落ちてしまった。その時マクビダン王が森の中から現れた
「お前たちまだこんな所に居たのか、許可が下りたから見に来てみれば、方向音痴にも程があるぞ」
「びっくりした!王様が来てくれて心強いよ」
僕はマクビダン王に首根っこ摘ままれて森の奥へと連れられた、森はジャングルという言葉がぴったりで、見たこともない植物が生えていた。開けた場所に出ると動植物に溢れていた。
「奇麗なところですね」
バニラ姫が花を摘むと弓矢が飛んできた
「ここの植物に触れることは禁じられています」
木の上から背の高い白い肌の青年?が現れた、僕らが抱いているエルフによく似ている
「ヌエッタ久しぶりだな」
マクビダン王が拳を突き出しヌエッタと呼ばれたエルフに近づくと拳骨を食らわせられていた
「もうここには来てはだめだと忠告したはずだぞマクビダン」
「いや諸事情があり」
そこで僕は赤ちゃんエルフを差し出した
「これは、数千年ぶりの新たなエルフか」
「この子をここで育てることは出来ませんか」
僕の申し出にヌエッタは道を案内した、導かれて行くと小さな湖畔に着いた。そこには水辺でお茶を嗜んでいる老人エルフが二人いた
「長老様、新たなエルフが誕生しました」
「おお、まさかこの歳でまた新たな誕生を見れるとは、見せてみなさい」
そこでその老人に赤ちゃんを抱かせた
「懐かしい、ミルクのような匂いだ」
老人エルフが赤ちゃんの顔を覗き込み微笑んでいた




