八‐1
僕らは数日様子を見たが、同じように雪に対応できず死んでる魔物しか見つからず、一度西の国に帰る事になった、エルフの赤ちゃんは連れて行くこととなった
「では父上行ってまいります!」
「行ってはならんバニラ!」
国王の血管がまた切れ倒れている間にバニラ姫は僕らに同行する事となり、バニラ姫の兄弟たちが見送りをしてくれた。国一番のばん馬に馬車で引かれ、犬ぞりとは違い力ず良く安定した帰路を辿り。国の外に着いたとき僕らの水龍を呼んだ、水龍は勢いよく飛んでくると僕らを舐めまわした
「何だこいつ犬みたいだな」
「龍ってこんな一面があったんだね」
「素敵な龍ですね!大きさが合うか分かりませんが国から持ってきた鞍が合うか確かめてみましょう」
バニラ姫が大きな袋から一つ一つ連なった鞍を出してきた、足を掛けるところもあり、今までより断然乗りやすそうだ。龍は最初嫌がっていたが、ルクトが手なずけると大人しく装着してくれた。バニラ姫がまだゴソゴソ漁っていると思ったら弓矢を出してきた
「姉さんから授かった弓です、姉さんの力が宿っているそうです」
「雪を降らせる力?」
「いえまだよく分からないのですが旅に必要な力だとか」
持てる荷物を持ち、赤ちゃんを寝かせる揺り籠も付け、僕らは龍に乗り帰路を辿ることになった。帰りはコンパスが役に立ち、例の雨乞いの街が見えたが遠くから見た分にはまだ変化はなさそうだ。途中見慣れない生き物の集団が見えた、降りてみるとリザードンという害のない魔物と会った、まだ幼く言語も話せないようだった。
「バニラ姫が居なかったら危険かどうかわからなかったね」
「いえでもお話の中の事なので実物はよく分かりません」
「僕らはその本の事すら知らないからね、文学の経験がないんだ」
僕らはそこで野宿することになり、リザードン達と包まって寝ようとしたが、リザードンは人肌が熱いようで足蹴にされた。一日だけだったがリザードン達は僕らの仕草を覚え互いに手を振り別れた、西の国に近づくにつれ魔物の姿が多くなっていた、途中ゴブリンの幼体の群れがあり、危険な生き物との事で罪悪感が湧き出たが殺処分した、特に痛みなど感じないのか、体を切られても僕らを襲ってきたときは寒気がした




